6月(水無月・みなづき)の行事【衣替え/入梅・梅雨入り/嘉祥の日・和菓子の日/父の日…】
「水無月(みなづき)」に
入りました。
雨の季節。
紫陽花や花菖蒲が
雨粒を纏い美しく咲き誇ります。
そうしたお花を愛でに出かけることも
ゆったりと室内で過ごすことも
どちらも愉しみたい時ですね。
「水無月(六月)」を始めとする
和風月名については
こちらをご覧ください。
それではさっそくその行事を
みてまいりたいと思います。
(日付や曜日は2023年のものとなります。)
✴︎衣替え/6月1日(木)
各地で制服が
冬服から、夏服へと変わる日。
この風習は、中国の宮中文化
「更衣(こうい)」に由来しているそうです。
これが日本にも伝わり
平安時代の宮中では
日々の暮らしの中で積もった
穢れ(けがれ)を払う意味を込め
調度品や畳も
この時に合わせ
あらためたとのこと。
お着物においても
裏地のある「袷(あわせ)」から
裏地のない「単衣(ひとえ)」へと
装いを新たにする時です。
✴︎稽古始め/6月6日(火)
習い事を始めるのに
「6歳の6月6日がよい」と
古くから言われてきたそう。
これは室町時代に
能を大成した世阿弥(ぜあみ)が
能の指南書
『風姿花伝(ふうしかでん)』に
記した言葉に由来します。
歌舞伎、能、狂言などの
伝統芸能の世界から
いつしか一般にも
浸透していったようです。
✴︎入梅/6月11日(日)
雨の季節の到来です。
二十四節気
(一年を24等分した季節のこと。)を補う
「雑節(ざっせつ)」の一つ。
(「八十八夜」もその一つです。)
太陽黄経(たいようこうけい)が80度に達した日
となっております。
(太陽黄経:地球から宇宙をみたときに、
太陽の通る経路が「黄道」。
これを等角に分割した座標のこと。)
気象庁の発表する
「梅雨入り」もちょうどこの頃に。
「梅」の字が使われるのは
梅が黄色く熟す時のため。
✴︎嘉祥(かじょう)の日/6月16日(金)
和菓子の日。
年号が「嘉祥(かじょう)」となった年
(848年)の6月16日。
16個の和菓子を神前に供え
疫病除けをしました。
このお菓子は「嘉祥菓子」と呼ばれて。
江戸時代以降は、
1+6=7の
七嘉祥(7種の和菓子)が
一般的となったようです。
✴︎父の日/6月18日(日)
6月の第三日曜日。
お父さんへ感謝の気持ちを伝える日です。
「母の日」と同じく
こちらもアメリカで始まった行事。
男手一つで育てられた
ひとりの女性が提唱したのが始まりだそう。
1950年頃から
日本でも知られるようになりました。
✴︎夏至/6月21日(水)
一年でもっとも太陽が高く昇り、
昼間の時間が長くなる日。
ヨーロッパ
とくに北欧では
「夏至祭」が盛大にお祝いされ、
世界中で電気を消し
ロウソクで過ごす
「キャンドルナイト」が実施されます。
✴︎夏越の祓(なごしのはらえ)/6月30日(金)
一年の折り返し地点。
新年から積み重なった
罪穢れを清め、無病息災を願います。
各地の神社におかれる
イネ科の植物「茅(ちがや)」を束ねた
「茅の輪(ちのわ)」を
八の字を描くようにくぐり
お参りします。
大晦日に行なわれる「年越の祓」と同じく
「大祓(おおはらえ)」の一つ。
この時の縁起物が
「水無月」という和菓子です。
氷に見立てた
ういろうの上に小豆ののったこちら。
邪気払い、厄除けを祈り、いただきます。
一年の半分が過ぎたこと、
また湿度の多い季節がら
「厄払い」「邪気払い」の願いの込められた
行事が多くなる月、水無月(六月)。
旬のものをいただき
この六ヶ月を省みながら
すこやかに過ごしたいですね。
そして、続く文月(7月)を
明るく朗らかに迎えたいものです。
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