新型コロナウィルスとの共生•共存を考える

歴史は繰り返さないけれど、歴史は因果の繰り返し。歴史から学ぶのであれば、最終的には新型コロナウィルスとの共生・共存を目指すべき。

「感染症は文明の揺りかご」と言う長崎大熱帯医学研究所山本太郎教授のインタビュー。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASN3B52ZMN3BUCVL00G.html


考えさせられます。

感染症が社会の構造を変えた歴史がある。
例えば14世紀、欧州でのペスト流行は封建社会から近代市民社会へと移行させ、歴史の流れを加速させた。ペストで働き手が急減して、賃金が上昇し、農奴制が崩壊した。ある意味での格差が解消された新しい社会構造の始まりである。

コロナウィルスに関しては、まず「感染が拡がっている」という情報が政治経済に大きな影響を与えている。コロナ終息後には今までとは違った社会構造の変化が生まれるのだろう。特に働き方、生活のあり方、家族のあり方などは影響を大きく受けるのではないだろうか。後に、今までの生活が当たり前ではなかったことに気づくのだろう。

以下の事実を見ると、感染症と人間の文明の進化というのは切っても切れない関係なのだということが分かります。

・農耕が始まり、人口が増え、感染症が社会に定着した。
・貯蔵した穀物を食べるネズミはペスト持ち込み、ハシカは犬、天然痘は牛、インフルエンザはアヒルが人間社会に適応したもの。
・16世紀、インカ文明はスペイン人が持ち込んだユーラシア大陸の感染症によって滅ぼされた。
・人間は天然痘を撲滅した一方で人間の天然痘への免疫も失われた。
・人口急増と交通網発展は感染症拡大の最大の要因。
・グローバル化が進む現代は感染力の強い病原体には格好の土壌を提供する。

WHO事務局長の発した言葉が胸にささります。

「But the world will not, and can not go back this way things were. There must be a “new normal”.」

「世界は元に戻ることはないし、戻ることはできない。新しい日常になる。」


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