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朝のクッキー。

少し肌寒い朝、ほろ苦い珈琲が心に染みる。

秋特有の、心の隙間を埋めるべく、残り物の卵白を利用してクッキーを焼く。
卵白1個分をメレンゲにし、砂糖、米油、小麦粉、だいたい同じくらいの分量を混ぜ、シンプルにスプーンで天板に落として焼く。
外はサクサク、中はふんわりの、ボウロのような感じに焼き上がった。


お菓子作りは、初めのうちはレシピ通りに計量することを強くおすすめするけど、慣れてきたらレシピなしで気楽に焼くのもいいと思う。

何年か前、TV番組でベニシアさんが目分量でクッキーを焼いているのを見たとき、すごいなぁと思ったけど、最近やっと、そのささっと手軽に作る感覚が分かるようになってきた。

いつだったか、アメリカ人の友人にクッキーを焼いて持っていったところ、日本ではおいしいクッキーは貴重だ、と、とても喜ばれたことがある。他にも、イギリス人の男性も、ハワイ土産のクッキーを小分けし紙袋に入れて渡したら、「Oh!Cookie Bag!」と嬉しそうに受け取り、その予想以上のテンションの高さに、こんなにクッキーに喜ぶ男性がいるのか、と少し驚いた記憶がある。

クッキーは西洋の人々にとって、とても馴染み深く、おふくろの味、みたいなものなのだと思う。

日本人の私にとって、子供の頃、お菓子作りは、少しがんばって作る特別なもの、という印象だったけど、たくさん作っているうちにだんだん日常に溶け込んで、今では私の一部になっているような気がする。