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2022冬アニメ感想まとめ

2022冬アニメの感想をランキング形式でまとめています。


<25位> トライブナイン

評価:B-

お気に入りキャラ:有栖川さおり

『八月のシンデレラナイン』ですっかり味を占めた(?)アカツキがトゥーキョーゲームスとタッグを組み、懲りずにまた野球もので勝負に出た結果、「野球…?いえ、これは『XB(エクストリームベースボール)』ですが何か問題でも?」を地で行く問題作が出来上がっていた模様。通称「XBエックスビー」は街のど真ん中で試合が行われ、出塁するためにガチンコの殴り合いが始まったりスパイクの代わりにバイクの使用が認められたりバットではなく蹴りでヒッティングしたりと、もはや「テニヌ」を軽く超越するぶっ飛び具合。あ...ありのまま(ry ちなみにスマホゲー始動前にアニメ化してしまったので、なぜか本作品のBD特典にハチナイキャラのシリアルコードが付いてくるということで、ハチナイスレの住民は皆一様に困惑と苦笑いの表情を受かべるしかなかったようで(未確認)。しかし、「総合プロデューサー 山口修平」のクレジットに思わず笑ってしまうのはハチナイ民の嗜みよなぁ…(笑


<24位> 異世界ファンタジー美少女受肉おじさんと

評価:B

お気に入りキャラ:橘日向(女)

おっさん(エリート)×元おっさん(美少女)の異世界転生ラブコメ。ホモォなテイストは基本苦手だけど、まるで人参が苦手な子供のために甘いキャロットケーキを焼いてあげた母親のようにここまで念入りにアレンジされたら食べられてしまうわね。ただ、そこまでしてマイルドにする必要がある魅力的な設定かと問われれば疑問符が残り、出オチ感が全てというのが個人的な感想である。また、転生後の橘が可愛い系の美少女というのは認めるが、神宮寺のイケメン度にはルックス・性格両面からこれまた疑問符が残り、作中でそういうことになってるからそうなんだろう以上でも以下でもなかった。ひとえに完走できたのは、女の子のキャラデザが良かったからという一言に尽き、特に橘(女)のギザッ歯は『終末のハーレム』の溝下乃薔薇どぶしたのばら(アニメ未登場)然り、今後のトレンドになる可能性を十分に秘めている。これは、原作もラノベじゃなくてコミックで正解だったろうなあ…。


<23位> 失格紋の最強賢者

評価:B

お気に入りキャラ:イリス

世界最強の魔法使いが「魔法戦闘に最適な紋章」を手に入れるために未来世界に転生するという導入部の端折り方がなんとも凄まじい。転生後の世界では評価されない項目(=失格紋)を極めた主人公が実は最強でしたという展開はまるでどこかのお兄様を見ているようだが、なんだかんだすぐに評価が覆って「さすおに」状態になっていく過程は気持ちいいのがなんか悔しい。そのような某作品にインスパイアされたかのような作りは安定感はあれど爆発力には欠けるのが現実であり、評価もそこそこといったところ。個人的な見所としては、擬人化能力を有する暗黒竜のイリスの緊張感のない言動と少し舌っ足らずな甘いボイスであり、ペットよろしくマティアスのベッドに勝手に潜り込んでくるみたいなシーンも見てみたかった(そして、他のヒロインたちが起床時にそれを見つけて大騒ぎするところまでがテンプレ)。そういう需要は大いにあったと思うけどなあ…。


<22位> リーマンズクラブ

評価:B

お気に入りキャラ:―

社会人男子のバトミントン部員・通称「バドリーマン」による熱くてクールな”夢”の物語。そのスタイリッシュさは群を抜いており、ヤスダスズヒト先生キャラデザによる細マッチョのイケメン揃いのキャラたち、展開のスピード感の再現性が高く臨場感抜群の試合描写、崩れない絶対防御の作画、贅肉を削ぎ落した計算され尽くしたシナリオ等々、数値で評価すれば間違いなく高得点揃いの各要素。しかし、なぜかのめり込めなかったのは、やはり男性目線からは「泥臭さ」が足りなかったからに他ならないのかもしれない。ただでさえクール系イケメンキャラは感情移入がしにくいのに、それが(あくまでも個人の印象だが)半数以上を占めていては尚更である。女性ウケを狙ってのことなのかもしれないが、”スタイリッシュさ”を追求しすぎた結果、逆に爽快感を失うという矛盾を目の当たりにしたことで、今は作品制作の奥深さと難しさを改めて知らされた気分でいっぱいである。


<21位> 怪人開発部の黒井津さん

評価:B+

お気に入りキャラ:メギストス

悪の組織の怪人開発部での研究員の奮闘記という設定の着眼点は新鮮。ただ、個人的には「正義のヒーローと悪の組織」というテーマは本作品に限らず特別思い入れがあるわけではないので、若干ラブコメの波動も感じる黒井津さんとウルフくんの先輩後輩関係やいかつい見た目にそぐわないメギストス様の理想の上司っぷりや弱気な香恋が派遣バイトとして上司や現場に振り回される様子など、「お仕事」としてのギャグ描写の方が断然面白かった。こうしてみると、作中でも描写があったけどアガスティアって組織としての人事制度は意外とまともなのよね。一方、ブラックロアは間違いなくブラック組織であり、この辺りの比較描写ももっと見てみたかった気はする。EDでは全国のご当地ヒーローが紹介されるなど大人の事情も垣間見えたわけであるが、いっそ「お仕事もの」としてのご当地ヒーロー作品も悪くはないかもと思った。P.A.WORKSさん、次の題材にどうでしょう?


