見出し画像

パワースポットを巡る #2 『狐瓜木神社』

 「まさか、ここが海だったなんて。」神社の歴史を紐解くと、太古の暮らしを垣間見ることができます。そして、太古の地形までも。

 こんにちは。写真家のMiNORU OBARAです。記事をお読みいただきありがとうございます。本日は『パワースポットを巡る』シリーズの第2話です。

 このシリーズを始めたきっかけは、以前の記事にしておりますので、ぜひそちらもお読みくださいね。

 さて、今回ご紹介するのは、『狐瓜木神社』さんです。「くるめぎじんじゃ」と読みます。

 広島市東区の戸坂(へさか)という町に鎮座しています。

 南に大きな牛田山、北西に太田川。ちょうど山と川に挟まれた地に鎮座する神社さんです。

 この狐瓜木神社さん、その由緒はなんと、弥生時代にまで遡るそうで、本殿はもともと弥生時代に執り行われていた祭の祭場だったとか。途方もないですね。

 そして、相殿に二柱の神様をお迎えしたのは、貞観二年(860年)、つまり平安時代のこと。このときお迎えした二柱の神様とは、五穀豊穣や生命の神と言われる志那都比古神(しなつひこのかみ)と、いわゆる恵比寿様として知られている事代主神(ことしろぬしのかみ)なのだそうです。

画像1

 面白いのが、狐瓜木神社さんの歴史を紐解くと、大昔にはこの辺り一帯が海であったということ。広島にお住まいの方なら、たいそう驚かれることと思います。広島に土地勘がない方も、今一度上の地図をご覧ください。南の瀬戸内海からはほど遠い場所ですよね。現在この界隈は海の気配など全くしない内陸です。

 日本に人間がやってきたのはおよそ3万8000年前という説がありますが、平安時代なんて、たったの1000年前。その間に、少しづつ、地形が変化していったのですね。それなら、1000年後に僕たちの住む街はどんなあり様になっているのか、考え始めたら止まりません。

画像2

 さて、狐瓜木神社さんは、小高い山の上に鎮座しています。地元の人しか使わないであろう細い道のとんがった角に建つ二本の石柱が参道の入り口です。

 参道はそのほとんどが石の階段です。その両脇には高い杉の木が何本もそびえ立ちます。僕が撮影に訪れたのは真夏の炎天下。そのためか、階段の先には大きな夏の雲が。まるで、雲に繋がっているかのような参道だったことを覚えています。

画像3

 そんな参道を、後ろを振り返らずに登り切れば、正面に見えてくるのが狐瓜木神社の本殿です。

 そこは、下界から隔離された天上のような空間。背の高い木々と、それらにトリミングされた青空だけの世界です。

 空気はシンとして純度が濃く、お日様もまるでここだけに注いでくれているかのように優しい。そんな天上世界です。

画像4

 境内はさほど広くありません。むしろ、こじんまりとしています。

 境内の西奥の赤い鳥居の向こうには、狐瓜木豊穂稲荷社(くるめぎとよほいなりしゃ)も鎮座しています。そういえば、長い階段を登り切った時に、優しく出迎えてくれたのも石のお稲荷さんでした。

 地上の喧騒から切り離された狐瓜木神社は、家内安全、商売繁盛、交通安全、厄除け、安産、開運、受験祈願などのご利益があるといわれています。

 ぜひとも、ゆっくりと一段一段階段を踏み締めて、天上での贅沢な時間を味わってみてはいかがでしょうか。

 そうそう、先ほど、階段を登る時は後ろを振り返らずに」と言いましたね。

 参拝の帰り道には、山上から眺める大きな空とその下に広がる広島の街並みを思う存分お楽しみくださいね。それはまるで、神様からのプレゼントのようでもありまあすよ。

画像5

 本日も、文末までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 また次のお話で、お会いしましょう。

 そういえば、このシリーズの第1話では、神社さん近くのおすすめのお好み焼き屋さんもご紹介しましたね。なので、今回も。

 戸坂の「キャベツ」さん。お好み焼きだけでなく、鉄板系もおすすめ。

 ただ狭い店内なので、混雑状況にご配慮くださいね。テイクアウトもできるはず。

 それでは、また!

画像6

□ バックナンバーはこちら

□ このシリーズ連載のきっかけをくれたプロジェクトはこちら

写真家MiNORU OBARAをもっと知るにはこちら

□ 写真集『アフターコロナに会いましょう -完全版- 』好評発売中

※当サイト内の制作物は著作権法により保護されています。無断転用・転記などの行為は法律により禁じられています。
Copyright(c) 2020 studio MONSTER Co., Ltd. All rights reserved.
Powered by studio MONSTER

記事を最後までお読みいただきありがとございます。「サポート」も「♡」もとても励みになります。 記事によっては、いただいたサポートを世界の友人・家族に寄付します。 これからも心がホッとするような写真を撮り続けていきますね☺︎