【日記】来年の履修登録をしよう
来年履修する授業について考えよう。以下は英国の大学制度を説明する、みたいな高尚な目標はなくて、私が今考えていることの記憶のためである。
毎年120単位を取ることになっている。1学期だけの授業・言語の授業は15単位、2学期間ある通期の授業は30単位だから、多くても8授業取ることになる。★がついている科目が履修予定の科目で、☆がこの中から一つだけ選ばないといけない科目である。☆だけが最終選択肢に残った科目。
私はこういう大きめな決断をするのが苦手で、それが借家契約であろうとも、WiFiや電気の契約だろうと学費の支払いだろうと、とにかく自分の力で何かを決めるのが苦手なので、半泣きで履修登録をしている。履修登録怖いよ〜〜〜〜〜〜。
必履修科目
この2つは選択の余地がない。SESS0033に至っては、落としたら進級出来ない。
★SESS0033 - Comparative Political Analysis (15 credits, Term 1)
比較政治学。実はうちの大学には政治・国際関係論というコースもあるのだけど、前者が国際政治にフォーカスしているのに比べて、私の政治・社会学のコースは、比較政治学と地域研究に重きを置いているので、それはそれでよかったなと思っている。
試験形式:100%オンラインテスト
★SESS0034 - Researching Politics and Society (15 credits, Term 2)
これはどちらかといえば論文を書く準備みたいな授業だ。3年生の卒論は10000字で、リサーチプロポーザルをこのコースの中で提出することになっている。卒論については後述する。
試験形式:100% Essay (2000 Words)
準必履修科目[未定]
以下4つから2つ選ぶことになっている。
★SESS0029 - Politics and Society in Central and Eastern Europe (15 credits, Term 1)
試験形式:75% Essay (2,500 words)/25% Essay (500 words)
SESS0035 – Post - Soviet Politics and Society (15 credits, Term 1)
試験形式:100% Essay (2000words)
☆SESS0030 - Russian Politics and Society (15 credits, Term 1)
試験形式:100% Essay (2000words)
SESS0062 - Politics and Societies of Southeast Europe (15 credits, Term 2)
試験形式:75% Essay (2,500 words)/25% Essay (500 words)
★SESS0061 - Democracy and Democratisation (15 credits, term Term 2)
試験形式:75% Essay (2,500 words)/25% Essay (500 words)
SESS0031にするか、SESS0074にするか、SESS0061にするか決めかねている。SESS0074とSESS0061はどちらも一応3年次での履修も可能なので、SESS0031を今年とって、あとは来年にするかな?と思っている。
ここで問題になるのは、ロシア政治(政治学)に絞るか、政治社会学(社会学)に絞るかだ。論文のテーマを「日露外交関係」にするか、日本をキッパリ捨てて「ナショナリズム理論」にするか悩んでいて、前者にするならロシア政治に絞ったほうがいいし、後者なら政治社会学にしたほうがいい。どちらにも転べるように、片方ずつにすることにした。
自由履修科目
あとは好き勝手選んでいい。自分の学部から取った方が希望が通りやすいので、自分の学部が出している授業から見ていこう。
学部内履修になるもの
国際関係論系
★SESS0031 - Concepts of Security (15 credits, Term 1)
安全保障の概念。国際関係論をさらに深堀した形になる。これは2年次だけしか取れないこと、3年次にEuropean Security (SESS0046)を取るためにはこれを取っておかなくてはいけないので、これを取っておきたい気持ちもある。
試験形式:100%オンラインテスト
政治科学系
☆SESS0074 - Undermining Democracy: Political Manipulation in Comparative Perspective (15 credits, Term 1)
試験形式:100% Essay (3000words)
政治哲学系
★SESS0027 - The History of European Political Ideas (30 credits, Full Year)
英国の大学生あるある:哲学が面白すぎて哲学の授業をとるものの、実際に授業にしてみるとキツすぎることを実感する というのがあると思うのだが、これもその筋である。私の先輩も友達も同じことをやっている。リベラリズムはじめ、哲学って面白いからさ……2年の間ずっとやることになるけど……勉強したいな……ほら、民主主義とか、ナショナリズムとかのベースにもなってるからさ……先輩も面白いよって言ってたしさ……取るよ!!Let's 地獄!!!!!
