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1人ぼっちのフルマラソン記録/走っている途中の出来事と気持ちの変化

2021.3.14
「名古屋ウィメンズマラソン2021」
初フルマラソン挑戦記。

当日の朝

朝5時起床。
朝ご飯はバナナ1本(何かにバナナが良いと書いてあった)と母が作ってくれたおにぎり。
会場に向かう電車内は、大会に参加すると思われる人でいっぱい。
《この人達と一緒に走るんだ!》
不思議と前日よりはソワソワ感が無く
《今からフルマラソン走るのかぁ》
と何だか他人事のような気持ち。

出走前

会場に到着して手荷物を預ける準備。
晴れていて雨が降る気配は全く無いのに、ビニール袋や雨ガッパを纏っている人がたくさん…なぜ?
準備完了してすぐに気付きました。
《防寒の為だっ!!》
手荷物を預けると上着も着れないので、身体が冷えていきます…初心者だから気付かなかった事。
更に、手荷物を預けて身軽になった時の心細さったら無かったです。不安と言うより寂しい…。

会場のお手洗いには念のため1時間で3回。笑
走ってる途中でお手洗い行きたくないもんね。
大黒摩季さんの国歌斉唱を聞いて
《生歌の力って凄いなぁ》
としみじみ。
さぁ、いよいよです。

フルマラソンスタート!

最初の10kmはいつもより早いペース。
いつも1人で走っていたけど、きっとたくさんの方と一緒に走れていた事が良い影響に。
でも調子にのらず、自分のペースは失わずに…

5km毎に設置されている給水ポイント。
1人でハーフを走った際は水分を取らなかった為に気持ち悪くなってしまったので、自分では必要無いと思っても必ずスポーツドリンクで給水。
走ってる途中に飲むのって難しいですよね…
と言う事で初っ端から私の口の周りはきっと糖分まみれに。この際、そんな事気にしてられない!
※基本的な事ですが、このお陰で気持ち悪くなったり体調が悪くなる事はありませんでした。

10km

天気が良くて、暑くも寒くも無く良い気温。
しかし、ずっと向かい風!
《この向かい風、いつまで続くの…》
と言う気持ちを常に抱えていました。
思ったよりも早く走る事が出来ず(とは言え、20kmを2時間切るタイム)うずうずしたけど、焦らないように言い聞かせた時間。
折り返したトップの選手とすれ違う時、何だか凄く勇気をもらって涙が出そうに…よしっ。

20km

ここからが未知の領域。
そしてやっぱり向かい風!!
私、向かい風への心の耐性が出来ていなかった。
心が折れそうになったり、身体が負けそうになる事が度々…何とか向かい風に勝てていました。
20kmを過ぎてから、スポーツドリンクを飲んで
《これ、水じゃないの!?》と言う感覚に。
それだけミネラルが足りて無いって事ね。

この時から靴に違和感を感じて痛みが…
《ランニング用の靴用意すれば良かった》←
と言う、基本の段階でつまづいた感が否めない事案が発生、自業自得です。
※感覚的に、水膨れが3つ生まれていました。

それでも今更靴を変える事は出来ないので
《次の給水所までは絶対止まらない》
と常に考えていました。
最初の10km位までは
《あ、通ってた短大の近くだ!》
と風景を見渡す余裕がありましたが、段々風景と言う概念を忘れていきます。

ハーフ(21km)を走り終わった後、なかなか給水ポイントが現れなくて
《ねぇ!給水いつなの!?》
と言う気持ちだけで走っていました。
持っていた塩飴をパクり。
コールドスプレーゾーンがあって、よく分からないままとりあえず服の上からシュー!!
今思えばあまり効果は感じませんでした。
そうだよね、よく分かってなかったからね。

25km

《あー、これかー。》
急激に足に来るよ、と言われてた現象。
本当に“足に来る”と言う言葉がピッタリの、急にズンと重くなる感覚。上半身はとても元気なのに
《上と下と違う人かな》
と言う程に思う様に連動しない。

