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ずっと一緒 【わんだより】vol.4 嵐丸と鈴蘭の話

わんだよりとは


嵐丸(左)と鈴蘭(右)

わんだん邸卒業生の嵐丸(らんまる)と鈴蘭(すずらん)。
元野犬でしたが、子犬の頃に保護され一緒にわんだん邸へ。
2021年3月に嵐丸、2022年1月に鈴蘭が、現在の飼い主さんである石神さんと家族になりました。

わんだん邸を知ったきっかけ

石神さんは犬の飼育経験はなく、当時はペット不可のマンションに住んでいました。しかし、ずっと犬を飼いたいと思っていたそうです。

石神さん:
「私が大学生の時にコロナが流行り、授業は全部リモートになり時間も持て余していました。そんな時、清瀬の駅前で街頭募金活動を行っているわんだん邸がボランティア募集もしていると祖母が教えてくれました。犬を飼いたいけど今は飼えない。でもボランティアなら犬のお世話をしながら遊んだり触れ合ったりもできる。そう思って、わんだん邸のボランティアに参加するようになりました。」

嵐丸と鈴蘭との出会い

石神さんがボランティアに参加し始めた頃ちょうど保護されてきたのが嵐丸と鈴蘭たちでした。

左から、鈴蘭・嵐丸・虎鉄・杏仁

元野犬だった犬は警戒心がとても強いです。しかし、何度もわんだん邸のボランティアに通っているうちに段々と距離が近くなってきたそうです。警戒心も薄まり、一緒に遊んでくれたり、甘えてくれる姿が石神さんにはたまらなかったと言います。

石神さん:
「仲良くなるにつれ愛着も湧き、迎えたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。最初は嵐丸・虎鉄の兄弟を迎えたいと思っていたのですが、虎徹は別の飼い主さんが決まってしまいました。」

わんだん邸に残った嵐丸のとても寂しそうな姿を見て迎えたい気持ちが強くなったそうです。

石神さん:
「それから、自分で不動産屋さんに行ってペット可のお家を探してすぐに引っ越し。嵐丸を迎える準備を整えました。決めてからのスピード感と行動力は自分でもすごかったなと思います(笑)」 

不安いっぱいのトライアル

そうして石神さんのお家に嵐丸がやってきました。警戒心がとても強く、わんだん邸でもお客さんが来るとよく逃げ隠れしていた嵐丸は、一緒に暮らしているお母さんにもなかなか慣れてくれませんでした。

わんだん邸で机の下に隠れていた嵐丸

石神さん:
「夜中や早朝には自由に部屋の中を探検していたので慣れたかなと思っても、母が出かけて帰って来るとすぐクレートに引きこもっちゃうんです。私と二人きりの時は近くでくつろいでいたのですが、母にはなかなか慣れませんでした。」

お母さん:
「娘がいないと粗相をしてしまったり、ここまで慣れてくれないのかとショックでした。本当に仲良くなれるのかとても不安でした。」

 トライアル中の嵐丸はご飯を全然食べなかったそうです。

石神さん:
「今でも食べむらはあるのですが、トライアル中は全然食べなくて、水も飲まなかったんです。それを店長さんに相談したら、私がリードを持つという条件でお散歩してもいいと許可をいただきました。(※トライアル中は原則お散歩禁止)お散歩に行くとすごく楽しそうにイキイキしていて、食欲も良くなりました。嵐丸にとっては一週間以上お散歩に行けないことがストレスだったようです。」

新しい家族・鈴蘭

嵐丸と一緒に保護されてきた鈴蘭はわんだん邸ではリーダー的存在で、新入りの教育係もしていました。ですが、なかなかいいご縁がなく、1年以上の時間をわんだん邸で過ごしていました。

子犬たちを教育する鈴蘭(中央)

石神さん:
「鈴蘭のことはずっと気になっていました。特に懐いていた店長さんがいなくなってからもわんだん邸でリーダーとして頑張っている鈴蘭の姿を見ていて、一人で背負いこんでいるのではないかとすごく心配していました。」

嵐丸と一緒にわんだん邸に通っていた石神さんはスタッフさんと相談して、鈴蘭の気分転換のために時々お散歩に連れて行くことにしたそうです。 

 石神さん:
「お散歩に行くと、鈴蘭はちょっと遠慮している感じでしたが楽しそうでした。嵐丸も本当に嬉しそうにしていたのですが、その分お別れが凄く寂しそうで、離れたくないとずっと泣き叫んでいました。その様子を見て鈴蘭も迎えようと思いました。」

一緒に遊ぶ鈴蘭と嵐丸

鈴蘭を迎えるとき、2匹の犬を飼うのは凄く大変なのではと不安もあったそうです。

石神さん:
「迎えてみると、鈴蘭は本当にいい子で、全く手がかかりませんでした。警戒心は強いですが、慣れてくれるのも早かったんです。先にいた嵐丸が私たちに慣れているのを見て安心したのかな。2匹になってからはどちらも凄く嬉しそうで、毎日一緒に遊んでいます。」

しかし、石神さんは鈴蘭に気がかりなことがあったそうです。

石神さん:
「最初の頃はアイコンタクトもなかなかしてくれず遠慮しているようで、本当に私でいいのか気がかりでした。最近は信頼してくれているのか、おなかを出して甘えてきたんです。その時はすごく嬉しかったです。」

お母さんに撫でてもらう鈴蘭

お出かけもずっと一緒

2匹を迎えてからみんなでお出かけすることが増えたそうです。

石神さん:
「嵐丸も鈴蘭も外にいる時が生き生きしているので、一緒に色々な場所に行きたいと計画しています。まだ慣れてない人にビビっちゃうことがありますが、最近はよく会う人には撫でてもらえるようになってきたんです。お出かけも良い刺激になっているのかなと思います。」

北海道にも行ったのだとか

石神さん:
「去年の9月、嵐丸と鈴蘭の2歳のお誕生日祝いで北海道旅行に行ってきました!フェリーやトロッコに乗ったり、キャンピングカーを借りてグランピングをしたり、2匹とも楽しんでくれたみたいです。犬が来る前は休みの日に何をしていたのか忘れちゃいました。(笑)これからもいろんな体験を一緒にしていきたいです。」 

【石神さんのインスタより引用】 

石神さん:
「予定を詰め込み過ぎてしまうこともあるので、お家でのんびり過ごすことも大切にしたいと思っています。嵐丸と鈴蘭のことを第一に考えてこれからも一緒に過ごしていきたいです。」

 石神さんのお話を聞いて


寂しがり屋だった嵐丸は大好きな鈴蘭とずっと一緒にいられて幸せそうでした。以前は周りを気にして常に緊張していた鈴蘭も、石神さんの前では何も気にせずに甘えている様子でとても幸せそうでした。飼い主の石神さんも二匹を迎えて犬との暮らしを楽しんでおり、わんだん邸での出会いをきっかけに、犬も人も幸せになる良い変化が生まれているのだと感じました。

これからも保護犬と里親さんの暮らしを取材していきたいと思います。
 
撮影・取材協力
石神さん・嵐丸・鈴蘭

Twitter:@suzuranmaruu__


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