大人は泣けない

夫は1人で、余命とともにがん告知を受けました。
がんを告げられるだろうと思っていたけれど、手術をすれば治るのだろうと思っていた私たち。
1人で大丈夫だよと病院に向かった夫から、私の保育中に職場に電話があり、乾いた声で
『スキルス胃がん。手術は出来ない。桜は見られないと言われた』と話すと一方的に電話が切れました。
その時から、私はこの人を1人にしてはいけないと思いました。
それは離職にも繋がりました。

私の心の中には、夫を失なう怖さが常にありましたが、常に共にいる夫の前では、おくびにも出してはいけないと思いました。
「私があなたを死なせない」
そう繰り返しながら、心は涙を流していました。

大丈夫か?と聞かれれば
『大丈夫です』と答えたのは、言葉にしたら崩れてしまうのが怖かったからです。

そんな私が唯一、安心して泣けたのは、夫が抗がん剤を受けるのを待つ時間でした。
病院にこんな場所があるのかと思うような人目につかない場所で泣きました。その時、同じように涙を流す人を見ました。

人は社会の中で生きている。
家庭でも役割がある。

大人になると、そうそう泣けるもんじゃない。

自分の気持ちだけに向き合える空間が必要なんじゃないかと考えたのが、
【大切な人を想う会】です。

2017年から始めたこの会では、音楽に包まれることを大切にしてきました。

音に包まれると、過去と今と未来が混ざり合って溢れ出すような気がします。
蓋をしている気持ちを解放し、自分に向き合うことで新たな力が湧いてくるように感じてきました。

毎年、七夕の頃に開催してきた『大切な人を想う会』
今年はMilkyWay concertとして、自らもがん体験者である歌手の木山さんがYouTubeちゃんねるよりライブを配信という形で応援してくださいます。


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金曜日の夜ですね。
木山さんの素敵な歌声が多くの人に届きますように。
20時から以下より配信します。





全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。