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アメリカ駐在:ピックルボールで人生が変わった話 その4

すっかり気をよくした私はまた近所のピックルボールコートのオープンプレーに向かった。オープンプレーとは決められた時間と曜日に行けば一人でもプレーができるシステムで大体どこの州も同じシステムだ。
コートに着いたらコート横のパドルを置き場所に自分のパドルを置いて自分の順番を待つ。パドルは混んでいる時は4本ずつ置いてあり、勝ち負けに関わらず1ゲームが終わると全員が出ていき、次のグループが入る。2本ずつ置いてある場合は大抵勝ったペアが残り負けたペアが去る、そして新たなペアが勝ったペアに挑むシステムになっている。

レクリエーションとは言えレベルに差があるのと誰と組むかはパドルを置く時点ではわからないことが多い。ここで3人が上級者でプラス私の4人でゲームをする事になるとかなり地獄、、、な状況になる。人によってはあからさまにミスした私にため息や、文句を言ってくる。そのプレッシャーで動きは硬くなり更にミスが増えるまさに負のループ。上手い人の気持ちも分かる。せっかく何分も待っていたのに私が入ったことでろくにプレーもできず5分でゲームが終わる(負ける)と仕方がないけどムカつくのだろうなと。
ショックな事に、試合終了でパドルを再度置くときに私とはプレーしたくないので私がパドルを置いても誰も続けて置いてくれないなんてことも起こり、私の列だけポツンとパドルが一つ。。。なんていうこともよく起きた。

あれ?ピックルボールって親切な人たちの集まりじゃなかったっけ?でも周りを見るとみんな楽しそうに待ち時間も話している。あ、私が初心者だから??それとも明らかに外国人だから?と徐々に悲しい気持ちになり初日に親切に教えてくれたKendallにもなかなか会わないし私は次第にそこからは足が遠のき、初めにクラスを受けたShanaとDougの場所のオープンプレーに足繁く通うようになった。
ShanaとDougのところのオープンプレーも他と同様に上級者から初心者までいるのだが上級者は初心者に優しく、失敗しても大丈夫、大丈夫、リラックスして!と励ましてくれたり試合後にTips、こうしたらもっと良くなるよとアドバイスをくれたりとめちゃくちゃ親切。待ち時間もどこから来たの?とか話しかけてくれるのでなんだか仲間に入れて貰えたような気持ちになり拙い英語で会話をし、時間があれば毎日通ってプレーをしていた。

ある日、Shanaから「試合に出てみない?」と誘いを受けた。好奇心だけは人一倍あるので一緒にプレーをするペアがいない人でも出られるトーナメントにエントリーをした。2.5と言う一番下の初心者レベルでNon-sanctionedの小さな大会だったがそこで私は生まれて初めて金メダルをもらった。思えばここがピックルボール人生のスタートだったと思う。初めてもらった金メダルは首にかけると少し重かったがなかなか外したくなかったことを覚えている。

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