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Blue Rose

 目を覚ますと、辺り一面、白い壁に囲まれていた。
 
 ぼんやりした意識のまま、おそらく天井だろうと思われる目の前の白い壁を男が見つめていると、視線を察知したのだろう、その壁に自動的にモニター映像が映し出された。

 「私はあなたの担当医のライラです」
 
 画面上に現れた白衣の女性はそう言うと、医者であることを証明する、I.D.証を、男にわかるように、しっかりと提示した。

 どうやらここは、病院らしい。

 男は安心し、ゆっくりと起き上がった。天井の映像も男の視線に合わせて、壁を這うように移動していく。

「まずはじめに、あなたが何故、ここにいるのか。これから順を追って説明させていただきます」

 男は黙って頷いた。

「あなたは昨日、会社の健康診断でこの病院にいらっしゃいました。全身スキャンマシーンPET-120の検査用点滴を受けたことは、覚えていらっしゃいますね? あなたはその直後、突然意識を失い昏睡状態に陥られたのです」

 男は黙ったまま、ライラの説明の続きを待った。

 患者がわずかでも不安や疑問を持たないよう、わかりやすく説明するのは、担当医であるライラの重要な役割であり、義務だ。何も考えず、ただライラの説明を聞き逃さないよう、注意深く耳を傾けることに集中した。

「検査用の点滴は完全に終了していましたから、我々はその原因を探るため、検査を続行しました。なにしろPET-201に入れば、がん細胞だけでなく、あらゆる健康の障害が一目でわかりますからね。そのほうが手っ取り早いと思ったのです。

 そしてその結果、あなたの右脳に小さな腫瘍が見つかりました。もちろん、通常の脳腫瘍であれば、現代の医学の力を持ってすれば、脳を切開せずに完全に除去することも可能です。しかし、あなたの腫瘍は少し特殊でして……。こちらをご覧ください」

 ライラはそう言うと、PET-201によって撮影された、男の脳の断面図を壁一面に映し出した。細部まではっきりと映し出された、ややグロテスクなカラー断面に、思わず目をそらしてしまいそうになる。

「この、右脳にできたブルーの点が、腫瘍なのですが……」

 ライラがそう言い、画面の一部を拡大すると、そこには薄いブルーの光を放つ、小さなバラの蕾が現れた。繊細な花びらの一枚一枚まで、はっきりと確認することができる。

「わかりますね。形が少し変でしょう? 我々もこのようなバラの形をした腫瘍を見るのは初めてでして。過去の文献も当たりましたが、このような腫瘍はどこにも報告されていないのです。つまり、前例がない。下手に触ると刺激を与え、肥大して、逆効果になる恐れもあると考えられます」

 男はライラの説明を聞きながら、しばしその蕾の美しさに心を奪われ、静かに見つめた。それは腫瘍というより、美しく精密な工芸品のように見えた。本当に自分の体内からこんなに美しいものが生み出されたのか――そう思うと、妙に誇らしい気持ちさえ生まれた。

「我々としてはこのままの状態で、しばらく様子を見たいと思っています。幸いまだ小さくて、日常生活に支障が出るとは考えられませんし、このまま放置して、自然に消える可能性も、ないとは言い切れません。とりあえず、半年ごとに検査をしていただいて、少し様子を見るのが良いかと」

「わかりました」

 男は納得し、短くそう答えると、再びライラの説明を聞く為、黙った。

「万が一の時のために、頭痛薬はお出ししておきます。薬についての詳しい説明は、後で薬剤師の方からさせていただきます。

 日常生活で気をつけることは、できる限り、毎日、規則正しく生活をすること。なにしろ、何が原因かわかりませんからね。余計な刺激を受けないよう、十分注意してください。

 特に、古い小説や映画、音楽、絵画や演劇など、現在『ゲージュツ』と呼ばれている過去の創作物には一切、触れないように。『ゲージュツ』は時代が古くなればなるほど、あなたの想像力を刺激し、右脳に負担がかかってしまいますから。

 それ以外は普通にお過ごしいただいて、結構です。現代のものであれば、小説や映画や音楽も、自由に楽しんでいただいて大丈夫ですよ」

 男は黙って頷いた。言われなくても、数世紀以上も前の、難解な小説や映画など、元から興味などなかったし、それが人類の歴史として保管されている、特別な場所にいかない限り、普通の生活で触れる機会はほぼないと言ってよかった。

「念のため、毎日、日常生活を記録してデーターとして保存してください。その日起こった出来事を、簡単に箇条書きにしていただければ結構です。そうしておけば、万が一、腫瘍が大きくなった時に見返して、何が原因なのか、探る手がかりになりますからね」

