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アメリカ駐在:ピックルボールで人生が変わった話 その7

日に日に読んでくださる方が増えてきて嬉しいです。ピックルボールが日本の番組でも取り上げられた様で日本でも人気になりそうな予感がします!

Mixed doublesのパートナー、Kendallの2023年の目標はNationalに出ること。
NationalとはNational Championship, いわゆる全米大会(日本で言う全国大会)の事で毎年11月に開催される一番大きな大会だ。

主にピックルボールでプロが出る大会はPPAとAPPと言う団体(ボクシングで言うWBCとWBAみたいな)が開催している大会があり、そこの大会はアマチュアも出ることができる。その中でもGolden Ticket Tournamentと言う大会で優勝した者だけがNational Championship に出場できる権利、通称Golden ticketが貰える大会がある。ただの通常のPPAやAPPの試合で優勝しても行けるわけではないので、かなり狭き門となっている大会だ。

PPAやAPPは色々な州で毎月の様に開催されおり、Goldern ticketsがかかった大会でなくとも、当然大会のレベルはローカルの大会と比べるとかなり高い。

PPAとAPPの違いさえもわかっていない私には遥かに遠い夢物語の様で正直言っている意味もわかっていなかった。「何言ってるんだろ、冗談で言っているなって思っているでしょ?僕は本気だよ」とKendallに言われたが、やっぱり『はぁ、そうなんだぁ、行けたら良いねー(でも絶対無理)。』位にしか思えなかった。

手始めにKendallは2ヶ月後の3月にあるローカルの試合にターゲットを決めた。確か3.5のLevelだったと思う。
先にWomen'sの試合があり本格的ないわゆるSanctioned tournament (公式な試合)に初出場だったDanaと私は3.0のLevelで出場した気がする。

銅メダルをかけた試合で相手ペアが同クラブの古参だったので試合前から彼女が負けモードだったのを覚えている。気持ちがゲームを左右する競技(なんでもそうかも?)なのでこの人たちはクラブでも自分たちより上手いから負けても仕方がないと思ってしまうと本当に負ける。
『負けて元々だけど挑んでみるか!』位の心構えでプレッシャーが無くなり気楽に勝ちに行く人もいるが、経験上、殆どが負けるパターンだ。やはり勝負事は勝ち気が必要なのかも知れない。そしてその勝ち気は揺るぎない自信から来る場合が多いと思う。

結局、タイブレイクまで持っていけたものの気持ちで一歩届かず、メダルを逃してしまった。負けて当たり前、良い勝負ができればラッキーという気持ちだったパートナーは先輩たちと良い勝負が出来て楽しかったと言っていたが私は『勝てる試合だったのにな、でもパートナーが楽しんでいたから良いのかな、ゲームに対する方向性が違ってきているのがはっきりしちゃったな、これが彼女と出るのは最後になるな』と無念さや悔しさ、色々な思いが溢れ、複雑な気持ちを味わったトーナメントだった。きっとこれはパートナーがいる競技者あるあるなのではないかなと思う。

翌日のMixed doublesに気持ちを切り替えて、この初戦で華々しく勝ってデビューし、良いスタートを切って今シーズンを乗り切るぞ!!と気合いを入れて臨んだにも関わらず、結果は惨敗だった。


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