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自分にしっくりくるロールモデルが、見当たらないときは

ふと立ち止まってキャリアについて考えると、「この頑張り方でいいのかなぁ」とか、「このキャリアの先に何があるんだろう」と不安になること、誰でもあるんじゃないかなあと思います。身の回りの、5年、10年上の先輩が将来の自分を反映しているかと言われても、不思議とあまりそうは思えない。かといって、SNSできらきらと活躍しているような人にも、あまり自分を投影できない、みたいな。今回はそんな、「ロールモデル」についてご相談をいただきました。

とりあえず、ウェブ編集者の「定石」的なキャリアパスについてご紹介したうえで、僕の考えも書いてみたいと思います。


誌面編集でもなく、マーケターやWEBディレクターでもなく、編プロやライターやカメラマンでもなく、「WEBメディアの編集者」のかっこいい姿ってどんなものでしょうか。
社内で同じ職種の方がおらず、WEBメディア編集者の知り合いもいないため、目指すキャリア像がピンときておらず、一抹の不安をもっています。確かに、ウェブライターとしてどうキャリア形成するかと言う話はよく聞きますけど、ウェブ編集者にどういうキャリアパスがあるかってあんまり言語化されていないですよね。

ありがとうございます。

どんなウェブ編集者像に「かっこよさ」を感じ取るかは人それぞれなので、今回は僕の身の回りを見渡して、簡単に活躍しているウェブ編集者を類型化してみたいと思います。

どれかに「かっこよさ」を感じてもらえたら嬉しいですし、「自分にとっての理想の編集者像」をご自身の視点で考える叩き台にしていただけたらと。

1️⃣伝統的なエース編集者


自身に企画力があり、業界内の有識者とも繋がりがあり、優秀なライターさんともつーかーな関係が築けている。その結果ヒットコンテンツを量産できる人、みたいなのはウェブの世界にもまだまだあるかなと。

要するにこれが伝統的に一番イメージしやすい「編集者のキャリアパス」だと思います。いわば編集のエキスパートとして、個人として輝く、みたいな感じ。

2️⃣編集長

二つ目も伝統的なキャリアですが、媒体自体を盛り上げる「編集長」です。

1.であげたようなエース編集者が、「媒体の一部」であるヒットコンテンツを生み出すのに対し、編集長は媒体全体の戦略や方向性など、長期的にどうビジネスとして成り立たせるかを考える。ビジネス感覚やマーケティングなセンスなど、多方面に渡るバランス力が求められますが、インパクトの大きな仕事ができますし、「社会に対して何を発信すべきか」というマクロ視点で仕事ができるので、そこに魅力を感じる方にはいいんじゃないかなと思います。

3️⃣特定の「手段」(チャネル)に強い編集者

昨今ではウェブコンテンツといっても、様々なチャンネルを意識して様々な手法を組み合わせていく必要があります。TwitterとかFacebook、SEOとかとかとか。

SNSでのバズりを意識したコンテンツと、SEOやメールマガジンなどで反響が強い記事は異なります。ですから当然こういうチャンネルの設計によってタイトルワークや企画の出し方も大きく変わってきます。

こうしたチャネルの中のどれかに秀でる、と言うのもあるかもしれませんし、複数のチャネルを組み合わせてどう顧客体験を作っていく仕事も大切かつ、かなり専門的で楽しい仕事です。

4️⃣伝えたいことを言語化するコンサル的編集者


最近では、経営者の隣に編集者を、みたいなムーブメントもあり、社内外に何かを発信したい人に寄り添って言語化のお手伝いをする、という仕事にも注目が集まっています。

昔から書籍の編集者なんかは何らかの知見を持つ識者を見つけ出し、その人と対話を続けながら「社会に発信する価値のあること」を言語化してきてのだと思うのですが、その対象が企業だったり、あるいは自身をブランディングしたい個人だったりなど、広がってきているのかなと。

人が好きとか、企画を出すのが好きとか、どうやったら伝わるのかを考えるのが好きみたいな、パブリックリレーション的な素養が強い方はこういうスタイルもいいんじゃないかなと思ったりもしています。

🔸自分の強みややりたいことをどう抽象化して具体像に落とし込むか


パッと思い浮かんだものを洗い出してみましたが、編集者の持っているスキルって汎用的なものが多いので、今回僕がお話したことに限定せず、ぜひご自身の考える「編集のこういうところが好き」を起点に、ワクワクする将来像を描いてもらえたらいいんじゃないかなと思います。

こういうキャリアについて考えるとき、僕自身が忘れないようにしているのは、「どの方向を選んだって、そこそこには幸せなんだよな」ということです。要するに、「どちらを選んだら不幸」「どちらを選んだらめっちゃハッピー」ということはなく、本来は、「どっちに進んでも幸せ」に見える選択肢から「より良いものを選ぶ」という作業をしているわけで、そういう意味で、ワクワク感をもって自分の可能性を追求していく/可能性を追求する作業を楽しむ姿勢が大事なんだろうなと。なんだかんだなるようになりますし、将来に不安を持っているような人は、むしろ楽観的にいるくらいのほうが良いような気もします。

社内に他に編集者がいない環境とのことではあるので、イベントに出てみるとか、SNSで気になる人をウォッチしてみるとかしていくとよさそうですね。もし壁打ち的にできそうでしたらまた是非ご質問でもどうぞ。

答えになってましたら幸いです!

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