<20位> プラチナエンド

評価:B+

お気に入りキャラ:米田我工がく

賛否両論ある大オチであろうが、自分は肯定派…というより「矢」だの「翼」だのとバトっているぐらいなら、こうして神の有無論・要不要論等の答えのない問答を延々と突き詰めていく方向性の方がよっぽど面白かった。そういう意味では、米田博士が登場してからは作品自体の見所としては増した印象であり、前半戦よりは視聴意欲は総じて高かった。そして、「死が訪れると決まっているからこそ命を燃やし命を輝かせられる」という締めの言葉こそ正に『プラチナエンド』というタイトル回収の瞬間であり、投げやりに見えつつもそれなりに説得力はあるなとも。序盤はバトルものっぽい作りで受け手を広く受け入れつつも、徐々に間口の狭い議論に持っていき最初から決められていた結論へと到達させるというのは、まずは一発芸で広く認知度を上げ徐々に安定した司会業への移行を狙うお笑い芸人の戦略のようであり、してやられたと感じなくもないところである。


<19位> プリンセスコネクト!Re:Dive Season2

評価:B+

お気に入りキャラ:コッコロ

数あるソシャゲ原作アニメの中でも有数のクオリティを誇る本作品。1期ではあえて”美食殿”のメンバーに描写を偏らせることで、宣伝効果も兼ねて多くのキャラに出番を与えることに奮闘しがちなストーリーを上手く纏めていた。しかし、2期でもその路線を継続したことで、キャラたちが限られた関係性の中でグルグルと悩んでいるという印象がより強調されてしまったように思えた。また、ペコリーヌが自分の出自を打ち明けなければと決心する場面において、ユウキよりもキャルの優先度が高かったのも男性目線からは少し残念に感じた。コッコロは相変わらず愛らしいし、美食殿の絆の描写にもホロリと来る場面はあったものの、全体的に1期で好評だった部分を踏襲することを重視しすぎて非常に作品として縮こまってしまっている印象を受けた。原作は未プレイ勢なので的外れな意見である可能性もあるが、せめて主要キャラの一人二人は増やして欲しかったところ…。


<18位> 半妖の夜叉姫 弐の章

評価:B+

お気に入りキャラ:りおん

『犬夜叉』2世の物語もこれにて完結。総じて、初代の「奈落を追い詰めるがすんでのところで逃げられる→奈落が体を組み替えて強化→犬夜叉たちが苦戦する→犬夜叉が新たな武器や技を習得する→奈落を…(以下略)」のインフレ無限ループにうんざりしていた身としては、本作品が最初から尺の限られる「アニメ」として制作されたのは大正解であり、毎話ストーリーに進展が感じられた点は非常に良かった。人によっては、終盤の麒麟丸とりおんの”父と娘”としての絆の描写にこれまでの展開との整合性が感じられなかったかもしれないが、自分はこれまでもりおんは麒麟丸のことを本気で憎んでいたわけではないと感じていたので、これも自然な流れであると素直に受け取った。『弐の章』最大の功績は間違いなくりおんというキャラデザ良し性格良しの娘属性キャラを生み出したことであり、もし人気投票があったら珊瑚とどちらにするか本気で迷ってしまいそうだ…(笑


<17位> リアデイルの大地にて

評価:A-

お気に入りキャラ:ケーナ

チート気味な能力の主人公が異世界やらゲーム世界やらでスローライフ気味に冒険をするというのは最近のド定番だが、この癒し能力と安定感はなんとも揺るぎ難いものがある。まあそれも、ケーナが「リアデイル」の世界に転移した経緯は割と重い設定にも関わらず、本人がその運命をそこまで深刻に捉えていないおかげなのだが…。この辺りの設定が深掘りされていけば物語のシリアス度は必然的に増すことになるが、最終的な着地点はどうなるのだろうか。また、この物語の和やかさの根幹は人々の”好意”が殊更素直に描写されていることにあり、好意には好意を持って応えるというシンプルな構図がこれだけ嫌味なく感じられるのは実はすごいことなのかもしれない。乱発されても困るが1クールに一つぐらいはあっても良い、そんな需要に過不足なくマッチングする本作品のような世界観は正直感想には困る部分が多いものの、自分はそんなに嫌いじゃない。


<16位> 天才王子の赤字国家再生術

評価:A-

お気に入りキャラ:ゼノ(ゼノヴィア)

