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【日記】THE SECRET HOUSE

5月某日、5月らしく晴れ渡った品川の埋め立て地みたいな地形の川沿いを、私はてくてくと歩いていた。

THE SECRET HOUSEと題された、SEKAI NO OWARI の展示会を見にいくためであった。

5月18日からはネタバレをしていいということだったので、もう書いても許されるだろう。折角のことだから、ここにメモしておきたい。

経緯

SEKAI NO OWARIは2020年にデビュー10周年を迎えた。Man with Missionと同い年である。本当は2020年にDu Gara Di Duという記念ツアーをやるはずだったのだけれど、毎度おなじみコロナウイルスのお陰であえなくキャンセルとなった。2019年と2020年の私はすこぶるにツいていて、そこそこ大きな複数アーティストのライブにバスバス当たっていたのだけれど、そして会場が家から激チカ(徒歩圏)だったのだけれど、そのうち大抵がキャンセルになった。それは結果的にツいていないことになるのかもしれない。
その後コロナがある程度明けて、Blue Planet及びドームツアーが次々と発表されたのだけれど、休暇にも帰国のタイミングにも被らず、行くことは叶わなそうだった。
地理的な障壁は仕方ないな、と思いつつ、なんとなく歯痒い思いをしていたら、展示会のお知らせが舞い込んだ。帰国のタイミングにばっちり被っていた上に、予約が先着順ならどうにかなるぞ、と思って予約画面に張り付いて予約した。時差というものは便利なもので、0時に予約開始とかであっても、こちらでは昼なのである。9時間の時差、こういう時だけ役立つ。
という訳で私は無事希望の時間のチケットを確保し、ローチケから「ローソンでチケットをピックアップしてください」というメールに急き立てられながら日本に帰り、空港から実家への帰り道でチケットをピックアップしたのだった。

さて

セクション①:ソファーと

イベントは、品川の倉庫みたいなイベントブースで行われた。倉庫らしく無機質なイベントブースは、なんとなくディズニーランドの待合い場所か、USJのBack to the futureの劇場のような雰囲気を醸し出していた。USJ行きたいな。

そんなことを思っていたら、完全に入口が締め切られて、スクリーンにコンセプトムービーが映り始めた。

正直なところ、この辺で既に涙腺が怪しかった。大音量でこの人たちの音楽をきくとライブを思い出して、ああThe Colorsはよかったな、と思いながら見ていたら、正面の舞台にウサギに扮した司会者が現れた。なんとなくブレーメンで用いられていた一連の動物たちを彷彿とさせる彼は、しばらく何やお話した後、背後のカーテンへと視線を誘った。

拙い絵で書いておこうね

人々の背後にあったカーテンがスルスルと空いて、広報画像で用いられていた、セカオワハウスのソファーが乗った舞台が現れた。第一サプライズである。

背が高くてよかったと思う瞬間

さおりちゃんがいつも使っている(な気がする)ピアノにDJ台、そしてソファー。

おお写真撮影タイムか、と思ったら、もう一つサプライズがあって、うさぎが机の上に乗った受話器をとった。メンバーに直接電話が繋がるのである。
今回はさおりちゃんの回だったようで、あの可愛い声が会場に響いた。背後には御子息の遊ぶ声が入る。なんとなくライブの時もしっかりした声のような気がした。

その後ステージに上がって写真をとって良いタイムとなり、次の部屋の展示に移った。止まらないでくださいね〜と言われながらの撮影なので、なかなかに難しいものがあったけれど、ここまで近づけたのは一生モノの宝である。

撮ったよね

セクション②:ライブの追憶

部屋を移れば、そこからは展示スペースである。今までのライブを時系列に全て並べ、楽曲で使った小道具やら衣装やら舞台設定図やらフライヤーやらがひたと並ぶ。

SEKAI NO OWARI のライブの良いところの一つは、その圧倒的な非日常感である。多分。だからライブにいる間は日常のことなんて全て忘れるし、どんな立て付けでライブが機能しているかなんて気にしないわけだ。だけれど、その両輪のタイヤとして、こうして現実のライブの運営が存在しているわけで、それを見られたのが、なんとなく今になってようやくライブの完成形を見ているような気持ちがした。

もともと彼らの楽曲ではないのだけれど、彼らが歌った歌の中に、MAGICという曲がある。原曲は他のバンドが作ったもので、そこに歌詞を足したのだったと思うけれど、私はこの動画が大好きである。
これを歌ったライブで使った小道具が綺麗に綺麗に綺麗に残されていて、本当に泣くかと思った。こんなに丁寧に作り込まれてたんだ。演出ノートと合わせて、ああこんな素敵な舞台で歌っていたんだな、と思った。
ちなみにこのMAGICという曲は、セトリに入っていなかったにもかかわらずThe Colors 埼玉スーパーアリーナで歌ってくれたので普通に泣いた(し深瀬はその後ステージから落ちていた)。

一番心にきたのはThe Dinnerのモノだけれど、それ以外にもああ君か、というミュージックビデオに出てくるモノたちが怒涛の勢いで並ぶので、途中でだいぶ意味がわからなくなった。

Mr Heartake
!!!!!!!!

私がSEKAI  NO OWARIを推し始めたのはRPGからだから、あんまり長い訳ではない…と思っていたけど、中学2年生くらいだったはずがから、そこそこ長いかも…?とにかく、私が行かなかったライブなんて無限にあって、動画とか記録とかを見ていいなあ…と思うに留まっていたのだけれど、それを濃縮して見せてくれたような感じだった。

タルカスもTwilight Cityも行ってみたかったよ。Twilight Cityの演出ノートで、「後ろの方にいる方がファンタジーを楽しめるように」と書いてあって、だからライブは素晴らしい、と思った。動画で見るだけであんなに圧倒的なのだから、現場にいたらどれだけだっただろうか。

何回か、「みんなが信じるものに苦しめられる」というフレーズがあった。みんなが信じるもの。みんななんて居ていないようなモノなのに、周りにいっつも縛られたような、息苦しい気持ちになることがある。これからの人生でもいつだって。
みんなが変われば信じるものも変わるのが唯一の救いだろうか。

ちゃんと最新のBlue Planetの衣装も展示があった。いいな、どんどんパワーアップしていく。本当にもういちど、あの世界に連れて行ってくれ。

10周年、Du Gara Di Du 行きたかったよ。だけどこの展示会、イギリス生活の間に来られて本当によかった。

10周年、本当に本当に、おめでとうございました。

帰り道

そういう訳ですっかり満足して、ついでに参加し損ねたライブにも参戦したつもりになって帰路に着いたのだった。

久しぶりの東京、なんだか嬉しくなって、山手線東京駅で途中下車して、無印良品のミルクレープとコーヒーを嗜みながら手帳に感想をつらつらと書き留めて、この記事の原型になった。

上2/3は生クリーム、下1/3はカスタード

MUJI Cafe、29人待ちとかだった。

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