ICTにしきれないものを見極める~コーヒーとアイドルと福祉論10
台風10号が通過したら朝晩が涼しくなりましたね。梨もめっちゃうまい。推し梨は美濃加茂市の山之上産です。
たしか「がっちりマンデー」だったか、TVで遠隔見守りをICTで実現する取り組みが紹介されていました。これは介護業界の人たちには意見が分かれるところかと思いますが、これで事故を防げれば良いし、職員が毎回来るのをやめる事によって利用者の自主性も高まるんじゃないかな。
もちろん、初期投資が莫大だし既存のやり方を確立している介護施設に導入するのは果てしなく困難です。そのため、新規立ち上げの施設で最初から導入するのが一番スムーズに行くと思います。
ただ、基本的には対人の仕事に共通することですが、AIで任せきれない分野の一つに挙げられるのも介護です。ある程度共通化された介護技術も多いですが、正解は一人ひとり違うため、アジャストさせるためにはアレンジを加えなければなりません。スパコンを駆使した天気予報でさえ100%当てることはできません。
私自身ケアマネを3年やってますが、いまだに同じケースだった利用者は一人もいませんでした。
その中で一番大事な事は情報収集だと私は考えています。
かつて戦国時代に織田信長が破竹の勢いだった今川義元を少数で討ち取った「桶狭間の戦い」で第一の武功は今川義元の居場所を知らせた武将に与えられたと言われています。博打のような作戦だったという印象が過去は強かったのですが、実際はおとり部隊を出して今川軍を少しずつ割いていき、最終的には2000人差に縮めていたと言われています。士気が高いのは織田軍だったので計算がばちっとハマった戦いだったわけです。
ケアマネになったばかりの時から、とにかく最初の情報収集だけは手を抜くなと言われました。それでも最初の頃は所々情報が抜けてて、その後不十分なケアプランを作ってしまう失敗をしてしまい、情報収集の大切さを学びました。ここをしっかりすれば、面白いようにケアプランがハマります。
ただし、導入の期間ですと利用者本人と家族の心の揺れもあり、一度決めたケアプランが覆ることもよくあります。ケアマネとして渾身のプランを作ったとしても、ご本人にハマらなければ何の意味もないからやるしかありません。こういう思うようにならない状況も私としては嫌いではありません。
なんだか、ケアプランが生き物のように思えて楽しくなってくるんですよね。
あと、情報収集の時、特に初めて訪問するいわゆるインテークの段階はひたすら聞き役に徹します。本人もそうですが家族も急な変化、体力の落ち込みなどを見て気落ちしている分、話を聞いてほしい!との思いが溢れて話が長くなりがち。それでも私はできるだけ話を聞きます。その結果、特に情報が得られない事もあります。ですが、確実には「話を聞いてもらえた!」という満足感が相手側に残り、信頼関係を芽生えさせることが出来ます。ここがあるのとないのとでは大きく異なります。
実は、アイドルとの握手会で上のような対応を学んだ部分もありました。
こちらの一方的で独りよがりな話をしても、ひたすら聞き続けてくれます。最終的には話を聞いてくれたという満足感と余韻が残ります。しかも彼女たちの年齢は中学生から20代後半あたりまで。そんなに若いのに聞くコミュニケーションを熟知しているのは凄過ぎます。
追伸:
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