不承不承ながらも若くして国家運営の中枢を担うこととなった弱小国家の王子の才気溢れる成功譚。これも広義ではいわゆる「なろう系」に属するのかもしれないが、「俺TUEEE系」に属するというのが一番しっくり来るか。時折ウェインが子供っぽく駄々をこねるのがかなり寒く感じるものの、「主人公陣営が負けないという安心感」、「主人公に一途に好意を寄せる魅力的なヒロインたち」、「泥臭い努力ではなくあくまでも才気で勝負」という市場の成熟により培われた最適解をそのまま具現化したストーリーは、減点法では間違いなく高得点であり実際に自分もそれなりに楽しめてしまったところに危機感を抱かなければいけないのかもしれない。なお、ヒロイン論争では補佐官のニニムとのお互いに信頼し甘え合う関係性も相当に魅力的だったのだが、軍幹部と王女の二面性が光るゼノ(ゼノヴィア)が猛追して僅差で勝利。こういう設定とキャラデザ、たまらんよなぁ…。


<15位> CUE!

評価:A-

お気に入りキャラ:九条柚葉

声優の卵たちの成長物語。スマホゲーが原作なので、各キャラに出番を与えてファンを増やしたいという意図は理解できるが、16人はいくらなんでも多すぎる…と思っていたのだが、ぶっちゃけそこまで各キャラが強烈に立っているわけではないので、声優活動の様々なセクションの描写のためにはむしろ妥当な人数であったかもしれない。2クール作品ということで前半戦は下積み描写が多かったわけであるが、陽菜はるなの演技が作者にも響いたことでサブキャラに焦点が当たり原作にまで影響を及ぼすことになったのは正に王道展開。『SHIROBAKO』のずかちゃんオマージュかな?と思える描写もあってこちらまで少し涙目に。お気に入りキャラとしては、シンガポール育ちの天真爛漫なお嬢様である柚葉がイチオシ。盛大にゆとっているように見せかけて、実は頭の回転も早いという大器の器が見てとれる(個人評)。総じて、意外と作りはしっかりしていて楽しめる作品である。


<14位> 王様ランキング

評価:A-

お気に入りキャラ:ヒリング

デスパーの指南によって秘めた才能を開花させ、一気に最強の地位にまで上り詰めたボッジ。しかし根幹にある”優しさ”は変わらず、そんなボッジの姿に周囲もその王としての資質を認めていくことになる。後半クールでは前王・ボッスと鏡の女・ミランジョの過去が明らかになったが、誰しもが”欲しかったもの”を求めた結果の今であり、それが物語の中で心の急成長を遂げたダイダによって”許される”という展開は見事であった。ヒリングの慈愛も相変わらずであり最後まで好感度は上がりっぱなしであったが、髪は下ろしている方が若々しくて格段に似合っていた気がする。この物語に難点を挙げるとすれば、ボッジのキャラクターとしての魅力が若干伝わりにくかったところだろうか。かくいう自分も”いい子”というのは分かるが”魅力的な子”とはなかなか思えず、彼の無条件ともいえる優しさの裏に潜む”野望”という一面ももっと掘り下げていってもよかったのでは…。


<13位> 現実主義勇者の王国再建記

評価:A

お気に入りキャラ:ジュナ・ドーマ

こうした知識系の異世界作品は珍しいと思っていたのだが、「内政チート」というような言葉で既に一ジャンルとして確立しているらしい。「現代では常識であることが異世界にはない」というのはたしかに主人公にとって大きなアドバンテージであるが、ソーマについては現代基準でも年相応以上に博識であり、王国再建の順調さも彼自身の有能さに負うところが大きいだろう。なので、そこまでご都合主義には感じず素直にストーリーを楽しめたというのが本音。こうした国政が中核となる物語では徐々に話の規模が大きくなり外交的な問題にシフトしがちであるが、後半戦になっても自国の奴隷や難民の問題、そしてある意味羨ましくもある婚約者たちとの夜の営み論争など、内政にもきちんと比重が割かれていた点は非常に良かった。後者については、2クールかけてこの進展のなさはどうなんだという気がしなくもないが、ここは大いに揉めるところを見てみたかった(笑


<12位> ハコヅメ~交番女子の逆襲~

評価:A

お気に入りキャラ:牧高美和

女子警察官のバディが、粛々と公務をこなしていくコメディ作品。新人警察官の川合が、どうしても公務員になりたかったから警察官になりましたという潔いスタイルなのは暑苦しくなりすぎないのでむしろ長所。時折、警察官としての仕事に本気で向き合う場面とのバランス感覚にも優れ、全体的に非常に見やすかった。1話時点でこれはむしろ実写ドラマ向けでは?と感じていたところ、案の定昨年放送済だった模様。ドラマ市場の活性化のためにも、こうした親和性の高い漫画原作は積極的に実写化していってほしい(※見るとは言っていない。)。警察官という仕事のリアルを改めて知ることができたのも本作品の見応えを構成する大きな要素であり、綿密な取材や確かな経験則から語られる物語にはやはり相応の重みと説得力がある。それは作者が想像を膨らませて描いた物語を否定するものではないが、受け手として一目置きたくなるのは当然の流れであるといえよう。


