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熱く狂う、そして夢中で生きる【読書考察#5】

『ひたすら攻める』
テクノロジーの発展によって、今までのルールが通用しなければ、ゴール自体が動きまくって、先の読めない時代になっている。
そんな時代の過渡期を生きる私たちが、この世界に適応するには、どうするのか。
語るだけではなく、手を動かす、実行し、信じて走る続ける。
その突き進んでいくモチベーションによって生まれる、即時的行動と、自分の不動的な軸を元リスクを取れる人間が、強く生き抜いていくのです。

【タイトルと内容】

・タイトル
『死ぬ事以外かすり傷』 著者:箕輪厚介
・内容
最近話題の編集者である著者の箕輪厚介は、この出版不況の中、編集する本は全てベストセラーという偉業を成し遂げている。未だかつて、ここまで目立つ編集者はいなかった。
そんな彼は、最初から優秀なポジションであった訳ではなく、むしろ問題児扱いをされていた。新卒で入った双葉社で、会社で行ったマナー研修に対して、上司に意味がないと意見し、波風を立てまくっていた。
イベントには泥酔状態で参加し、ドタキャンもする。そんな社会不適合者と言われながらも、結果を出し続ける彼とは、一体何者なのか。
編集者という職業を通して、進化して行く彼の本質に触れてた本でほす。


【3つのポイント】

①無理はなぁ、通すためにあるんだよ

この言葉は著者が所属している幻冬舎・社長の見城徹氏に言われた言葉である。
これは彼が幻冬舎に移る前の双葉舎に所属している時に、同業界の違う企業の社長の本を、自身の処女作として出すという、異例の事をしていたのがキッカケである。
この見城氏とは、出版業界の革命児で、尾崎豊復活の立役者であり、業界の中でもかなり恐れられている存在である。
だからこそ制作は簡単には進まなかった。何とか本の完成に辿り着けたが、販売のための連携が遅れてしまった。その結果、みるみる怒り出した見城氏は、日程を前倒しする様に、そして流通ルートは幻冬舎のを使えと、無理難題を出された。
そこで両者の狭間に立たされた箕輪氏に対して、見城氏が、
「無理はなぁ、通すためにあるんだよ」
と一蹴した。そして何とか出版し12万部を売り上げるベストセラーになった。また見城氏に魅せられた箕輪氏は、幻冬舎に行く事を決めたのであった。

『予定調和からは何も生まれない』
ギリギリの綱渡りの状態で何とか走り続ける、そこから生まれるいつ刺されるか分からない危機感、そうして初めて鮮やかな結果が出る。

人間はどうしても同じ物事を繰り返すたびに慣れていく。議論して、計算して、予定立てて、こなしていく。ここから生まれる快感なんて無くなっていく。
その場や上司の考え方や関係性に流され、諦めた瞬間から、その人の意味はなくなり、組織の外の人と向き合えなくなる。
だからこそ、違うと思ったら違うと問題提起する。これに合ってる間違ってるはない。"意味のない"と思えば、しっかり「異議を唱えろ」という事である。
だがただ異議を唱えるだけではなく、必ず"自分の手で作り直す"義務がある。もらってこなす依存から独立するには、異議を唱えて自分で作り直す。これは鉄則である。

この異議を唱え、作り直す際に間違えてはいけないのは、仕事の場合、あくまでも戦う先は外である。社内で揉めて手間を増やしてもいけない。

つまり、作り直す必須条件は2つ。
お金は必ず稼ぐ事、それと自分のチームでの人間関係は大切にする。
責任を果たすとは、稼ぐ事だ。会社は利益を上げるのが重要だから、口先だけではいけない。そのためには、成功しか考えない。必死に手を動かすのみ。
その中でも協力してくれる人に対しては、自分が人一倍汗をかき、感謝する。トラブルの時は真っ先に解決しに行き、こいつだったら協力してやってもいいかと思わせる。自分自身はそんな一体感のムードを作るのが大切である。
これに加えて、さらに良い事は、"世の中の方向性を理解しておく"事である。稼ぐためにも重要である。

安定し、恵まれた環境は与えられるものではなく、"作るもの"である。
自分の方向と違うと思うなら作り直せ、それなりにやるな。
許可が取れなさそうなら、無断でやって、全力で辻褄を合わせる。そんな人に人は心を開く。人の顔色ばかりうかがう人に、心は開かれない。

考えて成功率を上げた後は、覚悟を決めてジャンプする。
さあ動物的な感覚に突き動かされながら、目の前を熱狂しながら進んで行こう。

②本能的に進み続ける

会社や上司の癒着を切り、自ら出る杭になった。
そうなると周りからよく思われない事も多々あるだろう。でもそれはに屈せず、自分の想いを実現するためにも、走り続ける、稼ぐ、数字を睨み続ける。ここの部分を具体的に話していこう。

