踏み出したから見える景色がある

3月13日に近畿大学がんセンター市民公開講座

【ACP(人生会議)を知っていますか?】で講演の機会をいただきました。
『騒動』とまで言われた2019年末の人生会議ポスターに意見書を出した私が、関西が拠点のセミナーで話をすることには、正直なところ、かなりのプレッシャーがありました。

申し込み制限がかかったほど多くの参加者があったと聞きましたが、好評であったとうかがい、ホッとしています。セミナー後には多くの感想が寄せられたとのことで、私にも共有していただきました。

その中に、以下のような内容も多くありました。
『人生会議ポスター中止は、患者会がヒステリックに行動したのだと思った。講演を聞いて、真相との落差に驚き、内容が理解しやすかった』
『渦中の人になった後も委員として啓発に携わっているところに、国が普及・啓発に丁寧に取り組んでいることが表れていると思った』

やはり、渦中の人だったのだなと苦笑しました。
ポスターの件が「騒動」というインパクトで終わってしまわないように、私には引き続き取り組む責任があるのだと思いました。

患者会の立場から、いくつかの普及・啓発に携わる中で、いつも迷うことがあります。
意識に繋がるインパクトの持つ力と、自分事として具体的に絵が浮かぶかということ。
どちらかに偏ることではなく、バランスが大切なのだと思うのです。

言葉が普及していないから理解できないのか
定義から具体像が浮かばないのか

それぞれの課題でも違うのだと思います。段階もあるのだと思います

3月14日から21日に開催された、AYAweekでは、私は実行委員として携わりました。
希望の会の会員の過半数が20から30代のAYA世代です。
難治がんという状況で、AYAがんのコミュニティに眩しさを感じて参加を躊躇ってしまうという声を多く聞いているので、理事長である私がまず参加していこうと思ったことが携わった理由でもあります。

正直、「なぜ、あなたがAYAがんなのか」という声も届きました。
シンドさを感じることもありましたが、この半年で、3つのセミナーを開催してみて気づいたことがあります。

中学生から社会人、子育て世代とライフステージが大きく変化するAYA世代の抱える課題への対策に力を入れることは、決してAYA世代だけの問題ではなく、全てのがん対策に繋がるのではないかということです。

何よりも、この一年、自分とは年代の違う人との出会いがたくさんあり、ともすると凝り固まる心身にバシバシ刺激をいただきました。

踏み出したから見える景色があったのかもしれないと受け止め、

いいことも、ちょっと胸が痛むことも、
自分の引き出しにしまっていこうと思います。

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全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。