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東京アラート発令下で声楽教室発表会に出演したけど、元気です。

「今日の状況は2週間前の行動の結果です。」

一度は聞いた事あるのではないでしょうか?
新型コロナウイルスは感染から発症まで、いわゆる潜伏期間が2週間のため、発症が判った2週間前に感染しているよね、という事です。

2020年6月6日
東京アラート発令中で、自粛解除への移行段階で言えばステップ2にあったこの日。
私はある声楽教室の発表会に伴奏者として出演しました。会場は東京都23区内の公共施設です。(施設名はイベント主催者の許可を得ていないので、非公開とします。)
この記事を執筆している2020年6月23日の時点では、全国の移動制限も含め自粛が解除されていっています。こうした音楽イベントに関する制限も解除されていくと思いますが、実際どうだったのか?知りたい人がいるかもしれない。また、今後第二波、第三波が訪れた時に少しでも参考になるかもしれない。そう思い、少し遅れている話題かもしれませんが、公開してみます。


感染していません。

まずタイトル通り、私は元気です。
今朝の検温結果は写真の通り36.0℃ (今朝の写真と証明できるように朝ドラバックに撮ってみました。朝、と言えば朝ドラですよね?ね?)

低っ!
そして味覚、嗅覚異常無し。
喉の痛み無し、咳無し。
潜伏期間も過ぎたので感染しなかった、と言えるのではないでしょうか。

事前準備

・譜面の授受方法
通常は伴奏者製本されたコピー譜を(伴奏者に譜面を渡す時はきちんと製本しましょう!別の話題なので省略しますが、製本されていないと悲しいです…。)渡されますが、今回は演奏曲が確定したのはステイホーム期間でした。コピー譜貰うために会えない、、、郵送するのも手間もコストもかかる。という事で全てPDFで授受しました。

手順は、
1. Scannableというアプリで楽譜をPDF化。
2. PDF化した楽譜をLINEかメールで送ってもらう。
3. iPadのPiascoreという楽譜アプリに取り込む。

歌い手、伴奏者双方にとって手間もコストも最小限でした。最大のメリットは製本不要、という事では?以降の楽譜授受は環境さえ整っていれば私はこの方法でお願いしたい、とも思っています。

・伴奏合わせは当日本番直前の1回のみ
集まって歌える場所がありませんでした。緊急事態宣言が解除されたのも本番のわずか10日程前。時間も場所もありませんでした。また、無理やり時間と場所を見つけた所で、三蜜を防ぐ事は難しい事も予想されたため、感染症拡大防止の観点から事前の伴奏合わせは無しとなりました。
今回は伴奏法を師事している門下の発表会だったため、師匠を通じて各生徒さんのテンポや歌い回しは伝え聞いてはいたものの、一度も合わせず、また歌も聞かない状態で本番に臨む事はやはり不安ではありました。

・会社への報告
私は会社員としてフルタイムで働いています。伴奏ピアニストは副業としての活動です。緊急事態宣言は解除されたとは言え、東京アラート発令中であり、都内の感染者はゼロにならない状況です。その状況で感染リスクが高いのでは?と考えられている場所へ自ら赴く訳です。私自身が感染する危険ももちろんあります。それに加えて自分が感染しなくとも、感染者が出て濃厚接触者となる可能性もあります。私が濃厚接触者となれば、会社で共に働く人たちは濃厚接触者の濃厚接触者…となる訳です。多大なる迷惑をかける可能性があった事と、体調の変化で欠勤しやすいように、会社には「声楽教室の発表会で伴奏をする」と事前に報告しました。
元々私が伴奏活動を行っている事には理解がある会社だったので言いやすかった、というのもあります。

当日の感染症拡大防止対策

都の公共施設を利用したため、施設からも利用にあたっての注意事項が何点も提示されました。

●利用人数は50名まで
●出演者さまとお客さまの、名簿(お名前と電話番号)の提出(何もない限り、名簿は一ヶ月以内に、ホールが破棄する)
●人同士の距離を2メートル(最低1メートル)あける
●出演者(歌う人含む)とお客様のマスクの着用
●30分毎の換気

歌う人のマスク着用には正直驚きましたが、社会情勢を鑑みれば仕方ない事ではありますね。

私は気合入れてこんなにかわいいステージマスク着用でした。

母が作って送ってくれたんですが、かわいいですよね。でも、まあ、アラフォーのおばさんが会社には着けて行けないとは思うので、満を侍してのご登場でした。

なお、集客はほとんど行わなかったため、出演された生徒さんのご家族、ご友人が何人かいらしてくれたのみでした。座席配置は1列目は空席。2列目以降に1列置き、また1席は少なくとも空けて座る事をお願いしました。ソーシャルディスタンス、という概念が広まっているせいか、きちんと距離を取っていただいていました。

施設からの注意事項は遵守した上で、追加で行った対策もあります。

主催者の対策

・ステージ上の空気清浄機設置
あまりにもシュールなので思わず写真を撮ってしまいました。最強フルパワーにすると"ゴォーッ"という音が結構うるさかったので、演奏中は中くらいのパワーで、換気中はフルパワーで稼働させました。

・楽屋の使用禁止
楽屋は密になりますし、本番前には尋常でない緊張感から、本番後には開放感からたくさんお喋りしてしまうのは、楽屋あるあるです。そうなると余計にリスクが高まるため、今回は楽屋の使用は禁止となっていました。舞台裏が使えないので、舞台に出る時も客席から登壇する形式でした。
楽屋が使えなかったため、私は自宅から衣装代わりの黒ワンピを着て行ってしまいました。(伴奏者は黒ワンピを持っていると何かと便利です。)

(トイレで撮った風情の無い写真ですが、当日の衣装が伝われば…!)

私個人の対策

・ウェットティッシュ、アルコール消毒の持参
ピアノの上に置いておきました。写真には写っていませんが、マイゴミ袋も持ち込み、使用済みウェットティッシュを入れられるようにスタンバイさせておきました。


・ハーフアップにする
顔に髪がかからないようにしました。髪がかかると顔を触りたくなりますよね?『顔、絶対触らない作戦』のために髪をまとめました。


発表会を終えて

良かったです。これは色んな意味を含む良かったなのですが。

正直、前日まではひとかけらの怖さがありました。怖さがあったので、こんなポエムのような記事を書いてしまう程。

本当にピアノを弾きたい気持ちもありつつ、ほんの少しの怖さもあったので、こういう記事を書いてテンション上げたんですよね。

自分も含めて感染者が誰も出なかった。これがまず良かったです。ホッとしています。

当日の会場の雰囲気もこれが本当に良かったのです。人数こそ少なかったものの、出演者の皆さんは発表会を待ち望んでいた方々ばかり。また出演者の皆さんを応援に駆け付けて下さったお客様も、この会を楽しみにして下さっていた事が伝わって来ていて。当日会場にいた全員が幸せな時間を共有していました。

そして、音楽がまたできて、ピアノが弾けて、伴奏ができて、本当に良かったです。ホールにグランドピアノの音が響いて、歌い手さんと一緒に音楽を作っていく。その空気も含めて全てが「あぁ、私が大好きなものだ」と実感できました。

まだまだ日常に音楽が全部は戻って来ていない状況です。それでも生きてはいけるけど、やっぱり寂しい。少なくとも私は。音楽が日常に戻る事を祈りつつ、制限された状況下でも音楽を楽しめた事をお伝えしてこの記事を終わります。


やっぱり音楽が好きだーーー!

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