<11位> 終末のハーレム

評価:A

お気に入りキャラ:黒田マリア 神谷花蓮

連載開始時から何かと話題になっていた作品が満を持してアニメ化。どうせ規制まみれなんでしょ?と思っていたので、dアニメストアの<無修正Ver.>がガチで無修正だったのには驚いた。また、オドオドした喋り口調のマリアや竹達ボイスが(良い意味で)イラッとくる花蓮は、原作よりも魅力度マシマシに感じられて非常に良かった。根幹のストーリーについても、この設定を考えた作者は天才だと称えたくなる”男のロマン”をド直球で進むものであり、特に翔太パートは本領発揮だったといえよう。作者も「単なるハレンチ作品にはしたくない」(意訳)と語っているとおり、陰謀論渦巻く欺瞞に満ちた世界の謎に迫る展開も、申し訳程度の要素かと思いきや存外骨のあるものであったのも高ポイント。総じて、表面上では全男子の妄想を具現化したようなバカバカしさを装いながらも、高くしすぎないよう綿密にハードル調整ができている「上手い作品」だというのが私見である。


<10位> スローループ

評価:A

お気に入りキャラ:吉永こい

今期のきらら枠。本作品は「フライフィッシング」が題材となっているが、近年流行りのどちらかといえばおっさんのロマンを女子高生にやらせてしまおうという趣向は◎。家庭環境周りがちょい重めの設定ではあるが、むしろそれを下地に少女たちの心の葛藤や成長が描かれる過程こそ作者が描きたかったものであると感じられ、きらら系作品の円熟味も増してきたなあという印象である。ただ、釣りを題材とする日常系作品としての評価自体は『放課後ていぼう日誌』の方に分があると感じたので、聖地巡礼などはそこまでは流行らないかも…(未確認)。「フライフィッシング」についても、やはり豪快にリールを巻く所作に醍醐味と爽快感を感じる身としてはちょっと物足りなさは残るというのが正直なところ。そんな中、ジト目系幼馴染キャラの恋ちゃんはキャラデザ・性格描写共に好みにドンピシャであり、そのひよりに対する複雑な思いや憂いの表情もまた魅力的であった。


<9位> 東京24区

評価:A+

お気に入りキャラ:櫻木まり

今期の主役ともいえるCloverWorks三部作の一角。放送休止やら総集編やらで多忙を極めたであろう現場の帳尻合わせをさせられていた感はあるが、このレベルの作品をそんな役回りにさせてしまうところが逆にスゴすぎる。「トロッコ問題」という思考力を存分に刺激される舞台装置を軸に描かれるSFチックな展開は躍動感に溢れ、陰謀論じみたニュアンスを帯びながらも実にミクロでミニマムなただ一つの到達点に収束する。つまるところ、「皆アスミのこと好きすぎやろ」である。そして、男がヒーローになりたい理由なんてきっとそんなもので十分なのであり、シュウタ、ラン、コウキのそれぞれがそれになりたくて悩み、もがき、苦しんでそれでも必死に前に進もうとする姿こそ本作品のメインテーマだったのではないだろうか。そして、そんなシュウタを見つめるまりの切ない表情といったら…。こういう質の高いオリジナルアニメはやっぱ1クールに一つは欲しいわね。


<8位> 時光代理人 -LINK CLICK-

評価:A+

お気に入りキャラ:劉萌(リウ・モン)

中国のWebアニメの日本語吹替版。本当に海外アニメのレベルも年々上がってきているのをヒシヒシと感じ、日本もうかうかはしていられないだろう。3DCG表現を極める独自路線に特化している米国の作品とは違ってアジア圏の作品は日本の影響をモロに受けている(というか、既に制作にガッツリ関わっている)せいか技法も似通っており、むしろもっとどんどん良作が輸出されてきて然るべきというのが現状なのだろう。本作品についても、序盤~中盤の人間ドラマを重視した作りは実に素晴らしく、涙腺が緩む場面もしばしば。その後、終盤にかけてのサスペンス色が濃くなった展開は個人的にはあまり好みではなかったが、1クール作品としての構成力には大いに首肯させられた。キャラデザも上質で視聴意欲の継続に大いに寄与するものであり、特に女性キャラは皆綺麗と可愛いを良いとこ取りしていて素晴らしかった(男性キャラも◎)。やっぱ、偏見は良くないやね(戒め


