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vol.00 家事介護アートをつなぐ「OKカフェ」の紹介

「OKカフェ」
 
ケアラーとして100点を目ざさなければという無謀な正義感と使命感、そして介護の仕事に抱いてしまう劣等感から私を救ったのはアートでした。圧倒的な美しさ、クスッと笑ってしまうような可愛らしさ、怖いほどの巨大さ、透明な空気の中にある虚しさ。アートを通してそれらに触れているとき私は自由です。そして「私はOKだ」という気持ちになれるからです。
 
 「OKカフェ」は美味しいコーヒーとお菓子、誰でも楽しめるアートワークショップを提供します。そして介護と家事とアートをつなぎます。アートワークショップを通して介護や暮らしの中で思っていることを気兼ねなく話せる場所に「OKカフェ」がなれたらこの上なく嬉しいです。

なぜ介護と家事とアートをつなぐのか
 
2019年までアートの現場で私は介護の仕事をしていることをオープンにしていませんでした。キラキラ眩しくみえる経歴を持ったオシャレな方々の中で、自分の介護福祉士・ケアマネとしての日常はその仕事をすることになった経緯も含めて恥ずかしく思っていました。今思えば、努力してなんらかの形で狭き門を突破し現代アートに関わるチケットを手に入れたのですから、私はもっと堂々としているべきでした。しかし、私は劣等感に負けて燃え尽きてしまいました。そして、劣等感を間違った仕方で払拭しようとした大きな間違いについても反省しています。

 そのようにカクカクシカジカな経緯を経まして、介護保険内大手企業での安定した施設ケアマネの職場も、有名ギャラリーでのキラキラした仕事も、信頼してくださったアーティストのアシスタントの仕事も私は自分の弱さから手放してしまいました。2019年のことです。そして、全てを手放した私に残ったのは、それでも介護・家事・アートのスキルだったのでした。
「これからは介護の仕事をしている自分もアートをやっている時の自分も同じくらいに愛したい。」
と2019年に決心した私は介護・家事・アートをつなぐ場所を作りたいと考えるようになりました。試行錯誤を重ね遂に2023年「OKカフェ」の企画にたどり着くことができました。これまでの、そしてこれからの試み全ては自分自身の再構築ともなるアートワークなのかもしれません。

企画している家政士のmamiの自己紹介 
 2000年の介護保険元年に学校を卒業した後、2019年まで介護福祉士・ケアマネジャーとして介護保険の世界にどっぷり浸かっておりました。どちらかといえば正義感と使命感が無駄に強いタイプの私の最後のポジションはグループホームの施設ケアマネでした。ある日突然、突発性難聴とめまいに襲われ寝込み、退職しました。原因はケアマネ、経理、フルシフト、スタッフ調整、ご家族調整、レク、、なんでも自分1人でやろうとしたこと。できない人だと私が勝手に思い込んでいた上司との軋轢。ひとえに自分自身の未熟さであったと反省する面が多々です。それまでの職場で私を支えてくださったスタッフ・利用者・ご家族には感謝と共に、思い出してはジワリ涙ぐんでしまうような素敵な思い出が沢山です。
 
 その後しばらくはなぜかカタログやアパレルのフィッティングモデルという謎のアルバイトを経て、家事と介護のサービスを個人事業ではじめました。介護保険を使わないシニア向けサービスに好評をいただき事業はなんとか軌道に乗りました。結局、どのような形でもシニアや介護や生活サポートに関わることが大好きなことは変わらないまま現在に至っております。また、2022年より居宅介護支援事業所にて訪問介護ヘルパーの仕事も再開しました。自分の介護保険外サービス事業と並行して行うことで事業継続のアイデアを得ることができています。

 アートの経歴:2010年よりアートギャラリーでのインターンやアルバイト、アートイベントの企画、作家のアシスタントを介護の仕事と並行して行うことで独学で現代アートを学んできました。アートは私が生きる上で命そのものの次に大きなギフトです。このギフトを使わせていただくことでどうにか介護と家事とアートをつなぎたいと2019年より決心し試行錯誤を重ね遂に2023年「OKカフェ」の企画にたどり着くことができました。決して自分の力だけではできないことでした。関わってくださった全ての皆様に感謝しています。これからもコツコツと学ぶこと、感じること、何よりそれらを楽しんでギフトに感謝することを続けてまいります。

 これからはOKカフェの活動内容をこちらにまとめてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

家政士のmami

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