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『アフターコロナに会いましょう -note版-』 #1 - インドネシア ヒンドゥーのお寺で -

 こんにちは。写真家のMiNORU OBARAです。本日から『アフターコロナに会いましょう - note版 - 』の連載を始めます。定期的に投稿していきますね。

 『アフターコロナに会いましょう』シリーズとは?という方は、こちらの記事からお読みくださいね。

 そうなんです。このシリーズはもともと公式Instagramへの投稿が始まりでした。突如会えなくなってしまった世界の子どもたちに向けて手紙を綴る、という意味合いで始めた連載投稿、メインエピソードの連載は一旦完結しましたが、サイドストーリーの連載はいまだに続いております。(2020年9月12日時点)

 この度、写真集『アフターコロナに会いましょう』完全版の発行を機に、noteでも綴ってみようと思い立ちました。noteなら、長い文章にもできますし。

 そして、このnoteでの連載を写真集とともにお読みいただけると、どちらも何倍もお楽しみいただけるのではないか、と思います。

 さらに、試みとして、写真ギャラリーを有料にしました。文末の有料記事をご購入いただいた方には、より多くの写真をご覧いただけるようにします。まるで、写真展のようにお楽しみいただけると幸いです。


 さて、連載の記念すべき第一回目のエピソードは、『インドネシア -ヒンドゥーのお寺で- 』

 とりあえず、ムービー版からご覧ください。「有料写真ギャラリーまではちょっと・・・。」という方は、こちらでもある程度のお写真がお楽しみいただけます。

 出会いの場所はインドネシアのバリ島。年に一度の大祭オゴオゴの前日。

「オゴオゴ」とは、僕の大好きなお祭りのひとつで、インドネシアバリ島の大晦日にあたる日に行われるハイパーエキサイティングなお祭り。悪魔を摸した巨大な人形(=オゴオゴ)が村中を練り歩き、その中に村中の悪いものを全て吸い込ませ、村を清める、というもの。

 このお祭りがとにかく最高で、ビフォーコロナの僕は毎年この時期にバリ島に渡航しておりました。

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 このエピソードの二人に出会ったのも、いつかのオゴオゴの前日。何度も訪れている島、これと言ってすることもないので、村をぶらぶらしていた時に通りがかったヒンドゥー寺院でのことです。

 オゴオゴの時期には村の至る所でお祭りごとが催されていますが、このお寺でも神事が行われていました。

 普段は、サロン(布スカート)で足を隠せばヒンドゥー教徒以外でも立ち入りを許されるヒンドゥー寺院ですが、この時は、異教徒は立ち入り禁止。それでも親切なおじさんに「ここからなら見てていいよ。」と教えてもらった場所からお寺の中の様子を窺っていた時に、たまたま目が合ったのが、彼女たちです。

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 ふたりでじゃれ合って、明らかに神事に集中していない様子の彼女たち。一度目が合ってからというもの、何度も何度も僕の方に視線を投げかけては、おどけてくれました。

 ずいぶんと長い神事だったのですが、彼女たちに「終わるまでそこで待っててね。」と言われたような気がして、座り心地の悪い石の上に座って、彼女たちとの無言の会話を楽しみながら、僕はずっと待っていました。

 その間にも、ひっきりなしに人々がお祈りに訪れ、あたりは神聖な空気。大人も子どもも真っ白な民族衣装に身を包み、それはそれは美しかった。

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 太陽が夕方への支度を始めた頃、どうやら神事がお開きになったようで、お寺にいた人々はわらわらと家路に向かい始めました。

 そもそも狭いお寺の入り口。人混みに紛れて、僕は彼女たちを見失ってしまいましたが、彼女たちは僕をちゃんと見失わないでいてくれたようで、僕のところに駆け寄ってきてくれました。

 言葉なんて通じないんです。バリ島の言葉で話せるのはせいぜい「こんにちは」と「ありがとう」です。でも、不思議なもんで、会話が成り立つんですよね。これはどの国でも同じ。なんでだろう、本当に不思議です。

 お寺の脇で、ひとしきり一緒に過ごして、僕は海の方へ。彼女たちは村の方へ歩いていきました。

 何度も何度も振り返って手を振りました。

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 あれ以来何度も訪れているこの島ですが、彼女たちとの再会はまだ果たせていません。

 このパンデミックが終わったときにこそ、僕は必ずそれを果たします。 

 そうです。これは、『アフターコロナに会いにきた』への序章です。



 今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 ここから先は有料写真ギャラリーです。ぜひ、お待ちしております。

 それでは、また次回!


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