とは言えまだまだ動いてくれます。
頑張れ、私の足!
この頃から

《1kmってこんなに遠かったっけ?》
と、1km毎に思うようになったのと
《走るの無理、もう歩きたい》
と、20秒毎に思うようになってその度に
《でも絶対に止まらない、止まったら終わり》
と自分に喝を入れる繰り返し、エンドレス。

たまに歩いてしまうものの、すぐに
《皆頑張ってる、頑張った分だけ早く終わる》
と言う考えが頭をよぎって走り出す…
多分これを20回位繰り返しました。

30km

《ほんっとに足が動かないのね、あははは》

水分補給の時だけ歩いて、すぐに走り出す。
と言う事を15km辺りから続けていましたが、歩きから走りに移行する時の馬力と精神力!
想像を超えた馬力が必要で!!
足はもう別人のそれだったので、まず腕を前後に動かして、気持ちを奮い立たせて、最後に足!
の繰り返し。

走ると言うより“ひたすらに足を前に送る”作業をしている感覚。

上半身は
《まだまだ行けるよ、元気だぜ!!》
と言っていたけれど、腰から下は
《ねぇ、もう無理だよ、まだ走るの?無理だよ》
と訴えてきます。やめてーーーっ!!

ちなみにこの頃から給水と同時に給食も用意して下さっていたのですが、何かを食べる余裕ゼロ。
食べ物には目もくれずスルー。

このペースで走りたいな、の曲を用意してプレイリストにしていたのに全然足がついていかない。
《もう無理だよ私、止まって!!動いて!!》
謎の精神状態。
そして…やっぱり、ずっと向かい風!!
イェイ!!

32km

この時の事は忘れません。
32km地点を過ぎた頃、エナジードリンクを提供してくれているスペースがありました。
エナジードリンクはあまり好きになれなくて普段は全く飲まないのですが、飲んだ瞬間

「うまっ」

と思わず口に出す程に美味しくて美味しくて。
糖分がすーーーっと身体に染み渡るあの感じ!
最高でした。
レッドブルさん、ありがとう!!
命の恩人っ!!!

35km

レッドブルのお陰なのか、急に足がフワッ。
あと7km…

「いけるっ」

と呟いていました。
最初と同じペースで走れるように…と思ったのも束の間、36kmあたりでまた足ガク現象。

37km

あと5km。
この時点で4時間を少し過ぎるタイム。
《目標のサブ4.5は届かない…》
と弱気な私が顔を見せてやや心をやられました。
《でも4時間30分台は行ける行けるよ行くよ!》
と、気合いで自分を奮い立たせる。
しかし全然足が動かない。
歩いて走る、をする感覚が短くなります。
その時聞こえてきた

“頑張ってるよー!!”

の声援に涙腺崩壊。
《うん、私頑張ってる!出来る!!!》
いつものペースだったらあと30分頑張るだけ!

39km

いつものペースだったらあと20分頑張るだけ!
更に1kmが長く感じます。
あと20分足を動かし続ければ良いだけ。
でも、動かない、動いて私の足!!
それしか考えていませんでした。

40km

《あと2km!そして向かい風!》
最後まで向かい風と共に走りました。
もう脚力の次元を超えて、ただただ精神力。
“自分との闘い”とはよく言ったものです。
まさに。

41km

《あと1km》
《あと1km》
《あと1km》

42km

気持ち的には、もうゴールです。
ここからの195mは正直1km位に感じました。

《ゴールどこ?もう500m位走ったよ!?》

最後は全ての力を振り絞って全速力で…
なんて全く出来ません。

だって、もう出し切ってますから!!
精神力で走ってますから!!

《走り切ったよーーーーーー》
正直、この時何を思ったのか覚えてません…

と言う事で無事に完走する事が出来ました。
まだ正確なタイムではありませんが

【4時間41分13秒】

目標には及ばずでしたが、とりあえず…
私、よく頑張った!!

大分長くなってしまったので
完走直後からの事はまた次回…

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