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人のことを「羨ましい」と思う病に長年悩まされている

長年、悩まされている病。
それは、他人の人生が羨ましい病気。


慢性的な不調を感じてはいたけど、ずっとずっと、
その病名と、治療方法がわからずにいた。

ある日、「私、人のことが羨ましくて仕方ないんだ」と
自分が「人の人生が羨ましくて仕方がない病気」だと
気付いた時に愕然とした。
30何年も一応頑張って生きてきて、自分の人生よりも
人の人生がここまで羨ましいってどういうことよ、と。


結局人生なんて、毎日、選択の連続で。
その連続の結果が「今の自分」だというのに。
それなのに、人のことを羨ましいと思っている。

これは、自分を否定しているようで、とても苦しかった。
積極的に死ぬ選択はできないし、そんな勇気もないけれど、
これ以上生きていたくないとも思った。


私は、大抵の他人のことを「羨ましい」って思ってしまうのだけれど
今も、こうやって書きながら泣いてしまいそうなくらいに
「羨ましい」人がいる。

1つ年上の友達。名前はミキとしておく。

同じ時期にアメリカ移住し、彼女は結婚したことで、ほぼ永住が決定した。
華々しい経歴を持っていて、夫も素敵な人。
子供もいて、海外にいながらも仕事を続けていて、SNSでの発信力もある。

先日、アメリカを訪れる機会があり、ミキとも顔を合わせた。
というか、わざわざ迎えにきてくれた。
顔を合わせて、彼女のことが大好きだなぁと思う反面、
羨ましい、妬ましい、と思っている自分の感情との向き合いが難しくなり
ついに、告白することにした。


「変なふうに伝わったら申し訳ないんだけど、
 ミキちゃんのこと、羨ましいって思ってるんだよね」


海外移住を成功させて、子供をしっかり2人育てて
さらに自らのキャリアをさらに高めようとしてる。本当に羨ましい。
”私も頑張らなきゃ”、と取り繕うように最後にプラスした前向きな言葉に
私のプライドがにじんでしまったけれど。


「私、マミちゃんのこと、尊敬してるよ、ホント」

日本に戻ってやりたいって思ったことをちゃんと実現させて
本当にすごいと思ってる、尊敬してる。
羨ましいなって思うこともある。


運転しながら話すミキの表情はわからなかったけれど、その言葉に
私は、手に持ってるタピオカをズズっとすすって、こっそり泣いた。


誰もが、誰かの「羨ましい病気」の原因なのだ。


妬ましい、羨ましい…。
そんな感情はどうしても仕方がなくて、
自分の中の「向上心」として向き合っていくしかないのかもしれない。

そして、今日も私は、いろんな人が羨ましい。
いつかはそんな自分をもう少し好きになれたら、いいのに。

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