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出産備忘録③〜産後の入院生活〜

前回、26時間の末に無事に娘を出産した私。今回は、産後の後陣痛やら入院生活について綴っていく。書こう、書こうと思い続けて半年が経過。去年の今頃はベッドの上でもだえていたなんて、光陰矢の如しとは正にこのこと。

出産編はこちら↓

産後すぐの現場

無事に産まれたあとも出産の現場はバタバタしていた。娘の産声を傍らに聞きながら、役目を果たした胎盤を出すために助産師さんにぐぐぐっとお腹を押される。何度か押された後、「リラックスしてください」と言われたので無事に巣立っていったんだなあと実感する。同じように娘もへその緒を切られ、タオルで拭かれてふがふがしていた。

ベッドの上で天井を見つめながら娘を早くみたいなあと思っていると、「陣痛の時間が長く一時的に心拍数が下がったことと、産まれてくる瞬間に肺に少し羊水が入ってしまったかもしれない、ということで小児科の先生に診てもらうことになりそうです。」と手短に助産師さんが話してくれた。(なんと・・・!)と思ったものの、プロがそう判断するならお任せしますと先生方に簡単に挨拶をして娘を託すことにした。

コット(という小さなベッド)に乗せられて泣いている娘を遠くから見ていると、ベテランの助産師さんが「スマホはどこにある?」と聞いてくださったので、「ここです」と枕元のスマホを手渡す。慣れた手付きでカメラを起動して娘の様子を動画に収め、小児科の先生に話をつけて少しの間だけ娘を私の傍らに連れてきてくださった。

写真も撮っていただいたのだが、むくんでパンパン、赤くてしわしわの小さな娘と娘に負けず寝不足でむくんだ私が並んでいて、イメージしていた産後の写真と現実はかけ離れていると思い知らされた1枚が残った。産後すぐの母子の写真をSNSにアップできるのってすごい(笑)

振り返れば、助産師さんが機転を利かせてくださったお陰で一生に一度の瞬間を記録に残すことができた。コロナ禍で立ち会いができない時、そもそも立ち会いもしない時、この瞬間の写真を撮ってほしいです、とバースプランに書いておくのは大事だと改めて思った。あと動画も。

娘を小児科の先生に託して、部屋から出ていくのを頭だけ上げて見送った後、夫をはじめとする関係各所へ産まれたよ〜と連絡しようと、およそ15時間ぶりにスマホの画面を開くと、仕事に行く前に心配した夫が病院の前から送ってくれたメッセージがあった。産む方も一苦労だが、待っている方も気が気じゃなかったんだと思い知る。

メッセージを送っている間に、切った会陰部分を縫合してもらう。縫われていることに集中したくなくて、何かして気を紛らわさなければと思い、母親に電話で無事出産を終えたことを話していたら家族勢揃いだったようで、電話越しでも伝わってくる賑やかさに縫われながら笑ってしまった。冷静に考えるとシュールな絵だなと思う。

思っているより身体にきている

産後すぐは動けないので、ベッドの上で2時間ほどゴロゴロ。
バースプランに見たいと書いた胎盤を見せてもらい、(大きなボウルに入っていて、なかなかに立派で、臓物!という感じがした。)ほとんど眠っていなかったので少し目を閉じて瞑想をし、萎みきらないぶよぶよのお腹を触ったりして過ごした。「部屋を移動しましょう」と入ってきた助産師さんに手伝ってもらい、移動前にトイレへ向かう。自分で用を足せるのはすごいことらしく、褒められてまた調子に乗ったが、切ったところがしみるのか声が出るくらい痛かった。個人的に、このとき既に出産の痛みを超えた気がする。

計画入院時は空きの都合で大部屋だったが、希望していた個室が空いたとのことで、車椅子に乗って部屋まで移動。アドレナリンが出まくっていて(歩けそうかも!)と思ったが、1歩踏み出すと貧血でクラクラしたので有無を言わさず車椅子移動になった(笑) あとから知ったが、通常よりも出血量が少しだけ多かったらしい。部屋について一息つくと、どっと疲れが出たので着替えて歯を磨き、そのまま就寝。

