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【日記】6月15日 スリの多い街・ロンドン

私がすられた話ではない。

断捨離に終止符を

ずっとしていた断捨離の終わりとして、吟味した、昨年の冬一回も着なかった服を寄付した。ボランティア団体に送りつけるだけである。
Oxfamに送るのに、Yodelという宅配サービスを取り扱っているお店にいく必要があった。ヤマト宅急便みたいなものと言ったら想像しやすいかもしれない。家から最も近いお店を目指して歩いた。

日差しが強い。すこぶる暑い。帰ってきて天気予報をみたら、28℃くらいあったというのだから当然だ。日焼け止めを散々塗ってもなお、肌に何かが突き刺さっている感覚がある。天気予報は、後からみたらなんと呼ぶのだろうか。天気振り返りだろうか。

Google Mapを頼りに歩く。大通りから一本入ったところに、古き良きロンドンというような通りがあった。古き良きロンドンの街並みが何か知らないが、細い間口の横に、出窓になった大きなショーウィンドウを備えた同じデザインの個人商店が並ぶ、いわゆるヨーロッパの街並み、という感じだ(レゴブロックが好きな方は、モジュラービルディング(Creator expert)シリーズのBookshopとかAssembly Squareとかを思い出してください)。

ウェディングドレスのデザインショップと古道具屋の間に、なんとも怪しげなお店があった。Yodelの看板が出ているので、目的地はここらしい。ウェディングドレスのデザインショップって綺麗だな、と思った。

入ってみたら、右側に細長い冷蔵ケースが並び、左側に色々なものがごった返す古物商である。お店の奥の奥にたたずむ何かを噛んでいる女性に「Yodelの荷物送りたいんだけど、ここ…?」と聞いたら、「そうだよ!」と返ってきた。送付用のバーコードを持っていたので、それを読み取ってもらうと宛名シールが発行される。それを貼り付けて、終わり。「そこの(売り物の)傘の下においといて」というので、そこにおいた。後から配送業者が取りに来てくれるらしい。手続きをする私の左側で、中古のルイージ人形がじっと私を見ていた。

お店の右側の棚に、隠しカメラ販売コーナーみたいなものがあった。小さいカメラとか、カモフラージュできそうなもの。怪しげなお店だなあ、と思いつつも、「じゃあ、よろしく〜」と行ってお店を出ようとしたら、「ちょっとまちな」と声をかけられた。「ポケット、携帯出しときな」。

そう、荷物発送のラベルを発行するときに携帯を取り出して、何も考えずにそのままスカートの後ろポケットに入れたのである。そんなところに入れてたらすられるよ、の意味で、出しときな、である。「ああ、注意してくれてありがとう」とお礼を行って、鞄に移してからお店を出た。

ロンドンはスリの多い街である。この前友達に会ったら、1人はゲームセンターでクレカ・BRP(滞在許可証)・免許証の入った財布を全て失い、別の友人はバスの中でBRP・クレカ・現金の入った財布を失った。路上で携帯をすられそうになったことのある友人である。何年住んでもすられる時はすられるし、慣れてきた頃にすられるのである。

怪しいお店だなあ、とか思ってごめんなさい、と思ったのだった。

本を返す

最後に、大学から借りっぱなしにしていた本を返しに行った。とはいえ、ちゃんと延長手続きをとって借りていたので、滞納していたわけではない。家を離れる前に返しておこうと思って借りた図書館に行ってみたら、改修工事をしていた。ブックポストは健在だが、学習スペースや図書館スペースは、学生のいない夏の間に改修してしまおうと言うことらしい。なるほど。

覆われて見る影のない図書館に本を返して、帰路についた。

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