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ワケわからないヘンテコMV。でも超お気に入りの三連発!マーズにキンブラにセローンだーっ(オススメMV #10)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の10回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は、「ワケがわからいけど、メチャクチャいい!」というMVを3つ紹介します。

まず最初は、マーズ(M/A/R/R/S)の「Pump Up The Volume」です。

いかがでしょうか?
宇宙ステーションの映像から始まって高速道路に画面が切り替わり、また宇宙飛行士の訓練の様子に戻り、続いて人工衛星や宇宙ロケット打ち上げなどの様々な映像が切り替わりながら表示される...
ワケが分からないですよね。

このMVとの出会いはMTVになります。
グルーブ系の番組の中で放映されており、初めて観た時は衝撃でした。
「なんじゃこりゃ?」という感じです。
しかし、他に類するものがない独自のMVであり、楽曲も素晴らしいのですが、MV自体も何度観ても飽きず、かつ毎回新鮮です。

1990年代の初頭にこのMVに出会い、マーズというアーティストの他のMVや楽曲を知りたくなり探したのですが全く見当たらず、今のようにネットで簡単に情報が入らないので苦労しました。

調べまくった結果、このマーズというのはハウス系のユニットで、リリースしているのはこの楽曲だけということが分かり、ガッカリすると同時にこの唯一無二のMVの貴重さを再認識したのです。

このMVは、以前ご紹介したジャスティスの「D.A.N.C.E.」同様、MV史に残る名作ではないかと考えています。

さて、「ワケのわからないヘンテコMV」の2つ目。
キンブラ(Kimbra)の「90s Music」です。

このMVもヘンテコですよね。
独自のリズム感の楽曲に合わせて踊るのは、これまたヘンテコな風貌の女性で、その背景も独特です。
建物の映像は微妙に変形しつつ、ヘンテコな部屋でダンサーが踊り、ポップな画像が差し込まれます。

このヘンテコな風貌の女性こそキンブラで、ニュージーランド出身の要注目アーティストです。
MVでは奇抜な格好をしていますが、ご本人は知的な美しい女性で、他のMVでは彼女の知的な面を知ることができます。

このMVを観ていて、「狂気を演じられるのは知性だけだ」というタモリさんの名言を思い出しました。
それぐらいこのMVでのキンブラのはじけっぷりはすごいのですが、その映像に負けない楽曲の強さがあります。

この楽曲もそうですが、この楽曲が含まれるアルバム「The Golden Echo」には著名な男性アーティストが多数参加していて、優れた楽曲の秘密がわかると同時に、このキンブラという女性アーティストが著名な男性アーティストを引き付ける魅力の持ち主であることをうかがい知ることができます。

このキンブラというアーティストの今後の活躍に要注目です。
ケイトブッシュ、シーアに続くお気に入りの女性アーティストになってほしいと願っています。

さて、「ワケが分からないヘンテコMV三連発!」の最後の3つ目。
セローン(Cerrone)の「Supernature」です。

ご覧の通り、ヘンテコ感満載のMVです。
動物の被り物をした全身タイツのヒトがほふく前進するところから始まるMVって、後にも先にもこのMVでしか見たことがありません。

一説によると、このMVは人間と自然との付き合い方について警鐘を鳴らすというか課題を投げかけているらしいです。今でいう環境問題でしょうか。
この作品がリリースされたのは1977年ですから、時代を先取りしたMVともいえ、「ヘンテコMV」というのは大いに失礼な話ですね。
もしかしたら、崇高な真意を忍ばせ、印象付けるためにあえてヘンテコなMVに仕上げているのかもしれません。
それこそ、「狂気を演じることができるのは知性だけ」でしょうか。

しかし、この「Supernature」はメチャクチャ楽曲がいい!
このセローンというお方、フランスのミュージシャンですが、ディスコ・ミュージック界隈では大御所で、この「Supernature」も名作として有名なんです。

今でこそエレクトリック系のダンスミュージックがEDMというジャンルとしてメジャーになっていますが、その昔1970年代(!!)にシンセサイザーを取り入れたディスコサウンドに取り組み、ハウスにつながる流れを作ったお方とも言えます。

そんなスゴイ方ですが、なかなかMTVで放映されることがなく、この「Supernature」を録画できた時は「やったぜ!」という感じでした。
しかし、それがYoutubeで簡単に見れるとはチョットがっかりではありますが、いつでも気軽に観れ、かつ多くの方にこうして観ていただける機会を提供できることは喜ばしいことではあります。

この「Supernature」のMVだけを見ていると、このセローンという方は大昔に活躍されていた過去のヒトと思ってしまうかもしれません。
しかし、現役バリバリで、今年2020年2月にも新しいアルバムをリリースされています。
MVも、「Supernatrure」とは違う今風のMVもリリースされています。
例えば、以下の「Good Times I'm In Love feat. Adjäna」もそのひとつです。

超今風なMVですよね。
悪くはないですが、私の好みかというと違うのでサラッと紹介するにとどめさせていただきます。

さて、今回の「ワケがわからないヘンテコMVの三連発」、いかがでしたでしょうか。
楽曲がすばらしく、かつその楽曲の良さを引き立て、映像自体としても素晴らしければ、もうそれだけで十分ですよね。
実は「ヘンテコ系」のMVは結構あるのですが、イケてるものは少なく、今回はその中から秀逸な3作品を紹介しました。

今回の3つのMVはどれもおススメですので、ぜひご覧ください。
楽曲としても素晴らしいので、Spotify等で楽曲だけ聞いていただくのもオススメです。

ではまた次回に。

追伸:
ギャスパー・ノエ監督の「CLIMAX クライマックス」という映画をご存知でしょうか?
「全編MVの映画を作ったらこうなる」という感じの映画で、私にとっては至福の体験でしたが、その映画で今回ご紹介した「Superneture」と「Pump Up The Volume」が使われています。
特に「Supernature」は一番いい場面で使われており、他にも私のお気に入りの楽曲が満載で、特にEDM系のMVが好きな方はぜひご覧ください。

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