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町のピアノ教室♪楽させて貰いま~す

小学4年生、華奢で、おとなしい女の子。
ピアノを習い始めて半年。
そろそろ1冊目の教本が終わりそう。

事件はそんな時に起こった。

彼女の大好きな曲をカタカナ付き楽譜で準備した。
早速弾いてみようと、1小節ずつまねっこ弾きをした。
順調、順調。
ちょっとずつ両手で弾いていこうと言った瞬間

😢😢😢

難しかったのかなあ?

気分転換にクリスマス会で弾く「ジングルベル」を。

これまた、メロディだけはいいのだが、両手になると泣き出す。

「どうしたの?」
「読めない?それとも両手を使うのが難しい?」と聞くと、
読むのも弾くのも難しい。
簡単なことだけをやりたい。
詳しく聞くと
「何も見ないで、メロディだけ弾ければOK」
「YouTubeの音が降ってくるやつでいい」とのことだ。

耳コピ出来る程の絶対音感もリズム感も備わっていないし、
カタカナ楽譜を読むのも嫌だ。
好きな曲じゃなくて、出来るだけ簡単な曲にして欲しいと。

親御さんに有りのままをお伝えすると、
「本人が自分で答えを出すと思います。
一生片手で嫌だと思えば練習するでしょうし、
興味が無ければレッスンを受けないと思います。
我流で弾きたいのだと思います。」とお返事が。

そこで我が教室のスペシャリスト。底辺生徒(こんな事言っちゃいかん)の指導をさせたら天下一品の同僚に相談。

「私だったら楽させて貰っちゃうわ~」

「本人も親御さんも了解しているのなら、テキストも何も使わず、
指一本で、簡単なメロディをずっと弾かせてればいいのよ。
上手上手って言って。」

「本当にそれで満足ならwin-winだし、物足りなくなったら一音ずつ伴奏入れていけばいいのよ。」

「それでお金貰えるんだから、楽ちん。」

流石や!
そうだ、私は真面目過ぎる。
何かを教えなくちゃ、弾けるようにしなくちゃ、
好きな曲を弾かせてあげたい。

思い上がりも甚だしい。

「片手でいい、簡単なのがいい、楽譜も読めなくていい」と
顧客が言っているのだから、そのニーズにお応えすればいいのだ。

「仕事だと割り切ってレッスンすればいい。」と自分に言い聞かせてはいるが、全く遣り甲斐を感じない。

これからは先生のピアノ経歴などは全く必要なく、YouTube動画を使った指導スキルとかが必要になるのか・・・楽譜を読めないピアノの先生とかが出てくるのかもね。



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