『アフターコロナに会いましょう -note版- 』 #7 - ラオス お正月のお寺で -
こんにちは。写真家のMiNORU OBARAです。本日は、『アフターコロナに会いましょう』シリーズの第7話をお届けします。
第6話ではお休みした有料写真ギャラリーですが、今回は文末にあります。ラオスののんびり写真を2話分、いっぺんにご堪能ください。有料写真ギャラリー以外は全て無料でお読みいただけますので、ご安心くださいね。
さらにこのシリーズは、先日発売になった写真集『アフターコロナに会いましょう - 完全版 - 』とともにご覧いただくと何倍も楽しめますので、そちらも是非ご検討ください。
さて、第7話ですが、前回に引き続き、ラオスでの出会いです。
訪れた日が、たまたまラオスのお正月だった、という偶然が産んだ出会い。まずは、朗読ムービーをご覧ください。
ご存知の方も多いかもしれませんが、仏教国の多い東南アジアでは、西暦の正月(1月1日)よりも、旧正月(4月13日あたり)の方を盛大に祝う風習が残っています。特に、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアあたりでは。
タイの『ソンクラーン』やミャンマーの『ダジョン』というお祭りのことはお聞きになったことがあるかもしれませんね。
『ソンクラーン』も『ダジョン』も、別名「水かけ祭り」と呼ばれます。
そう、水をかけて全てを清めてしまおうというお祭りです。なので、この時期にそこにいくと辺り構わず水を掛けられます。
その習わしは、カンボジアでも同じ。そして、今回のお話の舞台であるラオスでも同様です。
訪れた町はとても静かな町。なりふり構わず水をかけるというアグレッシブさはなく、パバンという神様に水を掛けて全てを清めていただくという風習が生きている町です。
パバン像は、黄金に輝く神様。この神様、普段はお寺の奥に安置されていて、人目に触れることはありません。
しかし、この町のお正月の時期にだけ、町の中央にあるお寺に移動し、開帳。人々にお目見えします。その期間は一週間程度。
この時期に、この町の人々はそのお寺にこぞって訪れ、パバンに水をかけて、一年の幸せを祈ります。
そんなお祭りの初日に訪れたこの町で、出会ったのがこのお話の主人公の二人です。
「お前、ラッキーだぞ、この町は今日から水かけ祭りだから、ど真ん中のお寺に行ってみろ。」と、宿の親父さんに言われるがままに、向かったお寺。
お寺に足を踏み入れた瞬間に、向こうの方からやってきて、まだ遠くにいるうちから声をかけてきてくれた姉妹。
この日のために用意したに違いない民族衣装に身を包み、パバンに水をかけるための水盆を手にした二人はとても可愛い笑顔で僕を呼んでくれました。
衣装は色違い。その華やかな衣装には少し場違いとも思われる足元のサンダル。のんびりそうなその笑顔。
すべてが緩やかなこの町にお似合いの二人でした。
どうにも僕を気に入ってくれた彼女たちは、「水かけ」に僕を誘ってくれました。
パバン像は、お寺の真ん中に安置されていました。その小さな体には少し大げさに見えるほどのきらびやかな屋根と豪華絢爛な装飾に囲まれたパバン像。その姿は、この町を守り続けている神様そのものでした。
「パバン像に水かける」のがこのお祭りの目的ですが、人々はパバン像に直接触れることはできません。それどころか、近づくこともできません。
なので、僕たちは、パバン像の周りに施された雨樋のような水の道に、水を注ぎます。するとその水が、樋を伝ってパバンに届くのです。
お寺の真ん中でお坊さんに挨拶をして、注ぎ口に案内してもらった僕たちは、神妙な気持ちで丁寧に水を注ぎ込みました。
この町は、とてもとても狭い町。
なので、彼女たちとはその後も何度も出会います。
それがお祭りの時期だからなのか、そうではないのか、僕には分かりませんでしたが。
この町に降り立って、一番最初に仲良くなった彼女たち。お揃いの衣装におどけた姿。
パバンに一緒にお祈りをしたから、きっと今年はいいことがあったはず。
どんないいことがあったのかのお話を聞きに、次は、お祭りじゃない時に訪れようと思います。
きっと、彼女たちはまた可愛い笑顔でおどけてくれることでしょう。
そうです、これは、『アフターコロナに会いにきた』への序章です。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。
ここから先は有料写真ギャラリーです。第6話の分もまとめて、この町のお写真を掲載します。お寺の位置情報も。
よろしければ、是非ともご覧くださいね。
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