<7位> 鬼滅の刃 遊郭編

評価:A+

お気に入りキャラ:須磨

もはや劇場版との境目があってないような圧巻の映像クオリティには脱帽。こと戦闘シーンについてはもはやufotableの右に出るものはないだろうと言いつつ、個人的には『ヒロアカ』で見られるようなボンズの漫画的風味を生かしたアングル描写や躍動感の方が好きだったりする。だが、ここまで来るともう完全に好みの問題であろう。ストーリーとしては、せっかくの「遊郭」が単なる舞台装置になってしまっていた気もしたし、禰豆子の訳の分からない強さと能力にはご都合主義的な強引さを感じたりもしたのだが、ここまでの映像美を見せられるともうそれらも少年誌的な熱い王道展開として素直に受け入れてしまってもいいかなという気分にさせられる。ただ、本作品については良くも悪くも読者の妄想を掻き立てるような”想像力の受け皿”には乏しいのかなというのは変わらない印象であり、あるがままの展開を受け入れるだけになりがちなのはちと残念ではある。


<6位> からかい上手の高木さん3

評価:A+

お気に入りキャラ:鷹川すみれ

あいかわらず背中がむず痒くなる人気シリーズの3期。今期の見所としては、なんといってもいつもは主導権を握っている高木さんの心のバランスが崩れかけている描写の数々であり、隠し切れずに漏れ出る西片への好意や憂いの表情の破壊力といったら…。また、今更ではあるが西片も思春期男子にありがちな照れ隠しによる乱暴な言動もなく、なんだかんだ素直に高木さんの気持ちを汲んで大事にしようとする点は大いに評価したい。3期では舞台が小豆島であることを改めて実感する小道具としてのフェリーの描写なども目立ち、そうしたある意味”外界とは切り離された場所”であることも物語の風味付けとしては上手く働いていた印象。「ポニーテールの子」名義の頃からのお気に入りであるすみれちゃんの出番もちょくちょくあったのは嬉しいが、バレンタインで喜んでくれたらしい”桜井くん”って誰なんだ~!?こうやって、サラッと夢を壊すのは止めて欲しい…(涙


<5位> 平家物語

評価:A+

お気に入りキャラ:あかり

山田尚子監督といえば京都アニメーションのイメージが強いが、あえて本作品を他社で制作したことは、「未知への挑戦」というよりは「手法・技法ツールの選択肢としての冷静な判断」というように感じられた。制作会社のサイエンスSARUは、過去にも『映像研には手を出すな!』等の作品を手掛けており、画面から伝わる朴訥とした作風には思わず“然り”と首肯。びわの設定はSFの古典ともいうべきものだが、史実があるため未来さきがネタバレにならないことも踏まえ上手く世界観にも溶け込んでおり、違和感なく鎌倉時代という舞台を表現していた。「盛者必衰のことわり」という言葉が示すように、平家の面々が栄華を極めながらも粛々と没落への道を歩んでいく姿はやはり盛り上がりとしては右肩下がりに感じ、最終的には評価もそれなりの位置に落ち着いた。しかし、今回の映像化による登場人物への独自の解釈によるキャラ付けは実に面白く、本作品の一番の見所であったといえよう。


<4位> その着せ替え人形ビスク・ドールは恋をする

評価:S-

お気に入りキャラ:菅谷乃羽のわ

コスプレをこよなく愛する美人ギャルと雛人形の「頭師かしらし」を目指す地味系男子の格差ラブコメ。てっきり五条の方が先に喜多川さんに惚れてしまうのかなと思っていたので、逆パターンだったのは結構意外だった。タイトルどおりではあるのだが、そのせいで一気にリアリティを感じなくなってしまったのは一長一短か(五条も女性慣れしていないはずなのに妙に冷静だし)。また、五条にとって喜多川さんは初めてできた友人という感謝の気持ちが強く、この先恋愛感情を持つようになったとしても他には考えもしなかったからという(ある意味一途な)理由になってしまいそう。なので、例えばジュジュからももっと分かりやすいアプローチが欲しかったところで、”それでも”という意思を持って彼女を受け入れてあげてほしい。個人的には喜多川さんのギャル仲間の乃羽のキャラやビジュアルがかなりツボだったのだが、別にその役割は彼女でも悪くないな~と思ってみたり…。


<3位> 範馬刃牙

評価:S-

お気に入りキャラ:範馬刃牙

肉を肉でサンドしたらこんな暴力的なバーガーが出来上がりましたと言わんばかりの圧倒的な戦闘描写カロリーで語られる肉体言語は安定のバキワールド炸裂。各々が自らの戦闘力に絶対の自信を誇り、常人には理解しかねる持論を垂れ流しつつも言葉はいらないとばかりにド突き合う様は正に言語と非言語の夢のコラボレーション。もはやそこに、我々の常識は一切通用しない。「セカン」と呼ばれ鳴り物入りで登場したゲバルが完全にかませ犬になってしまったのには苦笑だったが、「ゲバルVSリップ、トゥース、タング」「オリバVSゲバル」も各々の矜持が披露され、満を持しての「バキVSオリバ」という夢のカードの前哨戦として十分な見応えであった(山寺宏一さんはさすがの好演である。)。原作未読勢の自分はおそらく世界でも有数の本作品のアニメ化を楽しめている層だと思われるが、この貴重な立場はこれからも大事にしていきたい。ていうか、制作はトムスだったのね…。


