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【実践的必勝法】GD*は「はじめの5分で勝負が決まる」!最後の仕上げより大切なこと

GD*…本記事で扱う「GD」は◯◯などを含む広義の意味を持ちます

就活生から見て、現状のGDには、いくつかの問題点がある

グループディスカッション(以下、GD)は、就職活動において重要な選考方法の一つとして広く用いられています。しかし、現状のGDには、いくつかの問題点が存在しています。

テンプレ通りの議論では失敗する

GDに「コンサル志望」が入るとうまくいく…。そう思っていませんか?実は、コンサル志望の就活生の進め方は、かなり「テンプレ的」です。間違っていないものの、GD経験がない、合理的な話し合いが苦手な就活生には参加者の前では無用の長物になることがあります。

「なぜかみんな前提の共有を行いません」と怒りながら相談してくるコンサル志望の学生もいます。気持ちは分かりますが、現実に合わせるしかないのです。

意味ある?就活GDの現状

現在のGDの対策の難しさ、こだわるべき点・・・・、最終的な結論の精度の低さです。多くの場合、GDのアウトプットは、参加者の本当の能力や適性を反映していないのが実情です。しかし、この中でも次の選考に進むためには、根本的な原因の把握と適切な対処をすることが重要です。

● 現在のGDが難しい原因1:あいまいな条件設定

多くのGDでは、お題の条件設定が緩やかです。企業の言い分はあるでしょうが、正直、これがGDといえない状況を生み出す最大の要因です。

「条件の設定」は就活生立ちに委ねられます。しかし、曖昧な条件設定では、議論の焦点がぼやけてしまい、参加者が的確な意見を出すことが難しくなります。また、条件設定が緩やかすぎると、議論が脱線してしまう危険性もあります。

もともとが机上の空論になりやすいのに、社会経験がない就活生たちに条件設定から委ねてしまうことで、学生が本来のパフォーマンスを発揮しづらい状況になっています。

● 現在のGDが難しい原因2:条件設定ってかなり難しい

先ほどお伝えした通り、多くの場合、参加者は自分たちで条件を設定する必要があります。しかし、参加者が、お題に関する知識や経験が不足している場合、条件設定は大きな障壁となります。

適切な条件設定には、お題に関するある程度の理解が必要です。的はずれな設定で議論がスタートすれば、結論も的外れになります。また「グループ」のディスカッションするわけですから、なるべく参加者全員が納得できる条件を設定する必要があります。でも、これは難しい…。

● 現在のGDが難しい原因3:初対面のメンバー

お互いの考えや背景が分からない中で、議論をするのは社会人でも難しいし、かなり気を遣います。また、お互いの力量も分からないし、ディスカッションの中での立ち位置、思考タイプも分かりません。自分と同じタイプで、自分よりも優秀な場合は、別の立ち位置に変わらないと埋もれてしまいアピールできません。

最悪な場合、メンバーにクラッシャーがいるときです。あからさまに除外できないため、結論はおろか、プロセスもめちゃくちゃ、チームに亀裂が生じる可能性。GDの質を高めること以外に神経を使う必要があるのです。

● 現在のGDが難しい原因4:そもそも無理のある時間設定

GDに慣れている人は、始めに時間配分を行います。しかし、その時間配分は企業が用意した時間枠の中で設定したものであり、その時間で議論が成立する保証はありません。しかし、その取り決めた時間配分に囚われて浅いディスカッションに終わってしまうことがあります。

● 現在のGDが難しい原因5:発想か論理か、それが問題だ

GDでは、その場でテーマが与えられます。そして、リサーチの時間はあまりなく、ネットなどで調べられる情報も鵜呑みにはできません。よって「根拠」「エビデンス」を重視した提案は難しい。だからといって、思いつきやアイデアベースの結論は説得力を欠きます。

何より、複数の意見から、最終的な意見の選定はかなり難しい。何を根拠に決めるのか。多数決だけで決まるなら、そのメンバー全員が、社会人としての資質は疑問視されるでしょう。

では、これらの問題を乗り越えるにはどうすればよいのか?

解決策:「はじめの5分で勝負をつける」

● こだわるのは「最後の仕上げ」より「適切な条件設定」

多くの人は、GDの”流れ”や”最後の仕上げ”に力を入れがちです。しかし、実践的に考えれば初めの5分間での適切な条件設定の方が重要です。

精度の高いアウトプットをつくるのに、30分や1時間でできるわけがありません。また、資料などが十分にない中の議論も、その精度を検証することはできません。

5分間の設定が曖昧だと、議論が迷走し、的外れな結論にたどり着く可能性があります。具体的なテーマ事例と、曖昧な設定が導く結論の例を以下に示します。

適切な条件設定がない場合、こんな議論になる

例1. 「〇〇企業の売上を1.5倍にせよ」
<ありがちな曖昧な結論>
「新規顧客獲得に力を入れるべきだ」という漠然とした結論に終わる。
「広告費を増やす」「新商品を開発する」など、具体的な施策や具体的な数値目標が伴わず、実現可能性が低い結論になる。
「顧客満足度を高めることが重要」といった抽象的な結論になりがち。
<曖昧な結論になる理由>
 