 男が黙って頷くと、ライラは満足した表情で微笑み、お決まりの言葉を口にした。

「何か質問や、わからないことはありますか?」

「ありません」

 男は、自分に何の疑問も抱かせなかったライラの説明に十分満足し、病院を後にした。

          * * * * * * *



 自宅に戻った男は、翌日から普段通りの生活に戻った。

 男の一日のスケジュールを簡単に説明すると、こんな感じだ。

 朝7時に起床し、7時30分に配達される新鮮な軽い朝食をとった後、アプリでコーディネート指定された〝今日の服〟に着替え、8時に家を出て自動運転の車で仕事に向かう。

 仕事は午前9時から午後5時まで。仕事を終えると再び自動運転の車で午後6時に帰宅。

 帰宅時間に合わせて配達される夕飯を食べ、男の好みに合わせて自動配信されるネット放送を見て、風呂に入って11時に就寝。

 週3日の休日は、仕事で疲れて寝ていることも多いが、気が向けば、休日用アプリを開き、その日の予定を決めてもらう。アプリはその日の気分を言うだけで、映画でも小説でもコンサートでも、今、流行っているものの中から、男に合ったものを選んで提案してくれるので、それに従って過ごせば、全くストレスのない休日を過ごすことができる。

 そしてリフレッシュして、また4日間、仕事に励むというわけだ。



 男の仕事は、子供用肌着の検品だ。

 現代のロボットによる縫製技術では、品物に不備が出る確率など、0.0001%以下。
つまり本来なら、検品の必要などないのだが、それでも男の会社の社長は「人間の目で最終チェックを終えた、信頼性の高い安全な商品」という謳い文句で、原材料費の安い品物を高級商品として売り出していた。

 発売当初は、ロボットより不確実性の高い人間による最終チェックが、今更商品のウリになるのか、大いに疑問視されていた商法だったが、意外にも、より高い安全性を求める富裕層の母親たちの心をつかみ、大ヒット。
 今では全く同じ商品でも、人間が最終チェックに関わっただけで、値段が跳ね上がるという現象が、別のジャンルの商品でも巻き起こり、通称『ホメスタ現象』と呼ばれ、もてはやされている。

 ほとんどミスのない商品を検品することは、簡単な仕事のように思えるかもしれないが、社長は会社として社員にきちんと『労働』させる為、時々わざとミスをするよう、ロボットをプログラミングしていた。

 いつ、どの商品にミスがあるかはきちんと管理されているので、そのミスを見逃すと減給され、しかも何度もミスを続けると、仕事を解雇されてしまう契約だった。その為、仕事中は緊張の連続で、決して楽な仕事とは言い難かった。

 それでも男は、今の自分の生活に満足していた。

 かつて人間がやっていた仕事をほとんどロボットが行ってしまう現代、最低限の生活費はロボットが稼いだお金の中から、人間に再分配される仕組みになっていた。

 すなわち、もはや人間が会社に通ったり、働いたりする必要はないのだが、男は働くのが好きだった。なによりも、毎日同じことを繰り返す、規則正しい日々の生活が、性に合っていると感じていた。

 男は毎日代わり映えのない、規則正しい生活を続け、それから半年後、1年と、何事もなく過ごした。

 右脳の痛みもなく、ライラの話によると、腫瘍の大きさも変化ないということだった。

「素晴らしい! 予想以上の結果です!」

 ライラは男の脳の断面映像を見て、満面の笑みを浮かべ、言った。

「このまま規則正しい生活を続ければ、腫瘍と共存して、何事もなく、生き続けることができるかもしれません。とにかく、この調子で、これからも頑張ってください」

 男はライラに褒められ、いつもより良い気分で病院を出た。あれほど美しい腫瘍であれば、ずっと共存して生きていくのも、悪くない気がしていた。



 しかしそれから3ヶ月後。


 右脳に突然、激痛が走り、男は激しい眩暈を覚えた。急な異変があったらいつでも来るように、と言われていたので、男は何も考えず、急いで病院に向かった。

 すぐに撮影された男の脳の断面映像には、少しだけ蕾が膨らみ、輝きを増したブルーの腫瘍が映っていた。

 ライラは深刻そう、というよりどこか不機嫌そうに見える表情を浮かべ、言った。

「ご覧の通り、腫瘍がわずかながら成長しています。何か生活に変化はありましたか」

「特に何も。特別な休みもありませんでしたし、生活はいつもと同じでした。もちろん、『ゲージュツ』と言われるものに、触れることもありませんでした。記録を見ていただければわかると思いますが……」

「本当に、何もないんですね」

 ライラは懐疑的な、鋭い視線で男を見た。

 男の脳裏に、一瞬、3ヶ月前に起こったある出来事が頭をかすめたが、男はすぐにそれを打ち消し、ただ黙って頷いた。

 ライラは、鋭い視線のまましばらく男の顔を見つめ、そして言った。

「ではもうしばらく、様子を見てみましょう。今回のことは一時的なことかもしれませんし……。ただし、何か生活に変化があったら、必ずデーターに記載し、すぐに報告すること。よろしいですね」

