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「消費者」ではなく、「作り手」になる。

先日「東大王」でやっていた「クイズ甲子園」。

そこに出ていた、ひとりの女子高生クイズプレイヤーの発言が、
高校生ながら素晴らしかったなあ、ということをふと思い出しまして、
今日はその話題を。

その女子高生クイズプレイヤーというのが、
↑の動画サムネにちょうど映っている、
栄東高校(今大会の優勝チーム)で、リーダー的役割を張っていた子で。

中2で出会ったクイズノックに惹かれ、競技クイズを始めたという彼女。
当然、そのクイズノックを率いる伊沢さんはまさに「憧れの人」、
山里さんに「今日このスタジオに会いたかった人がいるんだよね?」と問われて、間髪入れずその名を挙げられる存在。
そんな、クイズノックの書籍を買い集め、東大王の番組グッズを本番に持参してくる彼女が続けて発した言葉が、本当に素敵だったんです。

でも、東大王のファンイベントとかには行かなかったんです。
ファンとしてではなく、一クイズプレイヤーとしてお会いしたかったので。

そう、彼女にとって「憧れ」である伊沢さんに会う機会は、それまでにも何度かあった。
生で動き、しゃべり、クイズをする伊沢さんの姿を目の当たりにすることは、そんなに難しいことではなかったはずです。お金を払ってチケットを買えばよかっただけだったのだから。

でも、彼女の目的はそこにはなかったんですよね。

確かに、イベントに行けば、伊沢さんに「会う」という目的は達せたかもしれない。
でもそこには、「ステージに立つ伊沢さん」と「その姿を観客席で見つめる私」という、絶対に超えられない大きな壁が立ちはだかっている。
観客席にいる自分は、「憧れの存在」に対して、「大勢のファンの一人」という構図でしか捉えられることはない。「私」は伊沢さんを認識していても、伊沢さんが「私」を認識することは、まずない。

でも、自らが同じ「クイズプレイヤー」として上がっていけば、
「観客席の大勢の人」ではなく、「一人の人間」として、自分を認識してもらえる。ちゃんと名前で覚えてもらえる、呼んでもらえる。
あわよくば、伊沢さんと早押しで一戦交えることもできるかもしれない。
(そして実際にその夢を叶えましたね…!)


イベントにおける「ステージ上」と「観客席」の関係性は、
コンテンツにおける「作り手」と「消費者」の関係性、と言い換えることができると思います。
対して、クイズプレイヤーとして勝ち上がり、東大王のスタジオまでたどり着くことは、
自らもステージに上がる、同じ「作り手」として対等な関係に立つこと。
どちらがより、相手と濃密な関係性を築くことができるか。その答えは言うまでもないですよね。


憧れの人、会ってみたい人って、
もちろん「その姿を拝めただけでもう満足です…!」って場合もあるかもしれないけれど、
大抵の場合は「こんな話をしてみたい」「こんなことを聞いてみたい」という話題があるはずです。
だとするならば、それをちゃんと実現するために、
「消費者」ではなく「作り手」として近づけないか、模索してみる。

たとえば、話を聞いてみたい人がいるとして、
その人が話す講演会を聞きに行くのではなく、
その人が話す講演会を主催してしまう。
そうすれば、講演会本体の時間はもちろん、その前後・裏側までも、主催者という立場で時間を共にすることができる。

もちろん、簡単なことではないと思います。
お金もかかるし、「この仕事なら受けてもいい」と相手に思わせる諸々も必要になってくる。
でも、ファンとして会うにしたってお金やら諸々必要なこととかを考えたら、結局その方がかえってコスパも良いんじゃないか?
そんなことを考えたりもしています。

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