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在りし日の思い出を綴り、未来へ。

「大切なひとを亡くした悲しみが薄れていくとともに、思い出は淡く優しい色合いになっていくけれども。
 ふとした瞬間に色鮮やかによみがえる、そんな一瞬を心に大切にしまいながら生きていくのかな、ひとって」

2013年10月、大好きな祖母を看取ったあとにわたしが綴った文章です。

9年近く経つ今、やはり同じことを思います。
在りし日のことは記憶の中にくっきりと刻み込まれているのだけれど。
過ぎゆく月日が、少しずつ少しずつ想いや思い出にベールをかけていって。
輪郭がにじんできて、色合いはパステルカラーになっていく・・・
そんな風に感じるのです。

だけど、思い出したいときだってある。
カラーで、立体で、思い出が目の前に立ち上るかのように感じたいときがある。

そんなときに、文字で何かが書きのこされていたらいいな、と思うのです。
故人のために、遺されたひとたちのために。
そして、未来を生きるひとたちのために。
生きてきたひとの足跡を〝文章を読んで〟辿ることが、これからを生きるひとの支えとなるに違いないと思うから。

わたしが亡き父のために誂えたリーフレットがきっかけとなり誕生したmemoremo

父の四十九日のお返しに間に合うようにつくったリーフレット。

祖母が亡くなったときに、思いついていればよかった。
祖母にも、祖父にだって、つくりたかったな。
いや、今からでも遅くない。
綴って、リーフレットとしてのこして、祖母が亡くなったあとに生まれた姪が大きくなったときに「あなたの大ばぁばは、こんなひとだったんだよ」と教えてあげたい。
姪が何かに迷ったとき、悩んだとき、強く美しく生きた祖母の姿を知ると励みになるかもしれない。
祖父のことも、姪は小さすぎてよく覚えていないだろうから、威厳に満ちた、でも、孫やひ孫にはとてもとてもやさしいひとだったんだよ、って。
祖父のmemoremoを見ながら語ってあげよう。

……memoremoを世に広く!と願う根底には、こんな個人的な思いがあったりします。
memoremoはただただ偲ぶだけのツールではない、遺されたひとが前を向いて歩み、次代へと想いのバトンを渡す一助となる。
そんな風に考えているのです。

#未来のためにできること

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