見出し画像

一人タクシーに揺られた、あの日の高揚感。

TOKYO FMの「Skyrocket Company」を聴いてたら、
今日のテーマが「出張に関するエトセトラ」だったのですが、

社会人1年目で初めての出張。初めて1人でタクシーに乗りました。
家に帰って父にそれを話すと、なぜか父が感涙し出した…

というエピソードが。

そのやりとりを聴いて、
私も一人でタクシーに乗っていたある日の情景を、ふと思い出してしまいました。


一人でタクシーに乗る、って、社会人にもなって随分経った今となっては、別にさほど珍しいことでもないのですが、
私も大学生になるまでは、一人でタクシーって乗ったことがなくて。
というか、タクシーに乗ること自体が本当に珍しい出来事でした。

大学生になると、飲み会の帰りに何人かで便乗して、みたいなシチュエーションはあったのですが、
普段から移動は電車+徒歩で事足りる生活を送っていたし、
そんなにタクシーに乗ってまで、みたいな用事もない、そもそもそんな金もない、みたいな生活だったので、
タクシーに最初から一人で乗る、というのは、
なかなか起きようがない出来事だった気がします。

そんな中で、ようやく一人でタクシーに乗るという機会が訪れたのが、
確か大学3年生か4年生くらいのときでした。

当時、そこそこ大きい学生団体に所属していて、
年に数度ある大規模な合宿の間際になると、
飯田橋にあった団体の事務所と、
代々木にあるオリンピックセンター(合宿所)との間を、
バタバタと一日に何度も往復していました。

学生なので基本的には電車移動なのですが、
時間もない中で、かつ大荷物を抱えていたり、
準備が長引いて終電もなくなった時間で移動しなきゃ…みたいになると、
どうしてもタクシーを使わざるを得ない場面もあって。

終わらない準備に焦りながら、
着いたら誰々にこの指示出さなきゃ、とか、
ここの進捗も確認しておかないとな、とか、
いろんなことがぶわーっと頭によぎりながら、ふと外を見ると、
見えるのはいつもと同じ東京の夜景なのだけれど、
車の中にいるからか、いつもとは少し違う見え方をしているんですよね。

電車も終わり、街が静かになったこの時間に、
自分は「仕事」(といえるかどうかは微妙ですが)でこうやって移動している。

やらなきゃいけないたくさんのことで頭がいっぱいな状況も相まって、
なんだか「自分も大人になったなあ」という気が勝手にしていたのでした。
合宿前の、遠足前夜みたいな、バタバタだからこそのアドレナリン、高揚感というのもプラスされて、すごくエモい気分になっていたのを思い出します。

どんな景色だったか、具体的に思い出せるわけではないけれど、
あのときの心情は、今でも心の中にしっかり留まっている。

今でこそ、タクシーに乗るのも決して珍しくはありませんが、
あの時の高揚感は、きっと一生忘れない記憶なんだろうな、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?