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【voicy】HPVワクチンキャッチアップ接種がもうすぐ終わります!

この記事は、
私が月1回パーソナリティを務めているvoicyチャンネル「母親アップデートラジオ」で話している内容を、
文字に起こしたものです。

今日は6月27日(木)の配信「HPVワクチンのキャッチアップ接種がもうすぐ終わります!」のメインチャプター「HPVワクチン知ってますか」を文字にしました。

音声配信を聴きたい方はこちら。

さて、今日のメインテーマは、もう来月では遅いかもしれない、急ぎのテーマということで、
「HPVワクチンのキャッチアップ接種期間が終わってしまうよ。まだの人、早くー!!」というお話をしたいなと思います。
 
はい、皆さま「HPVワクチン」聞かれたことがあるでしょうか。
「子宮頸がんワクチン」という呼び方だとわかるかもしれませんが、
今日はこのお話をしたいなと思います。
 
まずHPVとはなんぞや、ということですが、
「ヒトパピローマウイルス」というウイルスのことで、
主に性行為によって感染します。

全然珍しくなウイルスで、
8割以上の人が一生のうちに一度は感染されるといわれていて、
感染しても自然排出することも多いのですが、

一部が子宮頸がん等を引き起こす原因となっていて、
子宮頸がんのうち95%以上はこのHPVの感染によるものとされています。

子宮頸がん以外に中咽頭がんや肛門がん、陰茎がんの原因にもなるのですが、
今のところワクチン接種としては小学校6年生~高校1年生までの女の子だけが定期接種、無料接種できるようになっていて、
初めて性行為をするまでに接種して、HPV感染を予防しましょうというワクチンになっています。
 

というのが、この子宮頸がん、若い女性がかかるがんということで、10万人あたりの罹患人数を見ると20代後半から40代が圧倒的に多い、
年代によっては10万人あたり100人が罹患するという統計があるので、
1,000人に1人、ですよね。

そして、年間約1万1,000人が子宮頸がんに罹患しており、約2,900人が亡くなっています。
毎日8人が子宮頸がんで亡くなっている、という試算になります。
 

また、別の、ちょっとイメージしやすい数を出すと、
一生のうちで子宮頸がんになる人は、1万人あたり132人で、
これは1クラス=約35人の女子クラスとして換算した場合、
2クラスに1人くらいは子宮頸がんになる計算です。

そして、子宮頸がんで亡くなる人は1万人あたり34人で、
10クラスに1人ほどはいるということになります。
こう思うと、きっと他人ごとではないなと感じられるのではないかと思います。
 

更には、死亡にまでは至らなくても、
子宮を摘出しなければならない人もいる。
30歳代までに年間約1,000人の女性が治療で子宮を失い、
妊娠ができない体になっている、ということなんですね。
 
 
そこで、それをワクチンで防ごう、子宮頸がんの原因となるHPV感染を防ごうというのがこのHPVワクチンです。

HPVにはたくさんの型があるんですけど、
そのうち子宮頸がんを引き起こしやすい型の2種類に対応するもの、4種類に対応するもの、それから9種類に対応するもの、それぞれ2価、4価、9価ワクチンというのですが、3種類あって、
今はどれも無料接種の対象となっています。

2価と4価でだいたい50~70%くらい、9価は80~90%、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を予防できる、ということでワクチン接種が進められています。
 
 
一方で、ここで気になるのが、副作用かもしれません。
このワクチン2013年4月に定期接種が開始されたのですが、
その後、副作用の報告が相次いだことにより、

「副反応の頻度がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではない」と判断。
厚労省は自治体に接種を積極的に勧奨しないよう通知されたんですよね。

この時かなりセンセーショナルな報道がされたこともあって、
「子宮頸がんワクチン、危険なワクチンなのではないか」という印象を持っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
そしてその後、様々な研究により、安全性が確立されたということで、
2022年4月からまた積極的勧奨が再開されています。
 

ただ、実に約8年間、積極的な接種勧奨がストップしていたことによって、
その間対象年齢だったのに受けそびれていた人たちがいると思います。
その人たちも遡って受けられるようにしようというのが、
今日のタイトルでもある「キャッチアップ接種」で、
積極的な接種勧奨が再開した2022年4月からの3年間、このキャッチアップ期間が設けられています。

対象となるのが、平成9年度~平成19年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性です。
で、今年度末でそのキャッチアップ接種ができなくなる、無料で受けられなくなります。

そして、今年度中ということであれば、まだ6月だし余裕あるやん、と思うかもしれないのですが、
実はこのワクチン、基本は3回接種しなければいけなくて、
基本的には3回目は1回目接種から6か月後にうける、という接種スケジュールになるんですね。

なので、対象となる人は、遅くとも今年の9月には1回目を打たないといけない。
しかも、うまく予定が取れなかったり、接種の日に風邪をひいて延期―!みたいなことがあるかもしれないので、
できれば今すぐにでも接種の予約を入れてほしいなと思います。
 
ですので、高校1年生以上で、平成9年度うまれ、今年度27歳になる年齢までの女性が周りにおられる場合はぜひこのことを広く伝えてもらいたいなと思います。
お手元に自治体から無料接種券が届いていると思いますし、わからない場合は、住民票のある自治体へ問い合わせをしてみてください。
 
 
「何となく聞いたことはあるけど怖いワクチンなんでしょ?」で終わらせるのではなくて、
子宮がんのリスクはどのくらいあるのか、命を落とす、もしくは子宮をとらなければいけない可能性はどこにあるのか、
それに対して副作用のリスクはどのくらいあるのか。

そのどちらもきちんと知った上で、本人や保護者できちんと話し合って判断する、ということですね。


「知らなかった。知っていれば打っていたのに。知らなかったから子宮を取ることになった。生みたいのに産めなかった」というのは、まさにリプロダクティブヘルスライツが守られていない、ということになるんですよ。
(※リプロダクティブヘルスライツについてはまた改めて文字起こしします。)
 
性教育をやっている目的の一つは「知らなくて後悔することが少しでも減るように」「知った上で選択できる」ということが大切だと思いますので、

ぜひ周りに対象の方がおられる人はどうかこの放送を広めていただけると嬉しいなと思います。
 

<参考サイト>
厚生労働省

みんパピ!「みんなで知ろう!ヒトパピローマウイルス」


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