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読書メモNo.82『正欲/朝井リョウ』

先日、流浪の月を読んですぐだったので、同じように、自分の性に悩む人たちの話を何となくですが、理解したいなと思える作品でした。
朝井さんの本は、他に2冊読んだことありましたが一番好きかなぁ。

冒頭は、児童ポルノで捕まった容疑者の報道紙面で始まります。

そこから、各容疑者と検事の日常が遡って叙述されています。

初めの文面で、歪んだ性癖とか、偏見ですが犯罪者特有の自己中な理屈かと思っていましたが、、、実際は犯人全員が児童目当てではなく結果的にそうなっただけでした。

迷惑をかけないため、周囲に自分の欲を気付かれないため振る舞っていた大学生の犯人には、正直同情してしまいました。

何が正解かを誰が決めるのか。は誰でも悩んだことがありそうですが、本書に出てくる人たちは自分の性癖が周りから見ると特異と分かっているため、悩んだり苦しんだり、隠し通しながら日常を過ごしています。その背景や葛藤が描かれています。
登場人物の性癖は、私からみると他人に直接危害を加えるのものではないので、それを隠さなければいけない事に同情してしまいましたが、害があるかどうかは人それぞれだったり、キッズユーチューバーを結果として利用した面があるので、それが善か悪かと言われると難しく感じます。


「水」に性的な興奮を覚える登場人物たち。
彼らは、キッズユーチューバーにリクエストして、様々な「水」動画を投稿してもらっていました。彼らは子供に興味があるわけではなく、子供なら大人と違い、面白いか分からないリクエストでも答えてくれるからでした。
しかし、中にはそんなキッズユーチューバーを利用する人たちもいることも事実。
子供たちが将来的に利用するためフォローされリクエストされていたと知った場合を懸念する人たちもいました。私もこれは考えさせられました。直接に害がないから登場人物に同情していましたが、確かに将来子供たちが知った場合を考えると、害は害かなと。。。

児童の動画が世間的に規制されたことで、キッズユーチューバーにリクエストが出来なくなった登場人物たちは、自分たちの満足のいく動画を自分で撮影しようと試み、その動画にたまたま子供が映ったこと。登場人物の中には、実際青少年に害をもたらした人物がいたことから、全員が児童ポルノ違反で逮捕されました。

中には、本当に水だけの動画で良かった登場人物もいて、
これまた、流浪の月の引用になってしまいますが「事実と真実」を考えさせられます。
「事実と真実」以前調べてみました。
事実実際に起きたその事柄自体を指すことなので1つしか存在せず、
真実はその人の感情も含めた意見なので複数存在する。
本書でいくと、事実は児童ポルノ違反で捕まったことが事実
なかには、そもそも児童には興味がなかった人がいたが真実

まぁ疑わしい事をするなと言われればそうですが、目に見えた物が本当に確かなのか。
耳で聞いた報道が、事実なのか。マスコミに偏向された内容ではないのか。
折角考える頭があるのならば、一考する事が大事だなと改めて考えさせられました。

おすすめ度:★★★★☆
コスパ  :★★★☆☆

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