「わかりました」

 男はライラの顔を見つめ、しっかりと頷いた。

          * * * * * * *



「どうして私に嘘をついたのです。患者に嘘をつかれたのでは、医者は治療ができません」

 ライラは男の記録データーを見ながら、珍しく強い口調で言った。

 前回、激しい頭痛と眩暈で病院に駆け込んでから1ヶ月後の今日。男は仕事中に突然気を失い、病院に担ぎ込まれていた。

「どうせ恋愛など、病気には何の関係もないと思ったのでしょう? そんなプライベートなことまで話すことはない、記録することはないと」

「はい」

「それが間違いなのです。なにしろ前代未聞の腫瘍なのですから。何が刺激になるのかわからないと、最初にも説明したでしょう?」

「彼女のことが、原因なのでしょうか?」



 男が〝彼女〟と呼んだのは、今からさかのぼること4ヶ月前、1年後検診でライラに褒められ、いつもより良い気分だった病院の帰りに、偶然エレベーターで出会った女性のことだった。その時は、彼女と軽く接触し、簡単に言葉を交わしただけで別れたので、特に記録にも残さなかった。

 ライラから「何か生活に変化はないか」と問われた時に、彼女のことを話さなかったのは、彼女とはそれ以降に接触はなく、特に自分の日常生活に与えた変化は見当たらなかったからだ。
 
 ただ、彼女のことは、ずっと忘れられなかった。
 そして2週間前、男は街で再び、彼女と再会した。
 彼女の目を見た瞬間、男は彼女も自分のことを忘れていなかったのだと、何故か瞬時に理解することができた。そしてそれは、彼女も同じだった。
 お互い惹かれあっていた2人が恋人同士になるには、時間はかからなかった。

 そう。
 男は生まれて初めて、自分でも驚くほどの、激しい恋に堕ちたのだった。



 初めて、自分の説明より先に質問してきた男に、ライラは一瞬、とまどいの表情を浮かべたが、すぐに落ち着いた顔を取り戻し、やわらかい口調で言った。

「まだ確定ではありませんが、その可能性は十分にあると考えられます。なにしろ、わずか1ヶ月で前回の2倍の大きさになっていますからね。蕾がすっかり膨らんで、今や咲かんとするばかりです。今回は意識を失う程度ですみましたが、次は何が起こるか、我々ももはや、予測できません」

「そんな。私はどうすれば……」

 男は再び、ライラの説明より先に質問した。

 死の恐怖と同時に、彼女を失わなければならないのかという不安に苛まれ、強い鎮痛剤を打たれたというのに、右脳からにぶい痛みを感じる。

「私は彼女を愛しています。彼女は私の全てなのです」

「愛!」

 ライラは何故か、とても困った様子で、眉間にしわを寄せ、言った。

「あなたは、付き合い始めてからまだ2週間しか経っていないのに、〝彼女を愛してる〟そうハッキリと断言できるのですか?」

「はい」

「つまりあなたは、絶えず彼女のことを考えている。――会えない時は、『今、何してるだろう?』、会っている時は、『自分のことを、本当はどう思っているんだろう?』、別れた後は、『今日、自分は彼女に不快な思いをさせなかっただろうか』という風に」

「はい」

「やはり原因は、彼女です。彼女以外に考えられません」

 ライラは驚くほどきっぱりした口調で、そう断言した。

「いいですか。前も言ったように、右脳は『想像力』というものを刺激された時に、活発に動くのです。さきほど私が言ったように、相手を思うこと。これも『想像力』のひとつです。相手への思いが強ければ強いほど、その分、右脳は活発に動き、腫瘍を刺激します」

「じゃあ私はこの先、誰とも恋愛できないというのですか?」

 男が本日3度目になる質問をすると、男の右脳に激痛が走った。ライラは男の痛みを少しでも和らげようと、笑顔を作り、できるかぎりやさしい口調で言った。

「そんなことはありませんよ。普通の恋愛であれば、しても問題ないのです。ただ、今回のように、常に相手のことを想像せずにはいられない恋愛となると、話は別です。

 私の計算では、そんな、いわゆる運命の相手に巡り会う確率は、一生に一度、1万人に1人、あるかないか。しかも互いに想い合いうまくいく確率など、10万、いえ、100万人に1人、あるかないか、です。

 つまり今、あなたがお付き合いされているのは、あなたにとってその一生に一度の、最も右脳が強く刺激されやすい、運命の相手なのです。彼女ではなく、別の人と程よい情熱を持ってお付き合いできれば、右脳への刺激は回避されると考えます」

