227.天命を「自利利他円満(じりりたえんまん)」の回天力で動かし全うする
著・三松會 占心行動学塾長 脇田尚揮 ■LINE公式アカウント■
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私たちは小さい頃から自分が得になることだけを追求せず、他人や世の中のためになることも考えるようにと親や社会から教育されることが多々あります。果たしてこれは道徳的な意味からなのでしょうか。
仏教においては“自利利他円満”という言葉があります。これは自分の利益になることだけを求めず、他者に利益(お困りごとの解決)を差し上げることで喜びを共有し、巡り巡って自分も得をするという意味です。なお、反対語に“我利我利亡者(自利を追及し不幸に陥る)”があります。
つまり、自利と利他は相反するものでなく共存できることが前提で、利他をすることにより自利が繋がることで円満になるという訳です。そこで大切になってくるのが「共感」に目を向けること。これは需要と供給の市場経済に似ている面があるかもしれません。
自分の得意分野を“供給”と考え、周囲のお困りごとを“需要”と考えたときに、余りある資源である供給を不足している需要に与えれば、両者が「調和」的になりお互いにとって“自分事(当事者意識)”という共感を生じます。
そこで大切なのは自分に何ができるのか、相手は何を求めているのかの共通項をイメージすること。そして、環境に対して適応的な人格(ペルソナ)を育て、才能を開花させることです。
そうすることで周囲と力を合わせる中で、自分の才能により社会を動かす大きな力を得られるようになるはず。なお、この「ペルソナ」とはユング心理学において、相手に合わせ適切な対応ができる“仮面(人格)”のことであり、社会的TPOにも近いと言える概念です。
こうして利他を心がけると、自分と他者の意識が同じ方向を示し共時性が振動します。そして、心で考えていることと現実に表れることの不思議な一致(シンクロニシティ)が生まれ、予想もしないような素晴らしい必然的偶然性事象を起こせるのです。
言い換えると需給の“折衷点”を見つけ、そこに自ら与えることで環境からより大きな協力を得る、すなわち回天力(天{環境}を一変させる大きな力)を動かすことができるのです。その結果、相手も自分も大きな恵みを享受できるという結果がもたらされます。
やはり「人の為は自分の為」になるのです。
Q.あなたは人のためが自分のためになった経験がありますか? 環境の力を感じたことがありますか。