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勉強しない中学生、親がしてはいけないこと

こんにちは。今回は、勉強をしない子に親がしてはいけないことについて、実際の事例を交えながらお話しします。

ある中学1年生の男の子の話

私が担任をしているクラスに、勉強が大の苦手な中学1年生の男の子がいます。彼の様子を見ていると:

  • 学校の課題をゴミ箱に捨ててしまう

  • 授業中はよく居眠りをする

  • テスト中もずっと寝ている

正直、睡眠障害の可能性も考えられますが、それ以上に勉強への拒絶感が強いんです。

彼は私立中学に通っているので中学受験をしました。

その時から勉強が嫌いだったようですが、なんとか第一志望校に奇跡的に合格。今は中学1年生ですが、勉強面では相当苦労しています。

ニンジンをぶら下げるのはNG

この状況に焦ったお母様が、「好きなもの、欲しいものを買うから宿題をやって」「テスト勉強をやって」と約束をしたんです。

確かに、欲しいものがたくさんある彼は「じゃあやる」と言って、多少は課題をやったようです。

そして約束通り、お母様は彼の欲しいものを買ったそうです。

でも、これは絶対にやってはいけません。私はお母様にも「お母さんの気持ちはよくわかりますが、さすがにこれだけ課題もやらない、勉強もしないとなると焦りますよね。とはいえ、ちょっとニンジンぶら下げちゃうのはまずいなあ」とお伝えしました。

なぜニンジンをぶら下げてはいけないのか

  1. 一時的な効果しかない

  2. 外発的動機づけにしかならない

  3. 長期的には学習内容が身につかない

彼は6年後の大学受験を見据えて今勉強をしているはずです。

夢があるようで、その夢を叶えるには特定の学部に行く必要があるという認識もあるようです。でも、勉強がかなり嫌いなんです。

ニンジンをぶら下げると、確かに一時的には勉強をします。でも、ずっと与え続けないとやらなくなるので、キリがありません。

動機づけの観点から言うと、これは「外発的動機づけ」です。周囲からモチベーションを与えられている状態ですね。

一方、本当に必要なのは「内発的動機づけ」。自分がしたいからする、しなければならないからする、将来の目標のためにするという動機づけです。

学習内容が身につくのは、言うまでもなく内発的動機づけの方なんです。ニンジンぶら下げでは、一時的に身につくかもしれませんが、中長期的には全然身についていません。周囲の与え損のような気がしますね。

では、どうすればいいのか

「でも、ニンジンぶら下げないとやらないよ」という話になりますよね。どうすればいいのか。私は2つのアプローチを考えています。

1. 小さな頑張りをねぎらう

「課題2ページやれたね」「よく頑張ったね」など、小さな進歩を認めて褒めましょう。

2. 問いかける

「どうしたいの?」「どういう気持ち?」「サポートできることある?」など、子どもの気持ちに寄り添う問いかけをしましょう。

こうすると、本人も多少は考えるんです。初めは問いかけにうまく答えられなくても、無意識にその問いかけが残り、後々「こうしたい」となってくるんです。

指示命令から問いかけに変える。周囲の声かけを変えていく。これが中学生くらいから本格的に効果を発揮すると、私は考えています。

3. 待つ

そして、待つしかないんです。特に第二次反抗期と言われる小学6年生から中学2、3年生の間は、周囲が「やれやれ」と言えば言うほど反発したくなる年頃なんです。

これは心理的リアクタンスという心理学の用語があるんですが、要するに「やれ」と言われるものほどやりたくなくなる現象です。

大人だって、周囲に何かをやれと言われると絶対にやりたくないと思うことがありますよね。

中学1年生はその傾向が特に強いんです。だから、いくら周りが「ああしろこうしろ」と言っても効かない。むしろ抵抗感が強まるだけなんです。

最後に

なかなか歯がゆい時期ですが、本人を見守る周りもまた歯がゆい思いをするのが中1、中2なんです。

じっと問いかけて、小さな頑張りをねぎらって、待つしかない。そういうふうにやっていきたいと思います。

全国のこれを聞いているパパママさん、そんな時期を迎えているお子さんがいれば、一緒に見守っていきましょう。

参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。それでは良い一日をお過ごしください。

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