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アスリートのセカンドキャリアについて

こんにちは。昨日インタビューで少しセカンドキャリアに関して話す機会があったので、ここにも書き出そうと思います。あくまでも私個人の意見です。結構長いですが最後までお付き合い下さいw

今サッカーの指導者をしていますが、選手を引退した当時は指導者を自分自身がやるなんて1ミリも思っていませんでした(笑)やりたいと思わなかったし、向いているとも思わなかった。

はっきり言って、そう簡単に「セカンドキャリア」って見つからないよね。現役選手引退後やりたいことを見つけ、セカンドキャリアとして成功している人はいるけど実際私の周りをみても本当にごくわずか。10人に1人とか。みんな悩んでいるし、そう簡単にやりたいことってわからないし見つからない。ともかく私はそうでした。2015年の1月1日の皇后杯決勝を境に日本で現役選手を辞めたので、今から約5年半前。その後まず何をやれば良いのか?何が自分にできるのか?何もできないじゃん?だけど何から始めれば良いのか?わからずでした。そんな中ずっとやり遂げたかったことを考えたところ、アメリカのフロリダ州立大学(Florida State University) に戻り『大学卒業』でした。(私は大学3年時にプロへ転換し、大学を卒業していませんでした)なぜそう思ったかというと大学卒業することによって「将来の選択肢や可能性が広がる」という事、大学に戻りまた勉強し直し様々な事を学び「人として成長したい」、大学女子チームに「還元したい」という理由でした。その先には「セカンドキャリア」の発見という希望も持って、アメリカのフロリダ州立大学へ渡米しました。今回は学生アスリートとしてではなく、大学生として約10年ぶりに戻ってきて、日々授業と女子サッカーチームのお手伝いをしながら1年半があっという間に過ぎて行き、無事卒業。ですが「セカンドキャリア」はまだ尚見つかってない状態でした。そんな中、今度は自身がまず「興味」「好奇心」「憧れ」を抱いていることに問い質し、「スポーツビジネス」という響きの格好良さと興味、「ビジネスウーマン」という憧れ、又「サッカー選手引退後は指導者」という世間のイメージがあったので私は違う道を挑戦したいという曲がった性格から、周囲の協力を得てニューヨークにあるスポーツエージェント会社でインターンをする機会を貰いました。初めての社会人経験。ビジネスの知識もないし、ノウハウもわからずの日々。毎日Googleが友達でメールを1通送るのに2時間かかったり(笑)でも少しずつ業務もこなせるようになって行き7ヶ月間インターナショナルリエゾンとして働かせて頂きました。右も左もわからない私に様々な機会などを与えて頂き、その社長には沢山のことを学ばせて感謝しています。サッカーやスポーツ現場の裏側をみることができたし、裏方の人たちの労力やプロスポーツチームの経営の仕組みや運営の仕方、スポンサーの関わりなど触りですがみることができました。ただ、自分自身これがやりたい、今後セカンドキャリアとしてやっていきたいとは思えなかったのです。またそこから次どーしよう?状態に戻り、まず「アメリカに残りたい」という思い。個人的に異文化好きなのもそうだが、アメリカの多様文化から色んなバックグランドの人達に出会い、新しい価値観や信念、考え方や生き様に触れることが楽しく、自分自身を成長させてくれる。それと私の昔からの「好奇心」と「冒険心」でまだ見たことない世界を見てみたい、体験してみたいという思いがありアメリカに残れる手段を探してていたところ、サッカーコーチとしてアメリカに残れるという機会が到来。すぐ決心し、ミシガン州にある米ユースクラブでサッカーコーチとしてのキャリアがスタートしました。