<2位> 進撃の巨人 The Final Season

評価:S+

お気に入りキャラ:エレン・イェーガー

原作勢なので結末までの物語は既に知っているのだが、超一流の素材を超一流のシェフに料理してもらったらこうなるよなあという至宝の必然に立ち会えたことに感謝。これだけ主人公が主人公している作品も他にないんじゃないかと思えるまでに物語の中核となったエレンを巡り、かつての訓練兵時代のメンバーが善悪の境目を朧げにしながらも作中で世界の命運を握っている様は集大成に相応しく、これまでの衝撃的な出来事の数々が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。世界に振り回されるのではなく、自らの手で世界を作り変えていくという”捉われた屈辱”に対する強烈なアンチテーゼは、正に自由のために戦った「進撃の巨人」の意志そのものであり、物語の終着点としてこれほど相応しい展開もあるまい。WIT STUDIOから制作を引き継いだMAPPAは大変な重圧であったことは想像に難くないが、見事に世界観を継承してくれたことに全力で感謝の意を表したい。


<1位> 明日あけびちゃんのセーラー服

評価:神

お気に入りキャラ:明日小路あけびこみち

全てのアニメを過去にした珠玉の国宝級作品がここに誕生した。これはもはや手書きによるアニメ表現のある種の「到達点」であり、この濃厚さを知ってしまったら他の作品が全て薄味になる危険性を大いに孕んでいる。本作品の神懸った変態的な作画(※褒め言葉)が内包する少女ポルノ的側面は時として”気持ち悪い”と表現されることもあるが、自分にとっては只々”気持ちいい”ものでしかなかった。過去にぼんやりとながらも憧れていたアニメ制作に関わる仕事に就くこと、その未練を完全に断ち切ってくれるかのごとく”こういう作品が作ってみたかった”を寸分の狂いもなく具現化したその姿はテレビ画面の前で思わず拝んでしまうほど尊いものであり、最終話視聴完了時には気が付くと無意識に拍手をしていた。このような衝撃は、学生時代に『サクラ大戦3』のOPを店頭で見かけ時を忘れて見入ってしまった時以来である。マジで日本に生まれて良かったわ…。

【1話視聴時の備忘録】

これだからCloverWorksは信頼度バツグンなのよね。元会社(※A-1 Pictures)の作画の美麗さに絶妙なオタク寄りの萌え成分を付加してくれる感じがマジでたまんない。明日ちゃんのセーラー服への乙女としての憧憬の描写やら清潔感溢れる衣擦れの音の描写やらシャツの内側に挟まったサラサラロングヘアをバサッと外側に開放する描写やら大きめのリボンを胸元でキュッと結ぶ描写やら靴下を履くシーンのアングルと艶めかしい表情の描写やら、“少女”から匂い立つような描写の数々が濃厚すぎて着替えシーンだけで何杯食べても白米が足りねぇよ…。他にも、お風呂で長い髪を洗う描写やら髪をヘアゴムで括る描写やらベッドにうつ伏せになった時の臀部と太腿のラインやら、もうフェティシズムのデンプシーロールでボコボコにタコ殴りにされて気持ちよく昇天してしまいそうなんだが…。これは、どうやら至福の3か月が過ごせそうやね(大歓喜

【各キャラ総括コメント】

明日小路
本作品は明日ちゃんに始まり明日ちゃんで終わる正真正銘の主人公。村上まなつさんの好演も光り、その溌剌とした眩しさに毎週目を細めながら見入ってしまった。今この瞬間にしか訪れない”少女”としての最盛期の姿を儚くもどこまでも美しいと感じてしまうのは、いずれ迎えるその終わりも予感しているからだろう。

兎原透子うさぎはらとうこ
いかにも主人公の親友ポジションにいそうな子。明日ちゃんの魅力に若干のコンプレックスを抱いている節が見られ、サバサバしているようでその実乙女チックな内面を持つ彼女には最優秀助演女優賞を贈りたい。もし共学校だったら、好きになった野球部の男子が明日ちゃんに惚れちゃったりするんだろうな~(ゲス顔

大熊実おおくまみのる
彼女を見て思わず『ガールズ&パンツァー』の秋山殿を連想してしまったのは、きっと自分だけではないはず。なので、秋山殿のごとく背景の木の影からクラスメイトをじーっと観察している絵面は正に期待どおりだった(笑 こういうオタク気質のある子って、色々説明してくれて話が動かしやすくなるから便利よね。

神黙根子かみもくねこ
2番目にお気に入りだった女の子。一日の3分の2ぐらいは寝ているんじゃないかという睡眠魔。彼女みたいに周囲とは時の流れが違う子がいると、場面にもアクセントが利いて非常に良き。なんといっても、猫みたいで可愛いし(笑 明日ちゃんと若干容姿が被っているので、作画によっては見分けが付きにくかったことも。

木崎江利花きざきえりか
本作品のもう一人の主人公兼足の匂いフェチのお嬢様。雨宮そらさんがメインヒロイン役じゃないのは珍しいなと思っていたが、これなら納得である。明日ちゃんとは一番の友人になったが、後に終生のライバルになりそうな気質も感じなくはない。彼女だけ寮の割当が一人部屋なのは何らかの特別扱いなのだろうか…?