具体的な売上目標期間や、売上を伸ばすためのリソース(予算、人員、時間)などが設定されていない。

例2. 「外国人観光客をターゲットにしたベンチャー企業のビジネスモデルを構築せよ」
<ありがちな曖昧な結論>
「日本の文化体験を提供するサービス」といった、漠然としたサービス内容になってしまう。
「訪日観光客向けのアプリ開発」と提案するものの、アプリの内容が具体的に決まらない。
「多言語対応のウェブサイトを作る」という提案をするものの、具体的な言語やターゲットとなる国が不明確。
<曖昧な結論になる理由>
ターゲットとなる外国人観光客層が明確でない。

これらの例のように、最初の5分間の設定が曖昧だと、議論が抽象的なレベルにとどまり、具体的な行動指針や実現可能な計画を立てることが困難になります。


①「売上アップ型」の現状分析~条件設定

テーマ例「日本レンタカーの売り上げを推定し、それを1.2倍にせよ。」

  • レンタカー業界全体の現状:市場規模、競合他社、顧客層、最新トレンドなどを調査し、現状を把握する。

  • 日本レンタカーの現状:売上、顧客満足度、強み・弱みなどを分析し、課題を明確にする。

  • 市場環境:コロナ禍の影響、ガソリン価格変動、カーシェアリング台頭など、市場環境の変化を考慮する。

②「新規事業立案型」の現状分析~条件設定

テーマ例「外国人観光客をターゲットにしたベンチャー企業のビジネスモデルを構築せよ。」

  • インバウンド市場:日本への外国人観光客数、消費動向、人気観光地などを分析する。

  • 競合状況:すでに存在する外国人向けサービス、競合優位性を分析する。

  • 顧客ニーズ:外国人観光客が求めるサービス、課題などを調査する。

  • 社会情勢:ビザ政策、言語対応、観光インフラ整備などを考慮する。

②「課題解決型」の現状分析~条件設定

テーマ例「高齢化が進む中で、ウェアラブル端末はどのような役割を果たすべきか。」

  • 高齢化社会: 日本の高齢化率、高齢者の生活実態、健康問題などを調査する。

  • ウェアラブル端末市場: 市場規模、普及状況、課題、最新技術などを調査する。

  • 高齢者のニーズ: 高齢者がウェアラブル端末に求める機能、利便性などを調査する。

  • 社会課題: 高齢者の孤独死、介護負担、医療費増加など、社会課題との関連性を分析する。


「はじめの5分だけで、よい結論は得られるの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。確かに、複雑なテーマや限られた時間の中では、完璧な結論を導き出すのは難しいかもしれません。しかし、重要なのは「結論」そのものではなく、「議論の質」です。

そして、その議論の質を大きく左右するのが、はじめの5分間で行う「現状分析」なのです。 適切な条件設定を行うことで、議論は大きく変わります。

最初の5分間で効果的な現状分析で対処できる

● 現在のGDが難しい原因1:あいまいな条件設定
● 現在のGDが難しい原因2:条件設定ってかなり難しい
→これこそが今回の解決策そのものです。

● 現在のGDが難しい原因3:初対面のメンバー
→ この点の難しさはあまり変わりません。ただし「何を話せばよいか」ではなく「具体的にこれを話そう」と決まっているだけで格段に議論を始めやすくなります。

● 現在のGDが難しい原因4:そもそも無理のある時間設定
→ 時間設定は、最後の仕上げのフェーズまで到達することを前提としています。しかし、今回の提案では「仕上げ」に到達しなくても、「それなりの結論」に到達できるように考えています。(ある意味、保険です)

はじめの5分だけ、やや強引に議論の主導権を握っても、残りの時間で協調性をアピールすれば問題ないでしょう。多少の議論の発散も許容できるかもしれません。

● 現在のGDが難しい原因5:発想か論理か、それが問題だ
→ 始めの条件設定を行うことで、選定の条件が決まってきます。よって、その枠の中でのアイデアは「思いつき」と非難されることはありません。また、条件に沿うことは「合理的思考」という点でも問題ないでしょう。

でも、はじめの5分だけで、よい結論は得られるの?

「でも、はじめの5分だけで、よい結論は得られるの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。確かに、複雑なテーマや限られた時間の中では、完璧な結論を導き出すのは難しいかもしれません。しかし、重要なのは「結論」そのものではなく、「議論の質」です。

はじめの5分間で適切な条件設定を行うことで、議論は大きく変わります

● 議論の焦点が定まる
曖昧な条件設定では、議論が脱線しやすく、参加者それぞれが異なる方向を見てしまう可能性があります。適切な条件設定をすることで、議論の焦点を絞り、参加者全員が同じ方向を見据えることができます。
● 共通認識が生まれやすい
議論の出発点を全員で共有することで、意見の食い違いや無駄な議論を防ぎ、建設的な議論に集中することができます。
● 参加者の積極性が高まる
具体的な条件設定があることで、参加者は具体的なアイデアを出しやすくなり、議論への積極性が高まります。

これらの要素を意識することで、はじめの5分間で議論の質を高め、選考官に良い印象を与えることができます。

まとめ

GDでは、完璧な結論よりも、議論のプロセスが重要視されます。はじめの5分間で適切な条件設定を行い、建設的な議論を展開することで、あなたの能力やポテンシャルをアピールできるでしょう。

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