リアルの話になってしまいますが、コーチ新米、ユースクラブでの指導者は生計を立てて行くのもチャレンジ。アメリカで外国人として生活することはビザなど障害もついてくるので色々な壁が立ちはだかる。コーチングとバイトの毎日で、ある意味障害のおかげであまり考える余裕などもなく日々が過ぎ去って行く。そんな中でも時折心の底からこれが「やりがい」「セカンドキャリア」だと確信できなかったが自分が居たのが実際の心境でした。同時にコーチとして始動した当時は「恥」「屈辱」の連続。サッカーは選手として今までやってきたのでサッカーの理解や経験はある程度あるけどコーチとしての知識と経験はゼロ。コーチングの仕方が全くわからない。最初の数ヶ月はほぼ無言状態。伝える言葉が浮かばない。発言しても「ナイスジョブ!」とかパフォーマンスの結果の称賛のみ。試合の見方もわからないし。練習の組み方もわからないし。だが選手としての実績はあったので経歴上は芽生えがよく、周りの期待も変に感じるし。でも応えられず、選手の成長に貢献している感ゼロ。時間だけがあっという間に過ぎつつ毎日やりきれない日々だった。

この悔しさと屈辱を克服するために、まずコーチング講習を受けることにして、自身のプロ・代表経験と実績から講習をスキップ(飛び級)できたが、私自身コーチとしては初心者。まずしっかり基礎を学ばなければいけないと感じたし、言葉の壁もある為1番下のコーチング講習から受けることにした。US Soccer(アメリカサッカー) 協会のGrassroot(グラスルート)から始めて、US Soccer Dライセンス、現在US Soccer 協会のCライセンス(日本ではBに相当する)を取得したところまできたところ。ライセンスを取得したからってコーチングができる訳ではないが、育成年代を指導している私にとってライセンスは特に親の信用度も獲得できる。レジメの芽生えも良い。講習を通して指導者としてのサッカーの知識や見方を学び、又たくさんの素晴らしいコーチ仲間にも出会った。自身のターニングポイントになったのもCライセンスを受講しに行った時だった。目の前でインストラクターの魔法のコーチングをみて、衝撃的だった。指導の力にインスピレーションを受け、醍醐味を知り、又他のコーチ陣の情熱にも心が動かされた。その講習実践テストで大失敗もしてやらかした。コーチ始めて1年半経っていた。その時を境に自身のコーチングに対する姿勢、考え方、思いが変わっていった。自分自身の力量不足に対する悔しさ、逆境の中から日々向き合いやり続けていくことである時何かのきっかけで「やりたいこと」「発見」が見つかることもある。指導者始めて3年目の今はコーチングが楽しくやりがいを持ってやっている。ここまで来るまで道のり長かった〜w でも無駄な事なんで一つもなかったって心から今思う。

現役選手の時はとにかく自身のパフォーマンス向上の為に尽くす毎日で、他のことにも全く興味を抱かなかった。もっと視野を広げていればよかったと思うが当時は選手であることに必死で余裕がなかったし。やりたいことなんてすぐ見つからないのが当然。選択肢が1つならば迷うこともないが、今の世の中色んな選択肢と可能性がある。私は様々な経験を経てようやく最近やっと「セカンドキャリア」のスタート時点に立てたと思う。

セカンドキャリアで悩んでいる人たちに私から言えることは、もしまだ現役選手ならばネットワークを広げておく。色んなジャンルの人達の話を聞いたり接することによって、自分の「興味」「好奇心」を探しとく。チャンスがあれば興味がある現場に実際足を運んでみる。蓄えはある程度しておく。選択肢の幅が広がるから。全体的に言うならば、まず行動してやってみる。「やりたいことが見つからない」と悩んでも解決しないだけでただ時間がすぎるだけ。そこで失敗も挫折も不安もあるけどサッカーと同じで、試合でどんなに負けようが次の試合があるので切り替えなきゃいけない。負けやミスと向き合い次に繋げればOK!「顔を上げて前へ進み続ける」こと。アスリートとして養ってきたメンタルがあれば大丈夫!その「忍耐力」と「成長マインド」さえあれば必ずやりがいを持ってやれることに出会う。ただ人によって出会うタイミングが早かったり遅かったりするだけで。見つからない期間は行動しつつ「今はやりたいこと探し中」というマインドでいればOK! 人生は山あり谷あり。ちなみに私の山と谷はめちゃでかいよ(笑)たくさんミスや痛い目あってきたけどその分逆境には跳ね返せる力はめちゃつきましたた!笑 人生Ups & Downsの方が楽しくない?!#人生一度限り#Life is short


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