【ひらがな】の人間関係を考える
ひらがなを最初に考えた人って相当苦労したと思うんですよ。
所詮線だけで構成されたものですからね。
色の違いで表現できないのはかなりの痛手です。
一番手で出てくる【あ】なんてすごいですよ。
横に線を引いて縦に少々長めの線を引いて終わるのかと思いきや、そこから天地をひっくり返すかのようなダイナミックな曲線を引いちゃうわけですから。
ここまで躍動感溢れるひらがなはそうそうお目にかかる事はできません。
この時点でひらがな考案者の底知れぬひらめきに驚きを隠せない人が多い事でしょう。
僕はわりと早く驚きました。
【こ】のアグレッシブな活動もなかなかのものです。
【た】と【に】の2文字に出張してその存在感を十二分にアピールしているわけですから。
好き嫌いで仕事を選ばずに自分にできる事を愚直にやり通す姿勢は、現代の若い社会人の多くに見習ってほしい姿勢です。
ひらがな同士の交流に目を向けてみるとかなり殺伐としたライバル関係が浮き彫りになってきます。
【き】と【さ】
【ぬ】と【め】
【は】と【ほ】
【る】と【ろ】
【わ】と【れ】
どいつもこいつも漂う雰囲気が必要以上に似通っています。
多分【さ】からしてみれば、
『線が一本多いだけで調子に乗ってんじゃねぇぞクソが!!』
って【き】にかなりの嫌悪感を抱いている事はまず間違いないです。
でもまだこいつらはいいんですよ。
問題は【は】と【ほ】、【る】と【ろ】です。
それぞれが<は行>と<ら行>という同じグループに所属しているのです。
もう毎日毎日殴り合いのケンカになっているのは容易に想像できますよね。
その中でも【は】と【ほ】はまだマシなほうです。
は ひ ふ へ ほ
と、両者とも端っこで立ち位置に差がないですからね。
でも【る】と【ろ】はプロデューサーのひいきが露骨過ぎてひどいです。
ら り る れ ろ
同じような【ろ】を差し置いて【る】がセンターなのです。
【る】はAKBで言う前田敦子なのです。
【ろ】はそれを歯がゆい気持ちで見つめながら端っこで踊る知名度の低い誰かなのです。
この差はでかいです。
もう【ろ】の悔しさを考えると夜まで眠れませんよ。
あともうひと頑張り、クルッと回るだけでセンターになれたんですから。
そんなわけで、ひらがなの世界は僕らが思ってるよりも厳しいというお話です。
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