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クオモ NY州知事の記者会見

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あなたの住む街を代表する政治家は、あたなにとって身近な存在だろうか?そのようには感じづらい気がしないか?悲しいかな。少なくとも、ついこの前までは、ワタシもそのように思っていた。

ロックダウンが始まってからというもの、クオモNY州知事は、毎日、1日と欠かすことなく記者会見を行なっている。必ず、直近のデータと推移から始まって、州の立ち位置と市民への指示と理解を仰ぎ、知事の意見、そして質疑応答というフォーマットを基本にしていて、分かりやすいったらありゃしない。わからないことはハッキリとわからないと言うし、わからないだけではなく、今日現在わかるところまではキッチリ説明する。こんなにしっかりした政治家の記者会見は見たことがない。全米だけでなく、世界各国が注目するのも納得できる。

アンドリュー・クオモ氏(以下、クオモ)の今までの政治家としての支持率は、決して高くはなかったように思う。どちらかと言うと、物腰もきつめというか、誤解を生みやすい口ぶりというか、、、、イメージ的には、映画のゴッドファーザーにでも出てきそうな、イタリアン・モブっぽい?ぶっきらぼうな感じ?実際、民主党員の彼の出す政策に、賛成していない民主党員や支持者だって少なくないぐらいだった。けれど、ロックダウンを期に評価が一気に変わり、3月末にはクオモの支持率は民主、共和の両支持者層を合わせた75%にまで上がったという。おそらく、過去にこんな数字が出たことは、ここ何十年と無かったに違いないし、それより何より、二大政党間の歪みばかり目がいってしまう今日のアメリカ政治の真逆というか、党派を超えたところでコンセンサスを得ることだって本当は不可能ではないんじゃないかと思わせてくれるような、小さな希望にすら映る。

ちなみに、今日(5/4)の記者会見では、かなり具体的なopening state(経済活動再開)の流れをどう作っていくか、その基盤となる実感染率(再生産数 R0の値、Actual Rate of Transmission、Rt.)の捉え方と、4段階で経済活動を再開してく旨を説明していた。日本政府はこういう風にきちんとプランできるのか、ふと心配になったのはいうまでもない。(笑)

ただ、これだけしっかりとリーダーシップをとって、事実を伝えていても、州都のアルバニーにある州政府ビルの周りではアンチ・ロックダウンのデモが繰り広げられているわけだから、人をまとめるっていうのは本当に難しい!ちなみに、実感染率がR1.0だった場合、音楽などを含む、エンターテイメント、レクリエーション施設、そして教育は、一番最後のフェーズであるPhase 4に当てはまるため、当分は今の状態が続きそうだ。

さて、明日もクオモの記者会見を見ないと。ニューヨークっていうでっかい船の大切な指針だから!

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