▪️コラム

「人は旅が好きだ」しかし、旅は、現実からの逃避でも、自分を忘れるためでもないのです。現実に立ち向かっていく勇気と、自分を直視する勇気を得るためにするのです。

旅における目的は、一つ一つの指標に過ぎないのですが、究極の出会いと、他者の体験の共有化でもあるのです。
一つの旅の終わりは、新たな旅の始まりでもあります。

人生の旅も又同様、その窮極的目的は混沌としているかもしれません。人間個々の目的を統一す事など、土台無理な話だと思います。しかし、そこで諦めるか、更に挑戦するかで、この世は決まるのです。

死に至るまで繰り返される人生の旅において、目的地に到達する事のみ追い求められれば、無限に続く道程を知ることになるでしょう。
旅は、旅を楽しむことによって、人生は生きる事自体に喜びを見いだす事によって、初めて報われるのです。

生きるという事は、生きるという事自体が目的であり、その他の目的は、その意味において二次的なものです。それ故に、ここでは生きる目的などについて語るのではなく、生きるとは役に立つことを前提にした概念化を図っていく事なのです。

個々の目的は、その時点、その時点で明らかにすればいい。
ここで語るのは、人生の羅針盤のようなものと思ってもらえば、間違いないのです。
いいか、よく聞きなさい。
これは、戦いなのだ。
自分自身との戦いなのだ。

私は、かつて、あらゆる学問を瞬間的に捉える、特殊とも言える思える能力を有していた。その能力を鍛えれば、誰にでもある事がわかってきた。そこで、自分の考えを体系化するという事は、過去の自分と新たな自分との葛藤に他ならないのです。

そのような戦いの中に、体裁だの、虚飾など、入り込む余地などないのです。あるのは赤裸々な自分の姿だけです。思考の中にある迷い、逡巡(しゅんじゅん)、未練は、滅ぼされようとしている自己の過去の価値観の発する絶叫であり、新たな自己の苦悩でもある。それが、新たな決意を示す事であり、新たな行動を起こす事でもあるのです。

決断の時なのです。自分の考えをまとめ、新たな行動を決意する時、必ず、過去の自分への未練が残ります。新しい自分に対する疑念と不安が渦巻くでしょう。 そんな苦しみの中で、自分の断ち切れない思いを断ち切るという事は、純粋に自分だけの考えや経験を醸造し、自己内部に潜む諸々の未練を一方において切り捨てていく事に他ならないのです。

自分自身にとって、自分自身の内に、自分自身を押し約(つづ)める事、それは次の飛躍に備える瞬間でもあります。
これは、自己の革命的な戦いなのです。
そして、 自分の独善と周囲の偏見との戦いが始まりでもある。
そして、この書の目的は、その戦いの渦中に、天外ジュニをを引き込むことにあります。生涯の友とし、絆深き誉れ軍団として、戦い抜くのです。


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