円座クッション大事

レースカーテンしかしておらず陽の光で目を覚ます。助産師さんが朝夕と定期的に健康状態をチェックしてくださる。検温、血圧に加え、子宮の状態やおっぱいの状態チェック(母乳マッサージなど)まで入院中は非常にお世話になった。幸い子宮が元のサイズに戻ろうとする時の痛みは、私の場合ほとんどなかったが、どうにも会陰部分が痛い。普通に座れないので掛け布団をくるくる細長く巻いてからドーナツ型にしてその上で過ごしていた。円座クッションが家にあったのだが、退院後に活躍するだろうと思い、サイズも大きいので置いてきたのが失敗である。絶対に持っていった方が良い。もしくは借りられるなら借りたほうが良い。痛い部分が接触しないだけで随分と生きやすいものである。

産後のお股の状態を先生に診てもらい、問題ない判定でシャワーの許可がおりる。夏場の2日ぶりのシャワーは沁みる。予約制で30分/日 だが一人でささっと入る分には十分の長さだった。毎朝、忘れないうちに受付へ行ってシャワーの予約。時間を選べるので1日のスケジュールが立てやすくておすすめである。個人的には個室にはトイレがあれば十分だった。

こんにちは、赤ちゃん

午後、娘との面会が許される。NICUに入院している娘に会えるのは1日30分のみで、会える時間も決まっているので、その時間だけは何としても時間を空けて健康でいなければ!という思いが強かった。検温、消毒を済ませ、看護師さんについていくと、保育器に入っている娘が眠っていた。管をつけており、思っているより重症なのかもと心配したが、驚異的な回復を見せたようで、そのほとんどは1日で外れた。管を止めているテープにかわいい手描きのイラストを書いてくださっていて、ほっこりしたのを覚えている。保育器の横の穴から娘をさわったのだが、もちもちでもふわふわでもない何とも言い難い幸せな感触はきっと忘れない。(と思う)

基本的に母児同室の病院だったが、娘は産後5日間はNICUで過ごしていたので、1日だけ母児同室を経験した。起きているのか眠っているのか、眠っている間も静か過ぎるので生きているのか!?と何度も顔を近づけては「生きてる〜」というのを繰り返したが、たった1日で飽きるほど行ったので、産後ずっと一緒だとゆっくり休めないかもしれないと思った。親が回復していないと退院後はさらに休めないので、疲れたときは思い切って助産師の方に助けを求めるべきだと思う。それでバチが当たることはまず無いだろうし、少しでも気持ちの余裕があるほうが、お互い幸せに過ごせるはずだ。

想定より長く離れていたので、沐浴の練習も1回しかできなかったが、助産師さん、看護師さんが何かと気にかけてくださり、退院してもなんとかやっていけそうだと思うことができた。入院期間の延長も提案いただいたが、帰る気まんまんだったので、「何かあれば電話してね」という言葉を胸に荷造りをした。ちなみに、退院してから初めてのミルクは鼻から吹き出し、沐浴のお湯がどんどん冷めていく中、号泣する娘とともに号泣したのは良い思い出だ(笑)

入院中やって良かったこと

むくみ対策は必須。寝るときは足をあげ、着圧ソックスを装着して、暇をみてはマッサージ。これだけしても、産後2日目の私の足から足首は消え、むくみ過ぎた足では靴が履けなかった。ぷにっと押すとそのまま凹んだ状態になるので、記念に写真を撮影した。

適度な散歩。もちろん外に出ることはできないので、軽い運動も兼ねて部屋の中を足を高く上げて歩いたり、飲み物を買いに院内のコンビニへ足を伸ばしたりした。そのおかげかは分からないが、短距離の移動であればスタスタ歩いて移動することができたし、入院生活を過ごすのに大きな不便はなかった。

手洗い洗濯。洗濯機にかけるまでもないようなものを気分転換でゴシゴシしていた。院内のコインランドリーが意外と混んでいたこともあり、石鹸を持参していて良かった。面会がOKであれば、洗濯物を家族に預けることも可能だと思うので、ご時世柄もあると思う。

最後に

産後のバタバタも思わぬ一人の時間も現場のスタッフの方々に助けられて、大きな問題なく過ごすことができた。月並みではあるけれど、親だって赤ちゃんと一緒に経験を積むのだから、分からないことはどんどん尋ねてプロの助けを借りればいいと思う。便利な時代で、助産師さんのYoutubeなどもあるので、上手に活用するのもよいだろう(おかげで我が家では沐浴がスムーズになりました)。なんせ入院中は、ゆっくりできる数少ない時間なので、疲れたときには一人の時間を確保するのをオススメする。

娘はというと、保育器に入っていたとは思えぬほど、今では元気いっぱい伸び伸びそだっているので、だいたいのことは時間とともに解決していくのかもしれない。

おおらかにいこう!

「note」を書くための糖分に変わります。