古城智乃こじょうともの
眼鏡っ子は作画の入れ込み具合がダイレクトに反映されるからけっこう注視しちゃうけど、眼鏡の鼻に引っ掛ける部分まで細かく描かれているのはさすがやね。彼女が明日ちゃんの膝枕で眠っている百合百合な空間は尊すぎて、そこ代われとか無粋なことを言う気は微塵も起きなかったわ…。太眉もチャームポイントやね。

四条璃生奈しじょうりおな
デ…ぽっちゃり系の女の子。璃生奈はかわいいなあ!!!きっと、その手の人にはたまらないはず…?こういう体型の子ってコンプレックスに思っているかいないかで大別されるけど、彼女は前者。テニスのサーブの描写はパワフルかつきちんとスポーツの動きをしており、下手なスポーツ作品よりもよっぽどそれらしかった件。

龍守逢たつもりあい
印象が薄かったと思いきや意外と出番は多かった副委員長の女の子。真面目でお堅い系だけど、体育祭では人一倍クラスメイトに声援を送っていたり、最終話の明日ちゃんのダンスを見て涙ぐんでいたりと感動屋でもある様子。これもある意味委員長キャラのテンプレではあるけど、いいものはいいんだから仕方ないよね。

谷川景たにがわけい
主席で入学した秀才の女の子。クラスでは委員長も務める。彼女からは悪い男に引っかかってしまいそうな気質をヒシヒシと感じるので、どうか明日ちゃんは見守っていてあげてほしい。自撮りにハマる子は承認欲求が大きい傾向があるそうだが、ちょっとおだてられたからって簡単に言うこと聞いたら駄目なんだぜ…?

峠口鮎美とうげぐちあゆみ
5番目にお気に入りだった女の子(ランキングはここまで)。方言…というかもうこれは訛りと表現した方が適切なレベルだわね。設定によると、訛りを気にしているためクラスでは口数が少ないらしいが、屋上のシーンが印象的で全然そんなイメージは無かった。いいキャラだったから、もっと出番多かったらよかったのになあ…。

戸鹿野舞衣とがのまい
物静かなバスケ部の女の子。真面目に黙々と練習に打ち込む姿勢からはシューターの才能の片鱗を感じずにはいられない。きっと、3年生時には『SLAM DUNK』の神のようなピュアシューターとなった彼女の姿が見られるだろう。きちんと人の話も聞いてアドバイスしてあげられるし、いいキャプテンにもなれそう。

苗代靖子なわしろやすこ
4番目にお気に入りだった女の子。どことなく『やがて君になる』の沙弥香先輩と同じ匂いを感じる底が見えない大人びた雰囲気が印象的。鷲尾さんを呼び出していた子を観察していたっぽいのは、ツッコんだら負けなのかもしれない。「ごめんなさい、お邪魔だったかしら…?(満面の笑顔で)」←隠し切れないヤンデレ臭

水上みなかみりり
水泳が得意な関西弁の女の子。彼女は堂々と方言を喋っているあたり、関西弁の地位の高さ(?)を感じずにはいられない。ハッキリとした挑発的な物言いも印象的だが、それが小悪魔的な魅力にも映るあたり色々な意味で”強い子”である。明日ちゃんを「小路」といきなり呼び捨てにしていたのも、なかなか強烈だったわね。

平岩蛍ひらいわほたる
小さくて可愛い不思議系の女の子。いかにもクラスのマスコットキャラになりそうな外見だけど、彼女をクラスメイトたちがぎゅっとして猫可愛がりするみたいなシーンももっと見てみたかったなあ…。1年3組では、クラスのマスコットが蛍か根子かは「きのこたけのこ戦争」に匹敵するほどのド定番の論争だそうな(大嘘

蛇森生静へびもりおしず
帰宅部でギターに憧れはあるけど中々手を出せないでいるなんか心の色々なところに刺さる女の子。スピッツの「チェリー」がサラッと出てくるあたり、自分と同年代の方々が制作の中心を担うようになったんだなあとしみじみと実感した次第。ちなみに、WEB上の「クラスメート診断」によると自分は彼女と友達になれるっぽい。

鷲尾瞳わしおひとみ
高身長で早くもバレー部の有望株と名高いクールな女の子。髪型がいかにもな王子系じゃなくてちゃんと女の子しているセミロングなのはいいじゃないか、こういうのでいいんだよこういうので(五郎風 苗代さんにはかなり懐かれている様子だが、普段は二人でどんな会話をしているのかはけっこう気になるところ…。

千嵐帆呼ちあらしほこ
3番目にお気に入りだった小路が入部した演劇部の部長。ビジュアル、性格共にバツグンに好みではあったのだが、ちょっと2次元に寄りすぎていて本作品の世界観的には若干浮いてしまっていた気もした。明日ちゃんとの二人三脚感もなるほどこう来たかという感じで悪くない一手。卒業式ではさぞ感動するんだろうなあ…。

明日花緒あけびかお
マスコットとかじゃなくて、正真正銘のロリ枠のミニ明日ちゃん。彼女も中学校に入学した際には”明日ちゃん”とクラスメイトに呼ばれることになるのかな?なにそれ、エモい。ロリキャラの代名詞ともいえる久野美咲ボイスを搭載しているが、成長後はどういう演技になるのかいつも気になって仕方がないのは自分だけだろうか。



<劇場版4位> グッバイ、ドン・グリーズ!