まず覚悟が決まったら後は、自らの評判を上げ、名前を残す事を考える。
この世の中、自分と同じ実力の人はたくさんいる。
その中の一部のあなたに、相手は仕事を依頼したいと思える理由はない。
実力よりも評判、売り上げよりも伝説、いかに突出するか。そんな熱狂した存在に、大衆は魅せられ、仕事も依頼される。

そういう人は必ず自分は何者で、何が得意なのか理解し、自分を表せる結果や実力がある。それが、その人にとっての軸足となっている。

そんな結果や実力を残すための方法はとてもシンプルである。
それは目の前に出てきた事象に対して、やりたいではなく、何でも”やる"スタイルで対応する。
そして、それらを「圧倒的スピード感」と「圧倒的量」でこなしていく。フルマラソンをスタートから100m走の様に走ればいいのである。
もちろん潰れそうになる、それが狙いだ。
無理という制限がかかった時に思考して、無理矢理に越える方法を考える。そして越えた先にある、進化によってまた突き進む。
だから常識とか周囲にとらわれてる場合ではない。

仕事とはスポーツの様に、どんどんクリアしていくものである。もし"やる"を重ねても、出来なければ勝手に自然消滅する。仕事の自然消滅は一見無責の様に見える。
でも彼らにとって無責任とは、熱狂してないのに業務的に惰性で仕事をこなす事である。
だからこそ、変化し続ける。没入して一点突破し、評判を上げる。

その過程であった危機や失敗など、成功するまでの苦しさは、全て面白おかしくストーリーにしてしまおう。
この姿勢は、自分だけでなく、相手に対してもそうである。
全ては、目的や売り上げのために、自分の心を丸裸にして、相手の心に入っていくのが大事だ。
つまり、小手先の笑顔と媚びを使わず、ありのままでいる。そのために相手の心を分析して、自分に憑依させ、求めている事を理解する。

最終的に相手が喜ぶのは、結果である。
良い関係だけ作れたとしても、結果が出ない相手と関わりたいとは思わない。結局、自分自身が結果と向き合うならば、自分流で相手に突っ込むしかない。

結果に対して”責任”を持つ。
そのために、華やかで大きな風呂敷を広げ、自分が楽しむ。広げた風呂敷はちゃんと畳まないといけないが、最初は誰も畳みに来てくれない。そのためには恥をかいてでも、数字を作る、結果を出す泥臭さが必要である。

夢を見させてくれる”言葉”と”実行力”によって、人が集まり、実績を残せるシステムができ、何者かになる。

まるで3歳児の様に、動物的本能をむき出しにして、果敢に挑んでいく人に人は魅せられ、ついていきたいと思う。
自分の想いに向き合い、体現し、共感する人を巻き込む。出る杭からさらに突出し評判を上げまくれ。

③熱く、そして狂え

失敗したらどうするんですか、出来なかったらどうするんですか。
連日議論を重ねて、リスクを潰そうとしても、成功確率が100%になるなんてありえない。ましてや失敗する確率が大きいほど、リスクしか見ない。

リスクがあるなんてのは、当たり前で、あくまでも仮想的でしかない。やる前から失敗ばかり考えずに、成功だけ考えろ。熱量を元にリスクを選択する。
これはギャンブルではない。リスクの部分は自分の行動で、回避して成功まで導く。批評だけで終わる人は無視、やってる人にしか先は分からない。

そんな熱量は、"やる"の一言と、小さな成功体験を重ねる事によって、徐々に増えて、勢いがつき、狂っていく。
目の前の熱狂を追い、モノを作り、数字も追う。そしてある一人に向けて、熱狂するものを届ける。その熱狂はやがて人に伝わる。努力は夢中に勝てない。
もし自分が、見た事ない、作りたい新しい世界があるなら、予定調和から離脱し、自ら自分の大きな風呂敷に酔い、狂い続ける。
人生とは、熱狂の酔いから覚めてたら、脱落していくレースである。
周りからバカにされ、結果を出しても「運が良かった、環境が良かった」と、それまでの作り上げた背景を知らない人に言われたって関係ない。
自分のみがこの苦しさと、その苦しさから味わう快楽を独占すればいい、未知の世界に行けばいい、ただ狂って動く。

自分の意志に従い、人を大切にし、数字を積み上げ、予定調和を壊す。
そうすれば、今いる世界はイノベーティブで、ポジティブに変わっていくであろう。
ただまっすぐに、熱狂する。

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