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一度死んだから言えること!

◎部屋が燦々と輝いていた理由

前回の入浴で温まった体を、看護師さんと介護士さんたちが、急いで病室へと運んできてくれた時に、私の病室が何故か燦々と降り注ぐ光に溢れていました。

そこにいた私を含めた5人の方々が全員が異口同音に「なに〜これ!部屋が光で溢れてる!」と言っていました。

皆んなが私にも見るように促したので、不自由ながら首をもたげて廊下から部屋を見ると、今までに無いほどの光が部屋中に溢れていました。

そしてベッドへと運ばれている最中にも、皆さん「すごいね」「こんなに光がいっぱいって無いよね」「天使さんでも来てるのかな」とか、口々に驚きながら言って退室されました。

そして、私がそこに見たのは部屋中に飛び回っているたくさんの女神たちの姿でした。

そこには私の産土神を始め、知っている顔も知らない顔もありましたが、皆さん部屋中を飛び回るように舞ながら、私が生き返って来た事を祝福してくれたのです。

まめ師匠との出会いと対話に次ぐ、とてもスピリチュアルな出来事でしたし、感動で自然と涙が溢れていました。

私を運んできてくれた看護師や介護士さんたちが見た正体とは、部屋にいた女神たちの光だったのです。

その中で様々な話をして、凹みがちな私を各人が励ましてくれました。本当にありがたい事です。

そうすると窓の外に、妻のゆあんさんの意識が飛んできたのが見えました。迷っている感じで、この部屋がわかりにくそうでしたので、私が手を伸ばして招き入れました。

しかし、いくら手を差し伸べても掴めません。それがもどかしくてもどかしくて焦ってしまうほどでした。

それまでの私は家の主として「早く退院して家に帰らなければならない」と言う思いと、責任感による反省と焦りが支配していました。

しかし、その時に気づいたのです。家族の望みの前に、私が帰りたいのだと。ゆあんさんの元へ帰りたいのは自分なのだと。私の幸せとは彼女と共にいる事であり、何気ない日常こそが望んだ幸せなのだと。

涙が止まりませんでした。グズグズに泣いていました。声は噛み殺しましたが、感動が溢れて止まらないのです。彼女への愛おしさが私の魂を揺さぶって離さないのです。

必死に互いが手を差し伸ばしているのですが、どうしても掴めません。

すると女神たちが彼女の手を取って、全員で私の手へと繋いでくれました。更なる感情の爆発と幸せが身体中に溢れて、形の無い彼女を抱きしめていました。

そして私は改めてその場で彼女に、生まれ変わった私としてプロポーズをしました。そうしたくて仕方なかったのです。

永遠の誓いを、女神たちの立ち合いのもとで行いました。「私はあなたと生きたい。必ず帰るから待っていて!」と。

そうして一人二人と女神たちが去り、ゆあんさんも帰って行った瞬間にリハビリ担当がやって来たのです。

慌てて顔を拭って、風呂上がりで汗ばんでいるような顔をしました。入浴の事を少し話すと、PTさんが私を窓際に向けて座らせてくれました。

すると今度は絵に描いたような真っ赤に染まった夕陽が現れて、そこでもPTさんが「すごい明るい夕陽ですね珍しい!眩しいならカーテンしましょうか?」と言ったので、断ってそのままリハビリを受けていました。

ですがその夕陽には、私のこの世界へと送り出してくれた存在が居られました。初めて顔を見せてくれた事に驚きました。

あれほど現れない方が、初めて目の前に現れて話をしてくれたのです。驚きでもありましたが、それよりは嬉しくて嬉しくて、つい泣きそうになるのを我慢して話を聞いてました。

誰も彼もが私の帰還を喜んで下さり、今の苦痛を励ましてくれました。入院して初めて歓びに満ちた時間を過ごす事ができたのです。

そこから私の奇跡と評判になった復活劇が始まったのです!


続く

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