東京の休日156 〜【パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂】新春に華麗なる美術鑑賞を〜
皆さまは、美術館始め
どちらに行かれましたでしょうか。
今回ご紹介する展覧会は
まさに新春に訪れるにふさわしい
華麗な内容となっておりました。
『パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂』展2022年11月5日(土)〜2023年2月5日(日)
（アーティゾン美術館にて）
今年に入り、すでに美術館へ行かれた方にも
まだこれからの方にも
とってもおすすめな美術展でございます。
見どころをご紹介する前に
今回の展覧会の概要のご説明を。
花の都、パリ。
その芸術の中心となっているのが
歌劇場「オペラ座」です。
1669年に
ルイ14世によって設立された
「王立音楽アカデミー」を前身としています。
その後、
1875年に設計者の名に由来した
「ガルニエ宮（オペラ・ガルニエ）」が
パリ9区に完成しました。
1989年には
「バスティーユ歌劇場（オペラ・バスティーユ）」も
つくられます。
その長い歴史の中で
上演されてきたのは、
「オペラ」と「バレエ」。
「オペラ座」はこれらにまつわる
音楽、舞台美術、衣装から
ポスターまでの
「総合芸術」を育んできた場でもあるのです。
今回はその視点で
「オペラ座」をみつめてみましょう！といった
展覧会となっておりました。
国内外より集められた
２５０点の作品がこれを紐解く鍵となります。
それでは、その鍵であり
今回の美術展の見どころを
ご紹介してまいります。
・踊り子は当時の「アイドル」！？
今回ひときわ目を惹いたのが
バレエダンサーたちの
愛らしい絵画。
衣装を纏った
ブロマイドのような作品です。
現在でも人気のダンサーの方は
多数いらっしゃいますが
ロマンティック・バレエの時代
（1830年代〜1850年代）は
美しい踊り子さん目当てで
作品鑑賞がされていたようでした。
まるでアイドルの公演を
劇場に観にいくような感覚だったのでしょうか。
実はこれが作品自体の魅力を
失うことにつながり
バレエの中心がフランスから
ロシアへと移ることにもなったのですが
「憧れ」の存在に会いに行くことが
文化の一端であったことを知ると
当時の人々のことが
急に身近に感じられたのです。
また、彼女たちを舞台袖や稽古場からみつめ
描いていた
エドガー・ドガの作品も
展示されておりました。
オルセー美術館（パリ）からの
絵画もありました。
・観客席で紡がれる魅惑のドラマ
社交の場としての役割もあった
オペラ座。
お客さま同士の中で数々の
魅惑のドラマが生まれたことでしょう。
その様子が手にとるように
伝わってくるのが
アーティゾン美術館所蔵の
エドゥアール・マネ
《オペラ座の仮装舞踏会》。
今回は
ワシントン、ナショナル・ギャラリーからも
同じタイトルの作品が来日しております。
同時に並ぶのは
とても貴重なことだそうです。
・トップデザイナーの豪華な集い
世界的ブランド、画家、作家の名前とともに
衣装のデザイン画が展示されておりました。
このような豪華な競演は
なかなか見ることができないでしょう。
こちらは
アルフォンス・ミュシャの
衣装デザイン。
どれも興味深く見入ってしまいました。
・束の間のパリ旅行気分
出迎えてくれる
ラウル・デュフィの
《パリ》。
中心に「オペラ座」があることを確認できます。
また、オペラ座（ガルニエ宮）は鮮やかな
マルク・シャガールの天井画に
彩られているのですが
今回の展覧会でも
シャガールの
オペラ座がつくり出す
夢見心地なひと時を
体現するような作品が
展示されておりました。
ということで今回は、
『パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂』展を
ご紹介いたしました。
華やかで時に怪しく
そして、常に高揚感を味わうこととなる
「オペラ座」。
そのパリからの香り高い風を感じられる
展覧会となっておりますので
ぜひ足をお運びください。
また、明日
1月15日(日)午前9:45〜（15分）
NHK Eテレ「日曜美術館 アートシーン」にて
特別編
「パリ・オペラ座 -響きあう芸術の殿堂」が
放送されます。
お出かけ前に合わせて
ご覧くださいませ。
写真・文＝Mana（まな）
パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂
会場：アーティゾン美術館
東京都中央区京橋1-7-2
会期：2022年11月5日(土)〜2023年2月5日(日)
開館時間：10：00 〜18：00（毎週金曜日は20：00まで）＊入館は閉館の30分前まで
休館日：月曜日（1月9日は開館）、12月28日〜1月3日、1月10日
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/opera/
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