試験形式:75% Written examination / 25% Coursework
歴史系
SESS0092 - Revolutions and Society: Revolution in the Modern World: 1600-2021 (15 credits, Term 1)
試験方式;50% Coursework / 50% Coursework
SEHI6007: Nations and nationalism in South-Eastern Europe
SEHI6007は履修カタログに乗っていないので実際に走るのかわからないが、走るなら取りたい授業である。This course is running this year(この授業は今年開講します)というのを、Runという単語で表現するから走ると訳したけど、奇妙だな。特にSEHI6007はナショナリズムにフォーカスした授業なので取ってみたいけど、ブルガリアの歴史とか、モンテネグロの歴史とかやったことないからちょっと不安かもしれない。ナショナリズムという概念自体ヨーロッパに深く根ざした概念なので、ケーススタディとして東欧の事例をやっておくのは大いに価値がありそう。
語学
SERS0024 - Russian Level 2 (B)
試験方式:50% Oral examination / 50% Coursework
最大の悩みどころである。今年1年ロシア語を取った。8授業のうち貴重な一つを言語に費やすかはすごく悩んだのだけれど、ソビエト自体を生きた教授の話を聞けるのが楽しくて、取ってよかったなと思った。だけど、2年目はどうしようか。政治・社会学系で取りたい授業が多すぎて、ロシア語は諦めるしかないかもしれない。←諦めました
学部外履修のもの
自分の学部からではなくても、社会学・政治学及びそれに関連するテーマであれば選ぶことができる。以下、考慮しているもの。
政治科学系
★ESPS0040 - Politics of Japan (15 credits, Term 2)
試験方式:100% Essay
ESPS0041 - East Asian Politics
試験方式:30% Group project / 70% Essay
友達が取っていて、授業の内容も面白そうだったことと、教授自体が東アジア政治に明るい人のようだったので、欧州の大学で日本がどのように語られるかを知るために履修したいと思った。これは何があっても絶対に取る。来年余裕があったらESPS0041も取りたい…けど余裕がない気がする。
ESPS0031 - The Crisis of Democracy (15 credits, Term2)
試験方式:50% Coursework, 50% Coursework
SESS0074 - Undermining Democracy: Political Manipulation in Comparative Perspective とSESS0061 - Democracy and Democratisation と合わせて、民主主義について考える系の授業である。来年かなあ……。
他の学問系から
ANTH0029: The Anthropology of Nationalism, Ethnicity and Race. (Term 1)
100% Coursework
人類学なんて取ったことないけど大丈夫か?今のナショナリズム理論は、主にCivic/social constructivist(Synonymではなく、別の区別の中で似た名前を拾い上げているだけ)を取っているけれど、いまだに人種とか、血族に根ざした理論というのは重要性がある。そういう点において、他の学問からアイデンティティ・ナショナリズムについてかんがられたら面白いな、と思い履修希望だけ出すことにした。
SOCS0097: Citizenship, political exclusion and the racialised state (Term 1)
試験方式:30% Oral Presentation70% Written examination (main exam period
これはどちらかといえば人種差別とか奴隷制度の歴史とかを考える授業。ヨーロッパ中心主義について考えたいので少し興味があるのだけれど、それよりはナショナリズムを優先したいと思う。
BASC0042 - Race, Gender and Feminism
試験方式:60% Coursework, 40% Coursework
「不平等に対して解決を試みる」というテーマに基づいた授業みたいだ。その分野をやっていても民族・ジェンダーというのは非常に大きなテーマになっているので、その基本知識や基本となる著者を知っていることは重要だと思う。取れたら取りたかった。
BASC0011 - Migration and Health (15 credits, Term will be allocated by BASC)
どちらかといえば開発学的な視点からの移民について。
その他
面白そうじゃん〜〜!と思ってリストアップしておいたら、大学院向けだった授業もいくつかあった。学部生の教科リストと大学院生向けの教科リスト分けてほしいな。
HIST0361: Nations, States and Empires in Transnational Perspectives (Term 1, No restriction) [Postgraduate]
これ絶対面白いじゃんけ〜!!オットマン帝国とかハプスバーグ帝国とかの中でのナショナリズムを考える授業である。
SESS0091: Informal Practices in Post-Communist Societies (Term 1) [Post graudate]
これもシラバスがかなりナショナリズムに重きを置いたものになっていて、ちょうど自分の学部が走らせている科目なので取ろうと思っていたら院生向けだった。
終わりに:大学院に進むこと
去年ナショナリズム理論に出会ってから、大学一年生をかけてますます好きになって、大学2年生の履修はナショナリズムに重きを置いた履修になった。それでいいと思う。面白いんだもん。
こうやって考えていると、ナショナリズムを学ぶために大学院に進みたいな、と思った。ナショナリズムに絞った授業というのは大学院レベル(Postgraduate)も多くて、ヨーロッパ中心的に発展してきたナショナリズム理論及び民主主義との関係性を、アジアに広げる形で研究できたら面白いと思う。ちょうど、ナショナリズムは文化的なHomogeneityを作り出すことにつながっていて、それの成功の可否で民主主義の強さが決まる、という論文を読んでいた。もしくは、教育とナショナリズムの関係をテーマにしても面白いと思う。University of Essexにナショナリズムと教育の関係を研究している教授がいて、彼女の本を読んでいるのだけれど、高校生の時に興味があったこと、進学準備コースの時に考えていたことが繋がる感覚があって、大学院までそれを突き詰めたいような気もする。
就職してお金を貯めて、絶対にどこかで1年間休職して、アカデミックの世界に戻ってこよう。イギリスなら一年で院が終わるし、UCLの学部卒ならそこそこいい大学院に行けるはずだ。だから、学部は良い成績で卒業するようにしたい。休職できる会社に勤めよう。大学院は自分のお金で行きたい。奨学金は取らず、会社の研修制度でもなく、自分のしたいように、誰に対する説明責任も持たずに、また自分のために勉強しにいこう。勉強は楽しいし、新しいことを学ぶのはいつだって楽しい。何よりも、人生のどこかの段階で解決できなかった事柄が、数年経ってパチンと他のものに繋がる瞬間が楽しくて仕方がない。
今も好き勝手やってるけどね。
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