声は出せないけど、その「声」を届けよう。

今年は一回も行けないと思っていた、サッカーの生観戦。

天皇杯の準々決勝が仙台開催になり、
しかも登場するのは、ブラウブリッツ秋田。
これは!と思い、ユアテックスタジアムまで足を運んできました。

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しかしながら、平日の夜、両チームともにホームではない仙台。
観客数は202人という、なんとも牧歌的な客入りで。
おまけにコロナで声出し禁止なので、声援も一切なく。
わずかな鳴り物と拍手、あとは選手同士の掛け声、会話のみが響き渡るという、今まで経験したことないような雰囲気で。

でも、確かに声が出せないのはさびしいなあ、ってやっぱり思ったけれど、
観客が少ないというのは、それはそれで悪いことではないな、とも思ったのでした。


まず、声援や鳴り物が少ないこともあって、
ひとりひとりの拍手がものすごく響く。

人数の力で圧倒的な音量、声量で後押しするのももちろんチームの力になると思うけれど、
ひとりひとりの拍手の音がしっかり聞こえてくる、というのは、
「がんばれ!」「いいぞそのプレー!」という、それぞれの思いが塊にならず、ちゃんと「ひとりひとりの声援」としてダイレクトに届いているような気がして。

声は出せないけど、ひとりひとりの声が拍手から聞こえてくるようでした。


あとは、選手の声がめちゃめちゃよく通る。

練習試合とかだともちろん選手の声は通るけれども、
本番の試合、しかも勝ち進めば元日国立、日本一が視界に入ってくる試合で
ここまで選手の声が聞こえてくる経験って、たぶん後にも先にもほとんどないんだろうなーと思っていて。

アマチュアからここまで勝ち上がってきた福山シティFCの、
もっと上に行くぞ!という貪欲な姿勢とか、
迎え撃つブラウブリッツの、こちらはこちらで気合が入った感じとか、
そういうのが肉声に乗っているのがダイレクトに聞けて、
いつもとはだいぶ勝手が違う観戦経験だったけど、
これはこれでおもしろい経験だったなーと思ったのでした。


そしてその選手たちの気合の入った声を聞くと、
こちらも余計「応援の思いを届けたい!」ってなるんですよね。
いいプレーへの拍手とか、試合が終わった後、選手たちを迎える万雷の拍手とか、
声は出せないのだけれど、そこには確かに『声を届ける』多くのサポーターの姿があったように思います。

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