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言葉を慎重に、丁寧に、大切に紡ぐ理由[41/100]

言葉1つで見える世界が変わる。

認識や、概念が変わるから、経験の捉え方が変わる。過去も変わる。何なら、未来すらも。
だから人は良い世界が見える言葉を求めて、講演会に参加し、名言集を読むのかもしれない。

先日、写真家の幡野広志さんのお話を聞く機会があった。彼の言葉は、私のそれまでの価値観を変えてくれて、これまでの記憶も浄化してくれるものがザクザクあった。その中でも、下記の2つの言葉は、私の見る景色を大きく変えてくれた。

「100点満点って、良くないよね。上限があるから、減点方式で考えるようになる。80点でも、20点も取れてないって思っちゃう」

「損得勘定って、良くないみたいに言われるけど、ちゃんと自分も相手も得するか、考えた方がいい。損得勘定をダメな考えだという人は、相手の得を許せない人なんじゃないかな」

まんま、幡野さんの言葉ではないけれど、意図としてはこのような言葉だったと思う。今まで、あまり考えないで「100点が一番いい」「損得勘定なんて考えずに、自分のパッションを信じよう」なんて思っていたことに、愕然とした。

100点という天井を外したら、取れた点が愛しく思えた。
これまでも、「〇〇点でだめ」と言ったことはなかったが、本心から「〇〇点も取れたなんて、すごいね! 頑張ったね!」と言えた。

自分が我慢してでも、というやせ我慢をやめてみたら、優しい気持ちになれた。「この人は頑張っているから、私も細かいこと言わないで、一緒に頑張らなきゃ」と思っていたけれど、「自分の中で優先順位がどうしても下がってしまうときは断ろう」と、仕事を断った。そうすると、次に声掛けをしてもらったときに「本当にありがとう、精一杯がんばります」と気合が入った。

言葉は、考え方、見え方を伝えるためにある。だから、慎重に、丁寧に、大切に使って、伝えなければならないと思った。

一方、たった数十秒の言葉で、簡単に過去が変えられることは、希望でもあると気づく。解釈が変われば、過去は変わる。ならば、私のオセロがパタパタとひっくり返って黒くなったように、その逆もあるということだ。

その言葉は、友人の一言かもしれないし、私たちが書く書籍の一行かもしれない。

過去を変える暴力。変えられる希望。【さとゆみの今日もコレカラ/110】


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