 男は何か言おうとしたが、再び激痛が右脳を襲い、その言葉は声にならなかった。
ライラは医者らしく男に深呼吸するよう促し、説明を続ける。

「私は彼女と別れろと言っているわけではないのです。別れたりなんかしたら、余計に彼女のことばかり想像して、腫瘍は大きくなる一方でしょうからね」

 男はかすかな希望を瞳に宿し、ライラを見た。

 ライラはもう一度微笑み、説明を続ける。

「あなたの脳から、彼女に関する記憶を全て消すのです。彼女の記憶を全部消してしまえば、今、あなたが体験しているような苦しみも、悩みも、全てなくなります。そして彼女と出会う確率の最も低い地区に移住し、また平穏に暮らせばいいのです。もちろん、彼女の協力も必要ですが、愛するあなたの命がかかっているとすれば、彼女も同意してくれると思いますよ。なにしろ、それ以外にあなたの命を救う方法はないのですから」

 男はライラの説明の中に、何か大きな誤りがあると感じたが、それについて考える力は、もう残ってはいなかった。久しぶりに慣れない質問を3度もしたせいで、彼の思考はもう、すっかり疲れ果てていたのだ。

「わかりました」と、男は力なく言った。

「先生の仰る通りにするのが一番ですからね」

「その通りです」と、ライラは胸を張った。

「私の言う通りにすれば、命は助かります。お任せください」


 ライラは早速、男の彼女を病院に呼び、事情を説明した。
 全てを理解した彼女は、男の命を救うために、男の脳から自分の記憶を消すことを承諾し、そして自分の脳からも、男の記憶を消して欲しいと言った。

「私だけ彼を想い、苦しみ続けるのは不公平です。それに私は、彼のことが忘れられず、探し出してしまうかもしれません」

 彼女の願いはライラの予測の範囲内だったので、ライラはあっさりそれを承知した。それにそもそも、男と彼女、2人の記憶を同時に消した方が、再び出会う確率も限りなくゼロに近づき、安全だった。


 記憶を消した男は、遠い北国の、小さな町に引っ越した。
 環境は変わったが、幸いその地でも同じような仕事があったので、男はすぐにいつもの生活スタイルを取り戻した。


 しかし男は時折、何も考えず、ぼんやりと空を見つめることが増えた。
 
 自分の一部をどこかに置き忘れてきたような、そんな空虚が時折、男を襲った。

 その度に、男は自分の右脳の中にある、小さな腫瘍の映像を、手元の画面に呼び出し、見つめた。

 青い美しいバラの蕾のような腫瘍が、いつの間にか失われた『何か』のような気がして、ただひたすらに眺める日々が続いた。

          * * * * * * *



 ライラがその男の死亡通知を受け取ったのは、男が北国の小さな町に引っ越してから、1年後のことだった。

 男の遺体を引き取りに行ったライラは、男の亡骸に取りすがって泣き崩れる女の姿を見て、表情を失った。

 それは1年前、男と一緒に記憶を消したはずの、彼女だった。

 彼女はライラを見ると、初対面の人にするように、遠慮がちに会釈した。
 
 彼女の記憶が戻ってないと直感したライラは、何も知らないそぶりで男との関係を聞き出した。

 驚くことに、男と彼女は、出会うはずのない北国の小さな町で、偶然再会していた。

 お互い、記憶がないまま再び惹かれ合い、恋に落ちたが、今回は男の行動が違った。

 どんなに激しい頭痛を覚えても、それをライラに報告しようとはしなかったのだ。

 その事実が何を意味するのか、ライラにはわからなかった。

 男の記憶の中に、ライラに報告すれば、彼女を失うという恐怖が、潜在的に残っていたのかもしれないし、もしかすると、男は何かの拍子に記憶を取り戻し、自ら死を覚悟した上で、彼女といることを選んだのかもしれなかった。

 いずれのことも、ライラの理解の範疇を超えていた。

 医療用ロボットであるライラには、医師としての知識全般と、美しい工芸品のような、バラの形の腫瘍を作り上げる技術は備わっていたが、それだけだった。

 ライラにわかるのは、男の右脳から取り出した青いバラが、美しく花開いていたこと。

 そしてそれにより、自分が作った精密な想像力探知装置が、正常に働いたことが証明された、ということだけだった。

「まだ足りないのか」
 数日後、ライラが男の記録データーを、政府のとある機関に提出すると、その機関の担当者は、ひどく忌々しそうに唇を噛みながら、言った。

「我々は『民』をコントロールするため、数世紀をかけて、教育、文化、医療……あらゆる分野において「わかりやすいもの」を提供し、その想像力を秘密裏に奪い続けてきた。
しかしそれでもなお、『民』から完全に想像力を奪うことは、不可能だということなのか?」

「私にはわかりません」

 ライラは正直に答え、手の中にある小さな青いバラを静かに見つめた。


  Blue Rose
                              

                  THE END

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