◎小寒・しょうかん「1月6日〜1月19日頃」《二十四節気》
二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ
「小寒(しょうかん)」。
冬から春に向けての
第一歩が踏み出され
厳しい寒さの中にも
春の気配がほんのり
ただよい始める頃でした。
さて、
今回も「小寒」を
二十四節気をさらに3つに分けた
「七十二候(しちじゅうにこう)」と
「和菓子」とともにふりかえりたいと思います。
始まりは、
《芹乃栄・せりすなわちさかう》
小寒の初候
1月6日~1月10日頃
「春の七草」の
一つとして親しまれる
「芹(せり)」が
いっせいに育ち始める頃。
この時のお菓子としてご紹介したのは
「とらや」さんの『若菜餅』でした。
若菜色のきんとんに包まれるのは
求肥と御膳餡(こし餡)。
年の始めの行事
「若菜摘み」に由来しているそうです。
七草粥もまたこの風習のなごりなのだとか。
続いては、
《水泉動・しみずあたたかをふくむ》
小寒の次候
1月11日~1月15日頃
地中で「氷」が「水」へと
変わり始める頃。
この時の和菓子としてご紹介したのは
干支にちなんだ『ゆめうさぎ』でした。
「とらや」さんのものです。
夢をみているかのように
眠る愛らしいうさぎ。
餅製の生地に耳と目の焼き印が押され、
御膳餡(こし餡)が包まれておりました。
最後は、
《雉始雊・きじはじめてなく》
小寒の末候
1月16日~1月19日頃
雉(きじ)の雄が、雌に向けて
求愛の声を届け始める頃。
この時のお菓子として
ご紹介したのは
『常盤饅頭(ときわまんじゅう)』でした。
「はごいた本舗」
(日野)さんのものです。
白いお饅頭を割ると中からは
高らかに鳴く雉の雄の
羽色のごとく鮮やかな
餡が出てきます。
松の「翠(みどり)」に
白い雪がかぶさっている様子が
表現されているそう。
一年でもっとも寒い
「寒中」「寒の内」のひと月。
その前半の
「小寒」ですが
芹に、湧き水に、雉に
それぞれに春を感じることができました。
現在は、後半の
「大寒」を迎えています。
冬のフィナーレとなる
二十四節気ですので
やりのこした冬らしきことを
味わう季節にできたらと思っております。
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