評価:A-

お気に入りキャラ:―

『よりもい』の制作チームが再集結したひと夏の冒険譚。「少女たちの冒険」から「少年たちの冒険」へと変わったわけではあるが、このストーリーを担うキーパーツとして捉えるならその意義は十分にあったといえるのではないだろうか(クラスでの立ち位置や山に秘密基地を作ったり医者になるために上京したりするのはいかにも少年らしい)。ただ、キャラそのものの魅力として捉えるなら性別の壁はあまりにも大きく、強引にでも前作と同様の選択肢を取った方が結果としてはプラスの面が多かったのではないかというのが偽らざる本音である。その辺りも含め、ストーリーの仕掛けも「やりたいことは分かるけど…」といった感じであり、山で遭難しかけた際も悲壮感も少なくなぜかあっさりとドローンも発見できてしまうなどご都合的な展開も目立った印象である。総じて、前作が傑作だったということを考慮しても、期待値には至らなかったというのが正直な所だろうか…。


<劇場版3位> BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!

評価:A

お気に入りキャラ:市ヶ谷有咲ありさ

満を持してのポピパの劇場版だったのだが、ロゼリアの劇場版に比べるとストーリー性には乏しく、RASやモニカも一緒にフェスに参加するなど尺の使い方にも疑問が残り若干の肩透かし感は否めない。とりあえず海外でライブをする絵が欲しかったという以上でも以下でもない感じで、ストーリーの山場(むしろ谷場?)もなぜかRASのマスキングに焦点が当たっており、「ぽっぴん'どりーむ!」とは?といった感じ。セルルックによる3DCG表現も良くも悪くも安定しすぎており、TVシリーズとの差異は若干気合の入った背景作画と画面処理ぐらいで、さすが劇場版!と思えるような特別な驚きはなかった。ファンムービー的視点からは、アニメから入った身としては感慨深い「ときめきエクスペリエンス!」のフルライブ映像が見られただけでも満足感はそれなりにあったものの、様々な方面にカロリーが控えめな省エネ設計の劇場版であったと総合的には評価せざるを得ない。


<劇場版2位> フルーツバスケット -prelude-

評価:A+

お気に入りキャラ:本田勝也

TVシリーズでは語られなかった透の両親の出会いの物語。実際は夾と透の絆の物語に前後を挟まれる形での公開となったわけであるが、人によっては蛇足と感じるかもしれないこの部分が思いの外素晴らしく、劇場版ならではの丁寧で尺にとらわれ過ぎない演出により、改めて「良かったなぁ…」とジンワリした気分に。TVシリーズもこのぐらいのクオリティで駆け抜けてくれていたら…。もちろん、勝也と今日子の物語についてもファンにとっては待ちに待っていたエピソードであり、その悲しい結末を知ってはいても二人の在りし日の姿に”倖せ”という言葉を噛みしめずにはいられない。そして、幼い透の「おかえり…なさい」はファンにとっては号泣ものだろう。総じて、トムスによる全編の再アニメ化には大満足とはいかなかったものの、序盤で見られたような丁寧な描写が戻ってきたと思えたことは素直に嬉しく、この流れで由希と真知の物語を再構成した劇場版を切に望む。


<劇場版1位> ブルーサーマル

評価:A+

お気に入りキャラ:都留つるたまき

「グライダー」をテーマにした青春物語。劇場版作品というよりはTVシリーズの総集編といった趣で、ストーリーもサクサク進行するという言い回しの範疇に収まるものであり、作画は並程度であったが純粋に「面白い」と感じる時間が多かった。この辺り、主人公のたまきを始めとして”体育会航空部”といういかにも男所帯っぽい空間にも関わらず、女子部員が多かったのはやはり強く、直近で鑑賞した『グッバイ、ドン・グリーズ!』とは真逆の感想を抱くことになったのには考えさせられる部分も多かった。たまきの恋模様、”空”へ惹かれていく過程も女子だからこそ”映える”ものであり、男キャラがスポーツ・格闘作品以外で真の意味で主役になるには、「大神隊長」や「お兄様」のような稀有なカリスマ性がないともはや厳しいのかもしれない。なお、本作品はかなり不可解なオチとなっており、この1点を持って確実にワンランク評価を下げてしまっていることだけは甚だ残念である。


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