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5【詩】

セキセイインコから始祖鳥の生まれ変わりを捜して欲しいという依頼を受けたフレディ・ハバードは金管で応えた。だがそれでも仕事を疎かにしてはいけない。それは祖母の教えだ。祖母は偉大だ。今年102歳になってもまだボケてはいない。それはともかく始祖鳥の生まれ変わりを捜さねばならない。どこから捜すかを骰子で決めよう。父は骰子で全てをうしなった。何もかもだ。それはともかく骰子は5の目が出た。5だ。5。五。Five。ご。Go。とりあえず近くの地下鉄に飛び乗り5番目の駅で降りた。地上では熱波で飲んだくれと痴漢と自称社長と博物学者と鮨職人らが軒並みダウンしていた。ハバードはそれらを跨ぎながらどうしても解せなかった。なぜわたしなのか、と。でもわからないのでハバードはまた骰子を取り出そうとしたが、ポケットに穴が開いていたらしく見つからない。ついでに財布も落としてしまったことに気づく。絶望的な気持ちに圧し潰されるのを感じて、でもそんな感じもわるくないなと歩くスピードを緩めるのであった。

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