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鍼灸フェスを終えて。

こんにちは、鍼灸師まなです。

2020年はコロナもありガラッと価値観が変わりました。新型コロナ感染拡大まで数字でしか追えていなかった、「自分の実績」。それは施術人数だったり、拘束時間だったり、売上だったり。当時は自分が出来る最大限の事を行いながら「これだけ私は忙しいんだから社会の役に立っている」という気持ちがありました。

それも1つの価値だと思うけれど、「それだけ」ではなかったというのが、昨日の鍼灸フェス、西野さんのお話で答え合わせになったというか。

そんな気がしているので、つらつら書いていこうと思います。

①鍼灸院の価値

当院は地域の中でも「ちょっとお洒落な鍼灸院」ぐらいな感じだと思います。ちょっと単価は高めだけれど、その分お話を聞いてくれる場所。

2015年9月に開業してはや5年ちょっと。途中に移転もありながら地域に根ざした鍼灸院を目指してきました。

私の取り柄といえば、元うつ病患者である事。否定せず話を効くという、自分がされたい事をやってきました。

1人でも沢山の人を診ることが、私に出来る事だ、と。そして、忙しい中でも次の事を考える為に、自分の時間を作り出す事が経営者としてやらなければならない事だと言うジレンマに挟まっていました。需要はある。電話も鳴る。けれど、私には限界値がある。ご新規さんの予約を止めたり、スタッフを雇用したりいつも心のどこかに申し訳ない気持ちがありました。

そして治療院の最前線で人を診ていても、いつも売上の数字や人の期待に答えなければいけないという気持ち、何かに追われているような焦っている感じがありました。

新型コロナ感染拡大から1年後の2021年4月。当院は様々な事を解決するために会員さん制度を導入する事にしました。内容としては

▶︎カウンセリング、体の施術、美容鍼含めて1施術を行う。

▶︎施術していない時間でも、日頃の寒暖差・気圧変動の注意をお知らせ。

▶︎養生についてのセミナーをオンライン配信

▶︎お灸お持ち帰りシステム

▶︎私の好きな本の貸し出し「ここちめいど図書館」

▶︎フリースペースの解放

・・・などなど。人によって、時間がない人、自宅で出来ることやりたい人、やりたくない人、知識が欲しい人、会話を楽しんでる人、自宅でゆっくり眠れないから1人になりたい人。人の数だけ需要があって、どこかにハマればいいなと言う思いで私があったらいいなと思うサービスも展開していきます。

誰かがいるから、安心できる依存先を作りたい。そして、その依存先は沢山あった方がいい。その1つに、当鍼灸院がなりたいなと考えています。上のはハウツー。これをどう繋げていくかが、今からの私の腕の見せ所です。

この会員制のシステムにするまではすごく不安がありましたが、いざなってみるとよく分からないから離れる人、よく分からないけど先生のやる事だから乗っかるよという人、混乱する人、面白そうとワクワクしてくれる人、様々なリアクションがありました。同じ事を同じように伝えても、伝わり方は同じじゃない、というのを再認識するきっかけになったのです。

ならば、やっぱり私がやりたい事を鍼灸院では表現しよう。そう感じる事が出来ました。

②人工知能にまつわる価値

なんか難しい事を言っている・・・と言う風に見られがちですが、私は今年5月から静岡大学教育研究支援員になります。

私が静岡大学に関わらせていただいているのは、みんなの認知症情報学会の竹林先生にお会いしたから。超高齢社会になる上で、今のままではいずれ経済も人の動きもショートする。

その中でビッグデータに「なぜその行動をするのか?」のモデルを構築していく。これは私が元うつ病当事者だったから関われる事なのかもしれません。竹林先生の記事はこちら

鍼灸はAIには負けない!という次元の話ではなく、これから人口が減ってくる中であらゆる人の支援をして、繋いでいくハブになるのが人工知能だと私は考えています。

竹林先生がおっしゃっていた「困っていなければ病じゃない」という言葉。確かに、私はど近眼なので100年前なら障がい者でしょう。

今は眼鏡やコンタクトがあるので、目の良い人と一緒に仕事をすることが出来ます。

つまり、この眼鏡と同じものが人工知能。もっと人生を楽に生きることが目的なのです。そこに、元うつ病当事者であり鍼灸師として関わる事で、開発に介入できるポイントも変わってくると考えています。私は産業カウンセラーも持っていますが、「鍼灸師の米倉です」という事で鍼灸師がどんな事をしているのかを、この場では認識したいと思っています。

③米倉まなの価値

さて、私自身の価値ってなんだろう、という話になります。

鍼灸院を運営し施術をする者として

また元当事者として人工知能への関わりに関して

私が出来る事は、私の話を聞いてくれる人に伝えていく事なのかなと思っています。

オンラインサロンここちめいど、というのを2020年4月に作りました。ここは私が今までやりたかった事、メンタル疾患を診れる鍼灸師を増やすという取組でした。

しかし、私が想像していなかった事。それは私や他のメンバーが介入する事によって新しい一歩を踏み出す人がいたり、開業する人がいたり、様々な事にチャレンジし、その先でまた鍼灸師以外の人、患者さん・利用者さん・ご家族にも影響を及ぼしていくという事でした。

私が鍼灸院を運営しているだけでは到底出来なかった、”継続する事の価値””コミュニティでの人と人を繋ぐ価値”をここちめいどのメンバーは教えてくれました。

何気なく、私が楽しいからとやっている事でなのですが人から見ると「めっちゃコストかかってるやん!」「どうやって仕事してるの」などと言われます。でもいいの。楽しいから。

現在2021年4月現在、ここちめいども3期生がスタートし31名になりました。そして、みんなのおかげでここちめいどの名前を知っている人が増えました。そうなると、また出来る事も広がります。3期生はこれから尚知っていく事になると思います。

これは私の価値なのか、もはや私自身がここちめいどなのかよくわからない状態になっているのですが、昨年1年間で出来た事は数字ではなく、測れない事なんだと思いました。私がストレス無く出来る私の価値って「人を繋ぐ」事なのかと思います。

だから。

ここまでお付き合いいただいた皆さんも、「ストレス無く」「自分の価値を出せる場所」があるといいなと思います。

ここはみんなの認知症情報学会の事にもつながって、共に創る生きがいの場、役に立つチャンス、社会との繋がり。そして、マネタイズ出来るヒントもお渡ししながら、よりその人の価値を出せるようお手伝いしていきたいと考えています。

一人一人、過去も違えば価値観も違うのだから。あなたの座っている居心地の悪い椅子は、本当は誰かの座りたい椅子かもしれないよ。だから、あなたに合う椅子を話を聞いてじっくり探していきたい。私の話を聞いてくれた、あなたへ。

書いた人:鍼灸師・産業カウンセラー/米倉まな
はりきゅう処ここちめいど院長。元うつ病経験を活かし、情報学の先生たちと共同研究したり、鍼灸の先生と共同研究したり、人生何が起こるか分からない面白い毎日を送っています。


鍼灸×産業カウンセラー×心理学×人工知能。 誰かのこころを軽くする、そんな研究費に使用させていただきます!ありがとうございます。