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ホットココアと映画。

つまらない映画、というものに出会う時がある。
とても単調で退屈であくびが出そうな時間。

1年くらい前のこと。
ある好きな写真家のドキュメンタリー映画がそれだった。せっかくの機会なのでがんばって全部見たけど、そんな努力の甲斐もなく、結局それは最後まで淡々として、つまらない映画だった。

でも今朝、ホットココアを淹れながらふとその写真家の写真集をパラパラとめくったとき、その時の映画のワンシーンが頭に蘇ってきた。
それは写真家のチャーミングで人間らしい一面が描かれた場面だった。

NY、晴れた日の公園。写真家はミニスカートでベンチに座っておしゃべりをしている女の子たちにカメラを向ける。デジタルカメラの液晶画面に映った腰から下の女の子の写真を、カメラを回しているスタッフに見せ、いい景色だろう?とニヤリと笑う。

つまらない日、つまらない映画、つまらない人生。
どんなつまらないものの中にも、キラリと光る瞬間があったりするもの。