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《大学入学共通テスト》本質を知れば仕事にも活かせる

大学入学共通テストの第一回目が、とうとう今週末実施されます。次男は、この記念すべき一期生になります。我が子の一つの目標であったのはもちろん、私が高校教科書営業として経歴を積むなかで、このテストは私にたくさんの学ぶ機会、仕事と向き合う機会を与えてくれました。今、日本のどこかで大切に保管されているであろうこのテストへの私なりの思いを綴ってみたいと思います。

共通テストの概要

昨日の投稿に、共通テストの概要をまとめました。


ベテラン顔の新人の苦悩

教科書や教材を発行する出版社にご縁があり、高校営業部での仕事に就いたのが3年前。ちょうど長男が高校を卒業し予備校生となり大学受験に再挑戦、次男は大学入学共通テスト一期生として高校生活を始めるタイミングでした。

挑戦にあまりハードルを感じない私は、受験生の親として知った知識を活かせると思っていました。「新学習指導要領」が発表され、とうとう共通テスト世代が入学した!学校が変わる時!というタイミング。教育熱心な方だと思っていたけれど、何もわかってなかった自分に衝撃でした。

最初の研修で、矢継ぎ早に出てくる初耳ワードにクラクラ、「これが最もふさわしい対策だとアピールしよう」と教えられても圧倒されるばかり…。すぐに教科書採択期に突入し、会社からの「最初は分からなくていいから、とにかく数多く先生に会う」の指示に従い行くものの、鋭い教員からは手厳しい反応も示されました。
ただでさえ忙しい教員、見た目が初々しい新入社員ならともかく、十分なベテラン顔のくせに自信なさげだったり、質問に「宿題にさせて下さい」のばかりの人を相手にしたくないのは当然ですよね。
打たれ強さと素直さだけは備わってるので、怒られる寸前でうまく切り抜け、「一人でも多く面談」の使命を可能な限りこなす日々。

「最初は配るだけでいいんだから」「読むだけでいいんだから」「(会社は新人に)期待してないって」…。先輩たちは私に優しく「頑張らなくていいよ」と言ってくれました。でも、分からない自分が不甲斐なかったし、お互いの貴重な時間を使うんだから「よかった」と思われたいし、会社は期待しなくても相手には期待される自分でいたい…

偶然は必然。私だから与えられた使命と思って猛勉強 

先輩の優しさに背き、私は分からないことを猛勉強しました。学べば学ぶほど知らない言葉の理解だけでは物足りなくなり、本質や学校教育全般など奥深い学びの沼にはまっていき、知りたいループに陥りました。
入試って?教育って?大学で学ぶのはなぜ? 
長男は2回目の大学入試、次男は共通テスト第一世代。偶然は必然、と常々思っている私は、縁あってこれを学ぶことに妙な高揚感も覚えました。

本質を知って物を売ると仕事は楽しくなる

理解してからは、教員との面談が楽しくなりました。うまくアプローチすると聞かなくとも悩みを打ち明けてくれることも増え、何を求められていて何が喜ばれるのかが分かるようになってきました。
「教えるのではなく聞くのが仕事。聞くだけでいいのよ」優しい先輩はよく言ってくれましたが、”聞くだけ”も知識なしでは聞けなかった。知識があるからこそ、心を開いて話してくれる先生に会えたと思っています。

困難を一緒に克服?

2019年の終わりごろ、「方針先送り」の発表がされました。テレビでは、対象学年(息子の学年)に取材し、同情を誘うような報道もされていたと思います。英語外部試験の登録システムの案内も配られていて、複数の外部試験に意欲的な子はどんどん挑戦していました。周りには憤りを感じている人や同情してくれる人もいましたが、これを無駄とは思わなかったし、我が息子も何一つ動揺しませんでした。
わが社では、「外部試験対策」「記述対策」の新商品を目玉に、教材戦に突入直後。用意されたパンフレットを持って訪れても、かなりの滑った感! でもこの空気感を逆手に取り、私の場合は「実はうちの子も」とトークに加え、「振り回されてかわいそうな仲間」の結束で教員との信頼関係を高めていきました。

本質を問う新テストに、仕事の本質を考えるきっかけをもらった

令和2年3月からの休校措置で、「とにかく一人でも多く面談」スタイルは難しくなりました。学校現場は、突然の対応に追われ、不必要な来校は避けて欲しいのです。その気持ちを察し、真摯に向き合ってくれていた先生方に手紙でコンタクトを取りました。休校明けが近づき、徐々に雰囲気が変わってきた頃、電話をかけてみると「来て欲しい」と言って頂きました。休校で閉鎖的な環境のなか、情報を欲しがっておられたのではないかと思います。
世のニーズは、共通テストや新課程の話以上に、ICT関連の話が最優先になっていきました。3年前は、全く不要と言い切った方も慌てていました。急に浮上した話ではなく、ギガスクール構想の計画などにより既に情報発信の準備はできていたので、どんどんお伝えし、今まで距離の遠かった方とも近づくことに成功しました。

「何が説明され、何が本題なのか、自分はどう感じ、それはなぜか?」

実社会で役に立つ力を身につけるために実施される共通テスト。私はこの中身を知ろうと学び、そこから深く掘り下げていったことで幅が広がり、問題解決能力を身につけられ、自信につながったような気でいます。

解いてみたらかなりの高得点♬、とはならないのは明らかですが、家庭でも仕事場でも、常に話題となりお世話になったこのテストが一体どんなものなのか、楽しみでなりません。

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