見出し画像

日本美適進化論:産業構造によるジェンダーの偏り

1963年第二次フェミニズムの先駆けに、誰もがうらやむアメリカ郊外に住む裕福な主婦たちが「得体のしれない悩み」に蝕まれており、彼女たちが高等教育を受けているにも関わらず、能力を活かす機会が与えられなかったことなどが人種差別や学生運動に触発されて、新しい女性運動を生み出しました。「新しい女性の創造」ベティ・フリーダンの書籍が大ベストセラーになったその内容は、政治・経済・社会・文化の総体を批判したもののようです。

画像2

欧米では家計を握って離さない夫との上下関係で苦労する女性と比較すると、日本では家計を握るのは妻という立ち位置が確保されるなど、ある程度自由度が高い女性が多いことも分かります。国の政策も1900年代当初、資本主義経済が発達し、工業化と都市化による市民生活や経済活動が活発になってくると「核家族化」が進み、昭和時代の大家族で専業主婦を持つ家族は、役割分担をして家事労働や育児教育をチームで担って一人ひとりの負担を軽減しながら温かい愛情が育まれる環境で生活が成り立っていました。しかし核家族化がどんどん進むことで、1つの家庭を維持するタスクが夫婦に背負わされます。サラリーマン家庭ならそれはそれで自由で楽しい独立した家族が、終身雇用に守られながら成立していたと思いますが、長引く不景気と労働力不足で、家事育児労働が女性に担わされたまま社会で労働力としても期待がかけられています。

画像1

私などの、育った家庭環境からやむなく仕事にやりがいを感じながら、それでも才能や能力を活かしたいと生きてきた女性にとって、家事労働との両立は課題でした。お財布は別々でも仕事と家庭の両立問題は、仕事を持つほとんどの女性が経験していますね。それは日本の産業構造による政策も原因の一つだったと知ることで、自分の能力が不足していたのではなかったのだと、少し軽い気持ちになりました。そしていよいよ働き方改革に本腰をいれるこのタイミングは、男性にとっても女性にとっても新しい関係性を築くチャンスです。いままで男性は外で強く、女性は家庭で強いという図式が、これからは逆転現象に転じるのでしょうか。最近、弊社にいただく問合せ内容も逆転現象が起きています。男性へのアピアランスを含むブランドスタイリング、女性へのビジネススキルという内容で、ジェンダーの偏りが徐々に是正されることで、より自分が恋愛や結婚などを含めた人生の選択と自由な視点で向き合えますね。専業主婦を選択するのか、五分五分で行くのか、自分が家計を主導するのか。その割合にはグラデ―ションがいくらでもあります。お互いに快適な生活の比率を話し合うコミュニケーションも、世間の常識などではなく、自分らしく生きるために真剣に向き合うべきです。それでもトラブルがないのは、精神的にも経済的にもお互いが自立しているカップルだそうですよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?