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100の基本という美意識

松浦弥太郎さんの「100の基本 松浦弥太郎のベーシックノート」を読んだのでまとめます。

本の構成

本書は著者本人の100の基本、著者が代表を務めるCOW BOOKSで働く従業員の共有する100の基本。最後に読者自らが100の基本を書き留めることができるページが設けられています。
100個も基本を作るのか。。。と私はタイトルから身構えてしまいましたが、読み終わるころには腑に落ちるものがありました。
自分の価値観や方向性がつかめない、将来に何となく不安がある、八方美人にコンプレックスがある人におすすめの一冊です(個人の感想です)。

また、就職活動をされている方が自己分析のために手に取ってみるのも面白いと思います。

基本とは日々の発見、アップデートによって磨かれた美意識

基本とは、うんうんとうなってひねり出す至高の一品ではない。
自分の心のアンテナが反応するもの、自分が大切にしたいと思うものが、日々の気づきの中で常にアップデートされて自分の形になっていく、そんなものではないかと考えさせられました。
そのため、本に載っている一言一言に温かみを感じ、洗練されて非の打ち所のなくなった法則のような無機質さは感じませんでした。

これらの言葉はまるできれいに磨かれた珠を見ているようで、さらに見ているうちに、まるで著者本人を見ているような感覚になりました。
これらの基本一つ一つが著者の気付きから生まれ、著者の美意識に沿って何度も何度も磨かれてきたことで、著者そのものを映すほどになっているのだと感じました。
前回ご紹介した「1分で話せ」に記載されているリトルホンダにも通じるものがあります。何かを選択するとき、挫けそうなときに、周りに影響されない「自分とは何か」という道を示してくれるのではないかと思います。

人の基本から自分を見つめなおす

人の価値観に触れることで、自分の価値観に気づいたり、その人の言葉を借りて深まったりすることがあります。本書では何しろ100 × 2の基本が掲載されているため、読んだ人が共感できる価値観がきっと書かれているでしょう。
中には抽象的なものから、かなり具体的なものまで書かれています。ページをめくって書かれていた具体的な「基本」が、まるで自分のことを見透かしているんじゃないかと思うようなことも何度かありました。
こうしたほかの人との美意識のすり合わせが、さらに自分の美意識をよりはっきりとしたものにしてくれるのではないかと感じます。

この本を通して、変化の激しい今の時代に流されないための、最も身近な自分の「基本」について考えるきっかけをもらえたように思います。
自分を改めて見つめなおしたい、人の生き方から学び、自分に取りいれたいという人にはぜひおすすめしたい1冊です。

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