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やっぱりN.A.S.A.はイイ!名作Gifted以外にも超絶MVが目白押し(オススメMV #90)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の90回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回も前回に続いてアーティスト特集です。
なんと今回は私の超お気に入りのグループ、N.A.S.A.の超オススメのMVをお届けします。

本題に入る前に、タイトルにもある名作MVをまずはご覧ください。
N.A.S.A.の「Gifted」です。どうぞ!

イイものは何度観てもいいですね!
楽曲もメチャクチャいいですが、映像も素晴らしく、更にその映像と楽曲がマッチングしているだけでなく相乗効果を生んでいる稀有なMVです。

この「Gifted」については、以前の連載「SFアニメのMVではBirdy Nam Namもいいけど、やっぱりN.A.S.A.が最高だ!」で解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。

さてさてさて、ここからが本題です!
N.A.S.A.は、サム・スピーゲルとゼ・ゴンザレスの2DJのユニットですが、ユニットというより特殊なプロジェクトで、「ジャンルや人種、世代、文化をすべて越える」という壮大なコンセプトで様々なアーティストとコラボレーションしてスゴイ作品を世に送り出しています。
上で紹介した「Gifted」では、大物カニエ・ウェストやサンティ・ゴールド、リッキ・リーというイケてる女性シンガーと組んでいますが、他の楽曲でも「マジで!!!」と思うようなアーティストと組んでおり、まさしくドリームプロジェクトです。

そんなスゴイN.A.S.Aですが、オリジナルアルバムは2009年にリリースされた「The Spirit of Apollo」のみです。
ちなみに、N.A.S.A.は「North America/South America」の頭文字を取っており、米国在住のサム・スピーゲルとブラジル在住のゼ・ゴンザレスが組んだユニットであることから命名されたと推察されますが、それに加えてアルバム名にある「Apollo」とも掛けていると思われます。

しかし、このアルバム「The Spirit of Apollo」の密度はメチャクチャ濃く、かつ楽曲ごとに様々なアーティストと組んでいるため、バラエティに富んだ内容となっています。
楽曲だけでなくMVも同様で、1つとして同じテイストのMVがないのも驚きで、今回は全く違うテイストでのオススメMVを2つ、皆さんに紹介します。

では、さっそく1つ目の超絶オススメのMVに参りましょう。
N.A.S.A.の「Whachadoin?」です。

ポップでキュートでオシャレなMVですね。
カラフルな映像ですがイヤな感じはせず、楽しみながらノリノリで観ることができ、あっという間に終わってしまうのは優れたMVである証拠です。

この「Whachadoin?」で組んでいるアーティストも素晴らしく、私のお気に入りの女性アーティストのM.I.A.とサンティゴールドに加えて、スパンク・ロックにヤー・ヤー・ヤーズのギタリストでもあるニック・ジナーというから悪くなるワケがありません。

しかし、この映像は秀逸ですね。
細かいギミック(仕掛け)がちりばめられているものの、その根底はダンスミュージックであることが首尾一貫しています。
また、微妙なストーリーも設定されており、ボスと戦って負けて修行し再チャレンジするようなカンフー映画の趣(おもむき)で、ダンスでカンフーを模しているというところも面白いですね。
さらには、稲妻を落とす神様のようなモバイルフォンが、今のSNS中心の世の中を表現しているようにも見えます。

この「Whachadoin?」については、楽曲単体で聴くよりもMVとして視聴するほうが何倍も印象に残るので、それだけ映像との組み合わせが抜群のMVではないかと思われます。

ポップでカラフルな「Whachadoin?」でしたが、続いては真逆にダークでディープなオススメMVを紹介しましょう。
N.A.S.A.の「The People Tree」です。

独特な世界観のダークな映像のMVです。
それに組み合わさる楽曲も、まとわりついてくるようなメロディとボーカルで、類を見ないようなMVとして完成度高く仕上がっています。

この「The People Tree」に参加しているアーティストもすごい。
まずはトーキング・ヘッズでおなじみデヴィッド・バーン!
うねるような、まとわりつくようなボーカルは彼の真骨頂です。
そして、 Chali 2naとGift Of Gabというふたりのラッパーに、なんでもこいのDJ、Z-Tripも参加しているというから悪いワケがありません。

なお、トーキング・ヘッズについては、以前の回(アニメMVの鬼才ジムブラッシュフィールドは、トーキングヘッズで覚醒し...)で紹介しているので、ご興味ある方はそちらもご覧ください。
また、Z-TripはFUJI ROCKなどでも何度か来日もしている著名なDJですが、オルタナティブHIPHOPとも言うべき様々なジャンルの音楽を組み合わせるDJとしてて神がかった能力を持っているお方です。
そのすごさは彼のYouTubeチャンネルで以前ライブ配信していた「JOURNEY INTO SOUND Series」を観ていただければ一目瞭然です。(動画がアップされているので、ご興味ある方は検索して観てみてください)

話がそれましたので、MVの解説に参りましょう。
この「The People Tree」は、もちろん楽曲自体もデヴィッドバーンのボーカル含めて素晴らしいのですが、そのダークなテイストの楽曲に驚くほどマッチしている映像が特徴となっているMVです。
ヒトや動物、バケモノたちが登場し、ワケが分からないもののその不思議な世界観にデヴィッドバーンの歌声と共に引きずり込まれ、気が付いたらどっぷり浸って抜け出せなくなってしまいます。

このMVを見たとき、奇書のひとつであるヴォイニッチ手稿をオマージュしているのかと思いきや、マルセル・ザマ(Marcel Dzama)という画家のデザインを映像化した作品であることが分かりました。
このマルセルザマという方を調べたところ、私の大好物のような絵を描きまくっている方ということが分かり、この出会いも含めて「The People Tree」のMVには感謝感謝という感じです。(ちなみに、MVに出てくる「The Course of Human History Personified」という書籍は、実際に出版されているマルセルザマの画集となります)

しかし、この「The People Tree」のMVを観ると、デヴィッドバーンのボーカルの楽曲やマルセルザマのアートを前面に押し出した映像など、N.A.S.A.が目指している「ジャンルや人種、世代、文化をすべて越える」というコンセプトが体現されていると思うのは私だけでしょうか。

今回のN.A.S.A.特集はいかがでしたでしょうか。
明るくポップな「Whachadoin?」とダークでディープな「he People Tree」。
どちらも超絶オススメなMVですので、ぜひご覧ください。

ではまた次回に。

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